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初めての危機

第四回初めての危機

■敵のアジト

敵ボス「レネルガン……邪魔な奴だ」

女幹部「ボス、このドクター・フラワーに奴を倒す案がございます」

敵ボス「ほう……なんだ?」

フラワー「それは……」


■放課後・商店街

雪彦「ああ、やっぱりアイスは美味いな」

 アイスキャンディーを食べながら雪彦が呟く。

牧人「ああ、そうだな。でもいいのかなこんなリラックスして。敵はまだいるんだぞ」

雪彦「戦士にも休息は必要だって。戦ってばかりいてもダメなんだって」

牧人「そんなもんかな」

通行人の声「う、うわぁぁぁぁぁ!!」

雪彦「なんだ!?」

フラワー「はいはい、どんどん武器にしていくわよ」

ドクターと名乗る連中が持つ銃で次々と道行く人々が武器にされていく。

 日本刀になるは、斧になるは、槍になるはとにかくあらゆる武器に変わっていく。

 銃声が聴こえた場所に牧人たちが向かうと、ケバい化粧をした女が銃を乱射していた。

牧人「くそっ、また新しい敵かよ!」

フラワー「私はドクター・フラワー。あんたたちは私が殺す」

牧人「そうはいくか。フレイムマン、変身!」

牧人の体が炎を纏った。

フラワー「ちょっと待ちなさい。こいつらがどうなってもいいの?」

フラワーが二丁の拳銃を胸元から取り出した。人間サイズではない、普通のサイズの武器だ。

フラワー「こいつらも元は人間なのよ。壊して殺していいのかしら」

牧人「く、卑怯だぞ」

フラワー「所詮ガキはガキ。出来る事は限られてるわ」

牧人「(レネルガンは掟で来れないし、フレイムマンも完璧じゃない……どうする?)」

フラワー「おっと、あんたには銃は効かなかったっけ? まあいい。このどこの馬の骨ともしれない人間が変わった青竜刀で刺し殺してやるから」

 フラワーが青竜刀を背中から取り出した。

フラワー「さあ、死になさい!」

 フラワーが刀を牧人に向けて振りかざした。だが、牧人はそれを悠々と真剣白刃取りした。

フラワー「な、なんですって!?」

牧人「お前らが、そういうつもりで人を武器にして使うと考えているなら俺はお前を全否定してやる! 人間は道具じゃない!『使って』いい訳ないだろう! 許さないからなクソ女!」

 牧人は受け止めた青竜刀を奪った。

牧人「雪彦、この人を頼む」

雪彦「わかった。ちゃんと守るよ、この刀」

牧人が雪彦に青竜刀を預ける。

フラワー「おっと、待ちなさい。この銃は壊して殺していいのね?」

牧人「クッ」

極限状態の中で、ふと牧人が閃く。

牧人「(そうだ! これなら……)フレイムバーニア!」

 纏った炎が全身から吹き出して牧人のスピードが高速に加速した。ほんの一瞬の間にフラワーが持っていた二丁の銃を奪う。

フラワー「な、なんですって!?」

 あっという間に銃を取られた事にようやく気付くフラワー。

牧人「これでもう怖くないからな。ケバいおばちゃん」

フラワー「クッ、まだ私には人間武器が……」

 何かを取り出そうとしたフラワーをフレアバーニアの高速で牧人は地面に押さえつけた。

フラワー「やめろクソガキ! セクハラだぞ!」

牧人「うるさい。お前らに同情の余地はない」

雪彦「牧人、その女どうするんだ? 記憶消去ガスは今持ってないだろ」

牧人「う、うーん。どうすべきだろ?」

フラワー「こうなったら最後の手段だ、来い、フラワーロボ!」

 空中に稲光とともにポインセチアの形をしたロボットが現れた。

「こいつらを殺せ! フラワーロボ!」

牧人「雪彦、この女取り押さえておいてくれ。」

雪彦「わかった」

牧人「来てくれ、レネルガン!」

同じように空中から巨大ロボット・レネルガンが戦線に復帰した。

レネルガン「ようやく協力できるな。観測していてハラハラしたぞ牧人よ」

牧人「しきたりじゃしょうがないからな。じゃ行くよレネルガン俺の力で敵を倒してくれ」

レネルガン「ああ、行くぞ! 一刀両断! フレイムソード!」

 炎の剣状態に変身した牧人の力でフラワーロボが真っ二つになった。

 そのまま地面にドスンと落ちた。

牧人「よく考えたらドラゴンの時も人のいる場所によく落ちなかったな」

レネルガン「何を言っている牧人。私の計算通りだぞ」

牧人「そうなのか! すごいなレネルガン!」


雪彦ががんじがらめにしてフラワーを押さえつけていた。

雪彦「俺たちの勝ちだな、おばちゃん」

フラワー「くそっ、こんなガキどもにやられるとは……甘かった」

雪彦「記憶消去ガスを浴びれば、おばちゃんもまっとうに戻れるって」

フラワー「私の負けだわ……認める。もう戦わない」

レネルガンと牧人が雪彦の元に戻ってきた。

牧人は人間の姿だ。

レネルガン「記憶消去ガスの準備は出来てるそ牧人」

牧人「いや、この女にはまだ聞きたい事があるんだ」

フラワー「……なによ」

牧人「お前らのボスはどこにいる? 早めにこの闘いを終わらせたいからな」

フラワー「言うわけないでしょ。クソガキが」

牧人「そうか。じゃレネルガン記憶消去ガスで」

レネルガン「わかった」


フラワー「あの……ここどこですか?」

雪彦「月見台商店街ですよ」

フラワー「ありがとうございます。帰ります」


フラワーが立ち去った。

武器になった人々もレネルガンの浄化作用で元に戻っていく。

 彼らも記憶消去ガスで全てを忘れていく。

レネルガン「今日こそハラハラした日はなかったぞ牧人」

牧人「心配かけて悪かったなレネルガン。フレイムバーニアの力も手にしたし今度こそ大丈夫だ」

レネルガン「そうか。じゃまた会おう牧人よ、さらばだ」

レネルガンが飛び立つ。

雪彦「あっ!」

牧人「なんだよ、雪彦」

雪彦「アイスキャンディー溶けちまった……」

牧人「そうか……今度は俺が奢るよ、アイスキャンディー」

雪彦「ああ、ありがとうな」

第四回了

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