聖女とポチ
トレードフロント
バルザック邸
リリスとポチは証拠集めのために迷彩ローブを使い屋敷の中に忍び込もうとしていた
ポチはローブを着れないので首輪状の迷彩首輪を装着している
1人と1匹の姿、声、気配、匂いなど勘づかれる要素は全て無効にされている
「ポチ、あの塀を越えられますか?」
「私の背に乗れ」
「ふぁ!モコモコですね!神獣様に乗れるなんて夢みたいです」
リリスはフェンリル形態のポチをもふもふしながら楽しそうだ
旅をはじめて色々あったためある程度度胸もついたがちょっと悪いことをしているような気がしてドキドキしていたのだ。
「塀は越えられましたけどどうやって入りましょうか・・・流石に扉開けたらバレますよね?」
「次に入ったやつの後ろについて行こう。」
中へ侵入するためにチワワ形態に変化するポチ
2人でこっそりとその時を待ち
入ってきた人の後ろをついていき侵入完了
迷彩ローブありきの作戦なのでドキドキが止まらない
とりあえず誰もいない安置で一休み
「ポチ、バルザックの匂いは分かりますか?」
「問題ない 帳簿の場所もわかった 2階へゆくぞ」
見回りの横をそーっと通っていく
ポチはバレないことが分かっているのでグイグイ進んでいく
待って待ってといいつつ少しずつ2階へ侵入していく
そして辿り着いたのは2階の一番奥の部屋
その中に入ると誰もおらず薄暗い
特に帳簿らしいものは見当たらない
「普通の寝室のように見えますが・・・」
「あそこの本を押すんだ 隠し部屋がある」
「分かりました」
グイッと押すとガガガと本棚が横にずれ隠し部屋が姿を現した
そこには綺麗に整頓された帳簿や金貨が隠されていた
中身を確認するとどれも違法なものばかり
ちがやの道具『コピーくん』で複製してから共有マジックボックスへ放り込む
これであらかじめ説明しておいた商業ギルドが受け取ってくれる
念の為中の写真と入口の写真も撮っておく
「ポチ、他には何かありそう?」
「それは大丈夫だが・・・」
ポチが向いている方角には、隠し部屋が開いてることに気付いたバルザックが立っていた