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日本



 ◇


 ◇



 鎖の棺桶で灰になるまで焼かれたオーガは消炭となっていた。


「やりきったようだネ……ジュネは大丈夫かイ?」


「大丈夫よ、意識は取り戻してるわ」


 少し焦点が定まらない眼でアイネとビブルに肩を借り立ちあがる。


「ジュネちゃん、あんまり無茶しちゃダメだからね?まだ内闘気も安定してないし」


「ありがとうね──それにポーションを無駄に使わせてごめんなさい」


「んなぁ、気にすることねぇぞ?命ありゃそれが一番だってなぁ。なぁクランコ?」


「それはそうだが、真っ正面から斬り込むのは違うと思うぞ。ナルシアの魔術が無ければ全ての力がジュネに向いてたはずだ……それでも助かってよかった」


 まるで父親のような緩みにパーティの緊張の線が緩む。


「それよりもなんでジェネラルオーガが単独でいるんっすかね?普段は群れで動くもんじゃないっすか?」


「確かにな、この先に魔物の気配はあるか?」


「いや索敵には引っかからねぇな、さっきのジェネラルオーガはやっぱり、変異種かはぐれじゃねぇか?」


 消炭を見ながら考える。

 肉を焼いた焦げ臭い匂いが鼻をつく。


「──魔物がこれ以上いないなら、少し先を見てこようと思うんだが」


「それには賛成ダナ……皆んなで動こウ」

「ジュネいけるっすか?」


「いけます!ポーションとヒーリングで全回復です」


「アイネ行こうか」


 座り込んでいたアイネとジョズも立ち上がり、消炭の先へと歩き始める。


 オーガと戦った洞穴から細い路に変わる。アーリチ鉱石の光が少しずつ無くなり、人が2人程度しか横に拡がれない道が続く。


「せまい。暗い」


「アーリチ鉱石だっけ?あれが全然ないもんな。入り口に比べたら明るさ半分以下くらいじゃないか?」


 それでもまだ洞窟の内部と考えれば明るく、見通しも良い方。狭くはなってきているが進む分には全く問題もない。


 着々とマッピングし歩きを進めていく。

 行き着いた先は先程オーガと戦った洞道より少し小さめの空間。


「行き止まり、か。しかしこの壁に……描かれた絵はいったいなんだ?」


「なんかの儀式とかっすかね?」


「……大きな建物?魔物?多い」


「凄く色彩豊かで綺麗だね」


 それぞれが壁に描かれたものを見つめ、感想を漏らす。


「それにしても大きな塔があるネ」


「この世界っぽくねぇな!こんな建物ガンガン立ってる場所あるか?それにこの空に描かれてる羽のついた箱はなんだ?魔科学の街か?」


「うーん。それに魔物が人を襲ってるようにも見えるね、それにしても高い建物とか、車輪の付いた箱みたいなのもあるし、どう思う?」



 ──もはやアイネの言葉など俺の耳には入っていなかった。

 行き止まりの洞穴。壁一面に描かれた絵は完全に転生する前の世界、日本。


 どう考えても車輪の付いた箱は車であり、建物の後ろには懐かしき東京タワーらしきものも描かれてある。

 ────魔物に襲われている日本であった。


「ねぇ?ねぇっ!!?」


 呆然と立ち尽くす俺の肩を持ち、アイネが揺さぶってくる。少しの間トリップしていた脳内がそれにより現実へと戻された。


「あ、あ……?」

「ねぇ、大丈夫なの?」


「ああ、ごめん、少し考え事してた」

「突然、ぼーっとしちゃって、びっくりするんだから!」


 壁に描かれた日本、何故この世界にそんなものが存在するのか。


 全く別の世界にリューズ(俺)はいるはず。


「クリエイト……なぜこんな物がこの世界にあるのか、わかるか?」


【──……解析済み解凍しますマスター】


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