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総一郞のつぶやき・1

 食事の()で掃除をしていた女中たちが夕食の準備をするために食器を取りに戻って来ると、私が台所に居ることに驚いていた。


「今すぐワインとチーズを客間に持って来なさい。料理が出来るまでの時間を稼ぐから」


 そう言い残して客間へと戻った。


 

 タマはそれから30分後には料理を仕上げていた。


 肉が好きな公爵用に牛肉の塊をワインで煮込んだ料理は出せなくなったが、牛バラ肉がたくさん入ったオムライスを気に入ってもらうことが出来、事なきを得た。



 翌朝、九六子は泣きながら鍋に入れた物は下剤だと私に謝罪をした。


 たとえ本当に毒ではなく下剤であったとしても腹を壊すような食事を出したという時点で倉島家の信用は落ちる。タマが作った料理を食べた公爵が腹を壊すことでタマをこの屋敷から追い出したかったのかも知れないが、あまりにも短絡的で愚かだ。


 そもそも下剤といえども公爵が食べるはずだった料理に有害な薬が入っていたという事実が公爵の耳に入るだけで我が伯爵家はおしまいだ。


 九六子は侯爵令嬢で財は無いが地位と権力がある。だが伯爵家を破滅に導くような女を置いておく訳にはいかない。



 私はその日九六子を連れて侯爵邸に出向き、九六子を龍之介の本妻に迎えることは出来ないとの旨を告げた。



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