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悪徳商人は暗躍する

商業国家

 商業と学問のこの国には貴族システムは存在しない

 この国を牛耳っているのは、大商人と賢者と呼ばれる存在

 大商人は、商業国家でも大手の商会を担っており、その資産は膨大だ

 商業国家において資産の数は、力そのもの

 実力主義の証

 絶対的な権力を持っているのだった

「ちがやという商人は偽善者なのか?慈善事業など実にくだらん」

 トレードフロントの大商人の一室で恰幅の良い男が吐き捨てる

 男はこの街を任されている大商人の一人『バルザック・グレイヴ』という

 先代とは違い強欲で金こそ全ての男であった

 利益のためなら殺しすら厭わないその姿勢にトレードフロントでは密かに恐れられていた

 そんなバルザックが最近巷で派手に動いているちがやに目をつけた

 男にとって目の上のたんこぶ

 邪魔で仕方なかった

「ヴァルガ、頼めるか?」

 呼ばれて出てきたのはジェイソンと同格の体格の大男

 炎のように逆立つ赤髪、傷だらけの肉体。瞳は血のように赤い。

 男は『憤怒のヴァルガ』と呼ばれている金で雇った傭兵だ

 ヴァルガは怒りの矛先をいつも探している

 それ故にちがやという少女にぶつけてみようと考えたのだ

「仕事なら請け負うが少女か・・・胸糞悪い」

 ヴァルガはあくまでも仕事だと思って引き受けているだけに過ぎない

 大商人のことは外道商人と思っているし好きでもない

 故に少女を殺させようとしている眼の前の男に少しだけ殺意を覚える

 だが、仕事は仕事、感情を押し殺して依頼を受けてさっさと部屋をでていった

「頼んだぞ・・・」

 男は不敵に笑う

 商売の邪魔をするものは全て排除する

 例えそれが年端もいかない少女だったとしてもだ

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