ギルド依頼
ハーバス王国。人類領域の北東に位置する。人口は流動的らしいが五十万人が絶えず滞在するらしい。
ジジイの話じゃ大昔魔王がいて、それを討ちとった勇者達が建国と言っていた。それこそ四百年前とかの話だけど。
王国の門をくぐり綺麗に作られた石畳を進むと広がる城下町、当たり前だけど人が多い。
この世界に来て十五年、出会った事のある人はジジイとヤンビスの森集落にいる村人程度、後は集落を訪れる行商人くらいだ。
──目の前に広がる人、人、家、建物には圧倒される。
さらにハーバス王国内北に位置する王城。
「でかすぎ」
独り言で呟いちゃうくらいデカイ。
日本にもお城はあったし、行った事もある。
それを思い出しても言える、規模が違う。
もっと近くで見たいなロマンだなぁ。
(ま、ギルドに登録行くか)
圧倒された後は門番に聞いていた東に向かう。
周りを見渡しながら歩いていると、武器防具、素材屋、薬屋、アクセサリー店、飲食店など専門の商業が立ち並んでいる。
その中で一番びっくりしたのが調味料専門店。
前世では唯一の趣味が料理がだった俺。
というのもの祖父が料理人でおじいちゃんっ子だった俺は祖父に料理を色々教わってよく自炊していた。
この世界は思った以上に食事レベルが低い………というか調味料が割高な為あまり使う事がない。
つまり味がしないのだ。
ジジイ自身は飯はエサ認識なので焼くか煮るか、干したものを素材の味だけで食べる。
生きていく為だけの食事だけだったからな、初めは本当に辛かった。
「美味いもん食べたいよなぁ」
そんな事をボヤきながら歩く。
日本に住んでた頃の味を思い出しながら。
お金が入れば料理もありだなぁと心中で答えをだし、やっとこさ着いたギルドらしき建物を見上げた。
………これもデカイ。ハーバスギルドと看板に書かれている。
扉を開き受付カウンターらしき場所に足を運ぶ。
お酒を飲むエリアがあり、冒険者達が酒を浴びて楽しそうに談笑していた。
「あのすいません、ギルド登録したいんですが」
おどおどである。
中身はおっさんでも見た目は十代だからだ。もしかしたらガキンチョは帰りな! とか言われちゃうかも知れない。
「はい、かしこまりました。こちらをご記入ください」
全然そんな事無かった。
記入後受付嬢へと。
──ありがとうございますと受けとった紙に目を落とし、うんうんと頷く。
「大丈夫です! 記入漏れはございません。 ギルド規約により簡単ではありますがギルドについて説明致します。」
凄いちゃんとしてるんだなあ、と感心しているとカードを渡される。
「こちらはギルドカードになります。身分証にもなりますので紛失には注意してください。 ランクですが、死人を極力出さない保護の制度だと思って頂ければ結構です。皆様Dランクスタートになります。 DからAランクの四段階、多大な功績を認められた方はAAさらにAAAまでございます。」
一度咳払いを挟んだ後、話を続ける。
「自身のランクと討伐依頼ランクに照らし合わせご検討下さい。各地のギルドが所有しているダンジョンも、ランクにより立ち入り制限が御座いますのでご注意下さい。」
わからない事などあればその都度聞いて頂ければと締めくくり受付嬢は笑みを見せる。
取り敢えず目指すべきは決まった。
ランクの底上げ、何処にでも行ける強さの提示。
軽く挨拶を交わしギルド依頼掲示板を見る。
「Dランクと………あ、Cランク依頼もあるな」
無数のギルド依頼書を眺めて確認。
討伐依頼から採取、護衛、捜索など...
「あれ? Cランク以上は無いのか?」
Bランク以上の依頼者を見つける事が出来ない。今は無い時期って事なのか?
「坊主ギルドの依頼板は初めて見るのか? Bランクになれば専属のギルド員がサポートに付く。そこから依頼を受けるようになるぞ」
隣で依頼書を眺めていた冒険者が教えてくれる。なるほどそういう事か、納得。
「とりあえずアージュ草の採取ってやつでいっか」
依頼書を剥がし受付にて採取依頼が受理された。俺は冒険者としての一歩を踏み出していく。




