日本
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鎖の棺桶で灰になるまで焼かれたオーガは消炭となっていた。
「やりきったようだネ……ジュネは大丈夫かイ?」
「大丈夫よ、意識は取り戻してるわ」
少し焦点が定まらない眼でアイネとビブルに肩を借り立ちあがる。
「ジュネちゃん、あんまり無茶しちゃダメだからね?まだ内闘気も安定してないし」
「ありがとうね──それにポーションを無駄に使わせてごめんなさい」
「んなぁ、気にすることねぇぞ?命ありゃそれが一番だってなぁ。なぁクランコ?」
「それはそうだが、真っ正面から斬り込むのは違うと思うぞ。ナルシアの魔術が無ければ全ての力がジュネに向いてたはずだ……それでも助かってよかった」
まるで父親のような緩みにパーティの緊張の線が緩む。
「それよりもなんでジェネラルオーガが単独でいるんっすかね?普段は群れで動くもんじゃないっすか?」
「確かにな、この先に魔物の気配はあるか?」
「いや索敵には引っかからねぇな、さっきのジェネラルオーガはやっぱり、変異種かはぐれじゃねぇか?」
消炭を見ながら考える。
肉を焼いた焦げ臭い匂いが鼻をつく。
「──魔物がこれ以上いないなら、少し先を見てこようと思うんだが」
「それには賛成ダナ……皆んなで動こウ」
「ジュネいけるっすか?」
「いけます!ポーションとヒーリングで全回復です」
「アイネ行こうか」
座り込んでいたアイネとジョズも立ち上がり、消炭の先へと歩き始める。
オーガと戦った洞穴から細い路に変わる。アーリチ鉱石の光が少しずつ無くなり、人が2人程度しか横に拡がれない道が続く。
「せまい。暗い」
「アーリチ鉱石だっけ?あれが全然ないもんな。入り口に比べたら明るさ半分以下くらいじゃないか?」
それでもまだ洞窟の内部と考えれば明るく、見通しも良い方。狭くはなってきているが進む分には全く問題もない。
着々とマッピングし歩きを進めていく。
行き着いた先は先程オーガと戦った洞道より少し小さめの空間。
「行き止まり、か。しかしこの壁に……描かれた絵はいったいなんだ?」
「なんかの儀式とかっすかね?」
「……大きな建物?魔物?多い」
「凄く色彩豊かで綺麗だね」
それぞれが壁に描かれたものを見つめ、感想を漏らす。
「それにしても大きな塔があるネ」
「この世界っぽくねぇな!こんな建物ガンガン立ってる場所あるか?それにこの空に描かれてる羽のついた箱はなんだ?魔科学の街か?」
「うーん。それに魔物が人を襲ってるようにも見えるね、それにしても高い建物とか、車輪の付いた箱みたいなのもあるし、どう思う?」
──もはやアイネの言葉など俺の耳には入っていなかった。
行き止まりの洞穴。壁一面に描かれた絵は完全に転生する前の世界、日本。
どう考えても車輪の付いた箱は車であり、建物の後ろには懐かしき東京タワーらしきものも描かれてある。
────魔物に襲われている日本であった。
「ねぇ?ねぇっ!!?」
呆然と立ち尽くす俺の肩を持ち、アイネが揺さぶってくる。少しの間トリップしていた脳内がそれにより現実へと戻された。
「あ、あ……?」
「ねぇ、大丈夫なの?」
「ああ、ごめん、少し考え事してた」
「突然、ぼーっとしちゃって、びっくりするんだから!」
壁に描かれた日本、何故この世界にそんなものが存在するのか。
全く別の世界にリューズ(俺)はいるはず。
「クリエイト……なぜこんな物がこの世界にあるのか、わかるか?」
【──……解析済み解凍しますマスター】




