表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エルフさん♀には秘密が多い  作者: 茉莉鵶
第2章 青春期 英雄学校編
13/40

第13話 意外な接点


 リゼイルの家の居間の奥に廊下があった。

 その廊下を進んだ右奥がリゼイルの部屋だった。

 今、私はリゼイルの部屋の中へ入ったばかりだ。


 「さっきは何で拒んだんだよ?」


 へ?

 拒んだ?

 どういうことだ…?

 まさか…。

 お前、そっち専門なのか?!


 「だって…。そっちは違う…。」


 「は?な、何…言ってるんだ!?」


 いやいやいやいや!!

 お前こそ、何言ってるんだ?!


 「え?どういうこと?私には分からないよ…。」


 「普通、結婚するまでは、さっきの所使うだろ?」


 は?

 クゥイルデは、婚前はそういうルールってことか。

 私には無理だ。

 ただでさえ、気が滅入りそうなのに。

 そっちでされたら、男同士でしているみたいだ。

 エリンダルフは、婚前だろうと普通にしていた。

 それで押し通すしかない。


 「エリンダルフは、婚前だろうと普通にしているんだ。避妊もしない。だからさ…?リゼイル、普通にしたくない?」


 もういいや。

 成り行きでこうなることは大体想像がついた。

 エルミリス、それに…私の子供、ゴメンね?

 私はこれから女にされます…。

 これで、あの時のエルミリスが、どんな思いだったか分かるかも知れない。


 「そうなのか!?じゃあ…仕方ないよな。俺は、彼女の種族の決まりに従うまでだ。」


 「分かってくれてありがとう。」


 「早速で悪いんだけどさ?エルフを俺のモノにさせてくれよ。」


 早すぎるだろ…。

 出会ってまだ半日も経っていない。

 この世界の年齢でいえばどうなのだろう?

 まぁ、エルミリスも10歳で処女喪失した。

 私も今、10歳だ。

 この世界では幼い頃から性教育を学んだ。

 争いごとが多い世界では、性経験の年齢は低い。

 命を繋いでいくということはそういうことなのか?


 「私は…モノなの?」


 「ああ。エリンダルフではどうかは知らないが、クゥイルデでは女はモノだ。金に困れば、女はモノと同じだからな?容赦なく売られるぞ?」


 文化の違いなのか…。

 それとも、クゥイルデの街が狂っているのか。

 エリンダルフの街は、男女平等だった。

 そう考えると、この世界にはあとどれくらい街があるのだろうか。

 恐らく、それぞれの街でそれぞれの決まりで生きているのだろう。

 だからエリンダルフの街は、外界との接触を閉ざしていたのかも知れない。

 詳しくあの街を知る前に、こうなってしまった。


 「酷いよ!!私はモノじゃない!!」


 「大丈夫だ!!俺は、エルフを売ったりしない。だから…!!」


 ──ドサッ!!


 「いやぁ!!」


 強引に私はベッドに押し倒された。

 恐らく、抵抗したら痛いだけだろう。


 「今から、俺の女になって欲しい。良いかな?」


 「うん…。私、初めてだから優しくしてね…。」



────



 気づけば真夜中になっていた。

 ご両親は、察してくれたようだ。

 私達が重なり合っている最中、声掛けがなかった。


 女の身体はヤバい…。

 男の身体の時よりも、数倍は気持ちよかった。

 それに、リゼイルがかなりのテクニシャンだ。

 あと、男の時の私よりもリゼイルのが立派だった。

 毎日重なり合ったら、頭が壊れてしまいそうだ。


 今は、リゼイルの腕枕で私は寝たフリをしていた。

 時折リゼイルが私の頭を撫でてくれるのだ。

 リゼイルには、男として私は完敗だった。


 「なぁ…?エルフ。いつから、学校行きたい?」


 寝たフリもバレていたようだ。


 「私が起きてるの、気づいてたの?」


 「好きな女のことくらい、すぐに分かるよ。」


 そっか。

 リゼイルは剣士か…。

 相手の筋肉の動きくらい読み取れるのか。


 「凄いね!!流石、剣士だね。」


 「ん。まぁな…?んで、学校どうする?」


 少し照れくさそうな声が聞こえた。


 「あ、そうそう。学校だけど…今日から行ける?」


 なるべく早く行きたかった。


 「じゃあ、行く前にもう一回だけやろっか?」


 は…?

 私はもうヘトヘトなのに…。

 でも、快楽への誘惑には勝てなかった。


 「うん…。」



────


 「んっ…。」


 身体を何かが這う感触で、私は目覚めた。

 少し目を開けると、外が明るくなってきていた。


 ゆっくりと、私は身体の方へと目を向けた。

 すると、そこにはリゼイルの姿があった。

 濡れた手拭いで、私の身体を入念に拭いている。


 「おはよう?リゼイル、どうしたの…これ?」


 「エルフの身体見てたら、我慢出来なくて…。」


 寝ている私の姿で…か。

 まぁ、その気持ち痛いほど分かる。

 私も男時代、エルミリスを対象に散々経験した。

 お年頃の男子なら、服を着てる相手でも…ありだ。


 リゼイルが、私に夢中になってくれてホッとした。

 これで、私の当面の生活は保証されただろうか…。

 ここで生き抜かなければ、エリンダルフには…エルミリスの元には帰れないのだ。

 その為には、男に抱かれるのも厭わない。

 不特定多数じゃないから、良いと思いたい…。


 「あのね…?あまりし過ぎると…赤ちゃん出来ちゃうから…。」


 「分かってるさ!!だから、俺は…こっちでしたいんだよ!!本当に、こっちはダメなのか?」


 私の身体を拭く手が、お尻の谷間の方に伸びた。

 何があっても、絶対にそっちは無理だ。


 「ダメ!!絶対…嫌だから!!そっちでしたら…私、リゼイルと別れるから。」


 これで別れると言われれば、仕方ない。

 それまでの男だったってことだ。


 「分かった…。俺、エルフと一緒にいたいからさ?今日みたくして良い日は教えてくれるか?」


 「うん。ありがとう。」


 我慢させすぎて、浮気されるのも何か癪に障る。

 それで変な病気をうつされても嫌だ。

 とりあえず、月経周期を把握しないとダメか。

 女の身体になったばかりで、全く慣れていない。

 いきなり出血して、血を見て倒れるとかもありそうで怖い。


────


 私は制服に着替え、リゼイルと居間に来ていた。

 昨日会えなかった、彼の父親に挨拶する為にだ。


 「父さん、この子が俺の新しい彼女の…。」


 「おい…リゼイル!!そのお嬢さん、どこで助けた?」


 リゼイルがまだ話している途中で、質問された。


 「クゥイルデの街の街道沿いだけど…。」


 「お嬢さん…。その家紋、リーデランザ家だろ?」


 え!?

 何で…人間が?

 リーデランザの家紋を知ってるんだ?

 そんなに有名なのだろうか…。


 「はい。私はリーデランザ家の者ですが…。」


 「おお!!アヴィンは元気しているのか?」


 お義父様の名前が普通に出てきた。

 リゼイルの父親は、一体何者なのだろうか?


 「お父様は、私の祖父をご存知なのですか?」


 変な嘘をついても後で面倒だ…。

 私の母親の父親だから、間柄的に間違いではない。


 「あのアヴィンに、こんな可愛いご令孫が居るとはな…。ああ、話が逸れた。私はリゼルディアと言うのだが、アヴィンとはパーティをよく組んで居たんだ。まぁ、エリンダルフが外交断絶するまでだがな…。」


 お義父様のパーティ仲間?!

 と言うことは、人間ならばかなりの高齢のはず…。

 なのに、見た目はお義父様同様若々しい姿なのだ。


 「なるほど!お父様は、私の祖父とは仲間だったのですね?」


 リゼイルの父親は、うんうんと頷いてくれた。


 「なぁ、リゼイル?お前、そのお嬢さんの素性知らずに手を出したな?」


 そうなんです!!

 リゼルディアさん…。

 何度も何度も、リゼイルは身体を求めてきました。


 「まさか…エルフが父さんの知り合いのご令孫だったなんて、知らなかったんだよ!!」


 「リゼイル。お前は最悪の場合、アヴィンに殺されるぞ?今から覚悟しとけ。」


 まぁ、そうだよね。

 お義父様ならしかねない。


 「あの…。お父様は今、おいくつなのですか?」


 「ああ。私は、アヴィンとそんな変わらないぞ?」


 やはり…。

 エリンダルフの文明が進化を遂げて、相当経つ。

 祖父とは、それ以前の付き合いということだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ