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二度目の召喚なんて、聞いてません!  作者: みん
二度目の召喚

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同士としての忠告


「エメラルド殿は、1日数名限定で貴族相手に祈りを捧げていた。平民には……見向きもせずにね。」


「それは!シアが───」

「王女殿下が、平民には何もしなくて良いと言った?貴族相手で十分だと?ははっ─何でも他人(ひと)のせいにするんだな。自分の意思は無いのか?そもそも、聖女としての矜持も無いんだな。」


ルーファスさんのターンがキレッキレ過ぎませんか?そして、めちゃくちゃ愉しんでませんか?私に言われた筈なのに、私、一言も口を挟む事ができない。いや、挟んだら駄目なのかな?


「本来、聖女とは身分関係無く癒しを与える存在なんだ。」


女神アイリーン様は私達4人に、それぞれに見合った能力を与える─と言っていた。ならば、与えられた時点では、エメラルド─久保さんにも、ちゃんと聖女としての資質があった筈。それを、活かすも殺すも本人次第と言う事なんだろう。そして、エメラルドはソレを見誤った─と。その事を注意する者が居らず、エメラルド自身も自分を省みる事もなく、そのまま過ごしていたのだ。

それなら、エメラルドが全く成長していないのも納得だ。


「エメラルドは……エメラルドこそ、還った方が良かったのかもね。」

「──は?」


思わずポロッと口に出してしまった。チラッとルーファスさんを見ると、“言いたいことを言えばいい(やってしまえ!)”と言わんばかりに微笑んでいる。


ならば──


「エメラルドは、何故この世界に残ったの?バーミリオンさんもアズールさんも、何故残ったのかは知らないけど、2人は、この世界で自分ができる事があるから残ったんだと思う─思えるけど、エメラルドは?自分が“私は聖女だ”と言うけど、聖女の務めも果たそうともしないのに、何故この世界に残ったの?」


私は…エメラルドとルーファスさんを見るのが辛い─と言う事もあったけど、この世界で女魔導士としての私は必要無いとも思ったから日本に還った。日本での久保さんが、どんな環境に居たのかは知らないけど、ただ、日本よりこの世界の方が居心地が良かったから残っただけなんじゃないだろうか?ルーファスさんが好きだから─と言うのもあっただろうけど。


「エメラルドは……日本に還るべきだったと思う。」

「─なっ!ウィステリア()()()に、そんな事言われたくない!」


ー“ウィステリア()()()”ね……ー


「私も………何もかもを他人(ひと)のせいにするエメラルド()()()に、言われたくないから。」


きっと、何を言ってもエメラルドには何も響かない。心地良い言葉しか届かないんだろう。





『──アイリーン様が目覚めた後、その事をどう判断するかで、エメラルド様の処遇は変わって来ます。』




きっと、この事はエメラルドは知らない。私もだけど、エメラルドも1年後にはどうなるのか……


「“自分は聖女だ”と言うなら、私を見下す前に、それに見合う行いをする努力をするべきじゃない?」


「──っ!」


儚げなエメラルドは何処へやら。ルーファスさんが居るのも忘れているのか、顔を恐ろしい程までに歪ませて私を睨みつけている。


「忘れないでもらいたいんだけど、私もまだ、アイリーン様の愛し子なの。これ以上私に何かするなら、同じ愛し子であっても、どうなるか分からないって事を……これは、同じ愛し子である私からの、最初で最後の忠告だと思って聞いて欲しい。それと、私の事が嫌いなら、もう私には二度と関わらないで欲しい。私も、エメラルドに関わりたいなんて……全く思ってないから。」


「よく……そんな口を───」

「利けるよ?だって、ただ召喚された愛し子であって、優劣は無いって言ったよね?あぁ、腹が立つから、騎士達に泣きつく?うん、それでも良いよ?だって、私は女魔導士だからね。騎士達が何かしに来ても───返り討ちにするだけだから。」


ニッコリ─と微笑んでおく。


本当は、4年前にあった魔力は取り戻せていないから、今の私では騎士達に勝つ事はできないだろうけど。


「………」


でも、そんな事は全く知らないエメラルドにとっては、私が言った事が真実になるから大丈夫…だろう。


ーいざとなれば、キッカさんに助けてもらおうー


「他に、何か言う事はないか?なければ、外で待機している騎士を呼んで、俺達はここから出て行きたいのだが…。」


「ありま……せん…」


エメラルドは、顔を強張らせたまま、ルーファスさんを見る事なく答えた。

そんなエメラルドを横目に、外で待機していた騎士に声を掛けてから私とルーファスさんはその部屋を後にした。











「スッキリした?」


「スッキリ───したのかなぁ?」


言いたい事は言えたけど、エメラルドには何も伝わっていないようで…モヤモヤしたりもするけど。


「少し…言い過ぎたかなぁ?」

「いや、どうせ半分位しか響いてないだろうから、あれ位で丁度良いんじゃないかな?」


どうやら、ルーファスさんは、エメラルドに対しては容赦が無いらしい。


「これからどうする?予定より遅くはなってしまったが、パンケーキ屋に行くか?」

「はい、勿論行きます!」


少し喰い気味に反応した私に「やっぱり可愛い」と呟いたルーファスさんに、やっぱり一度眼科をお勧めしないとな─と思いながら、ルーファスさんと2人でパンケーキ屋さんへと向かった。





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