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ロゼッタの依頼1

 



 突然のロゼッタの問いに頭が白くなる。

 なにもの? 勘ぐるような物言いを問いただす。


「なにもの……と言われても? 意味かわからないんだけど?」


「うんうん。単刀直入に、今回出現した序列二十四魔アルガモの単独討伐よー。武や魔術の極致に達した者ならまだしも、リューズ君はまだ若い────さすがに神童なんて言葉じゃ片付けれないの」


 その情報は王城より外に持ち出すのが禁止の話題のはず。なぜロゼッタが知っているんだ?

 俺の頭に沢山のハテナが浮かぶ。

 その表情を察してかロゼッタは笑いながら言葉を続ける。


「うんうん。なぜこの事を知っているかって顔してるね。このベーリズ商会は私の商会なの。ロゼッタ=ベーリズが私の名前ね。王城で働いてる知り合いが多くてね、今回の話の真相を教えてもらったのよ」


「え、──……ええっー!!」


 このデッカイ建物、この大陸で五本の指に入ると言われている商会の長がこんなにも若い女性だったなんて。

 俺は驚きと同時にサラリーマン時代の出来る女上司を思い出した。

 確かに、あの人も女性ながらやり手で凄かったなぁと懐う。

 ロゼッタは俺の驚きに手を叩きながら笑った。


「あははははは、そんな驚くの? わたしってば結構有名なのよ? だから知らない人の方が少ないくらいよ。うんうん、でさ? さっきの続きなんだけど、ほんとっ何者なのよ?」


「なにものと言われてもなぁ、最近片田舎から出てきた田舎もんってくらいしか」


 転生したとかインドラルさんの知識とか、クリエイトの事とか割と俺の強さの源をぺちゃくちゃ喋る必要もないしな。


「田舎……そーいえばどこの出身なの?」


「ヤンビスだけど、森寄りの場所で村から離れてたな」


「うんうん。あの聖なる森ね、ヤンビスの森ってマザーバッグさんの統治ね?」


 統治? よくわかんないけど、そもそもヤンビスって聖なる森だったんだ。やけにマナが濃いなあと思ってたんだよなあ。 それにジジイの名前が出てくるなんて、やっぱり有名だったんだな。半ば疑い半分だったジジイの言葉が真実になる。


「マザーバッグってあのクソジジイか? 一応父親だけど」


「──えっ!え、? マザーバッグさんがお父さんなのっ!?」


 ロゼッタは初めて目を見開いて口を開けた。

 そしてなにやらブツブツと念仏を唱えはじめる。その念仏はある時を境にピタリと止まり、目を瞑る。凄く絵になるひと時です。

 眼福、眼福とニヤケ顔と同時に王城から感じた事のない悪寒が襲ってくる。


(アイネの気?)


 リューズはプルッと身を震わせ頭を振るった。



 ◆


 ◆


 ◆




「うんうん。マザーバッグさんの御子息なら、その強さ──異常だけどあり得るわ。じゃあリューズ君の家名ってアイレッドなのよねぇ?」


「そうなるね、育て親で家名を貰ってるし」


「育て親ねぇ……それ、外であまり名のらない方がいいよ? 騒ぎになるから。リューズ君はマザーバッグさんが昔のハーバス王国第一護衛団団長って知らない感じ?」


 いやいや全くの初耳なんだけど! 

 第一って王直属の精鋭中の精鋭部隊だろ? 確かに有名な魔闘師とは言ってたけど。


「序列二十一魔フェンリンル、狼と馬を合体させたような怪物いたのよ。突然ハーバス領地内ダンジョンに出現したの。丁度前身の王様が視察で近くの村を訪れてて、付き添いだったマザーバッグさん率いる第一護衛団がその序列魔の封印を引き受けたのよ。」


 ダンジョンにも序列魔って出現するんだな、てかジジイほんとに強かったんだな。疑ってすまんクソジジイ。


「一週間以上かけて三十人で封印したのだけど──前線を引き受け続けてたマザーバッグさんは魔臓器の過剰なオーバーヒートで体内のマナが安定しなくなってしまったの。少数精鋭が逆に一人に負荷をかけてしまったのよね」


「でも普通に魔闘気とか、魔術使ってたけど?」


「それはヤンビスの森があるから、あの場所は凄くマナが濃いからねっ? それに魔臓器の療養にもいいから、前国王にマザーバッグさんはあの領地の統治を任されたの」


 へぇーそういう理由があったんだ。

 ジジイ何にも話さねぇからな、そこら辺。

 だけどあまりヤンビスを離れたがらないのはその理由だったか。確かにたまーに古傷がどうのこうの言ってた気がする。


「アイレッドはこの地では英雄の名だからね、あんまり名乗ると冗談と捉えて馬鹿にされて石を投げられるか、まあ本物だと分かれば担ぎあげられるかもね。ただでさえ今回の序列魔討伐も雷少年の噂が出てるのよー? 数年前にヤンビスの森で鳴り響いた雷とアイレッドの関連性とかもう色々凄い憶測と噂が飛び交ってるんだからっ」


 うげぇ、いくら情報を閉ざしてても漏れるんだな。こりゃバレるとめんどくさそう。

 ちゃんと覚えてないけど、凄い雷を森に落としちゃったらしいし、夜なのに昼かと錯覚するくらい明るかったらしい。ああ、次の日森が、焼け野原で周囲のマナが吹き飛んでてジジイにめちゃくちゃ怒られたなぁ。


「うんうん。とりあえず色々知れて良かったわ。マザーバッグさんにも会いに行かないといけなくなったし。で、ここからが一番の本題なんだけど」


「ん、? 本題?」


「えぇ、その強さに期待して。ノキノギの涙って知ってる?」


 いや全く聞いたことないよーな。

 そーいえばこれから向かおうとしてた南のダンジョン付近にノキノギって街があったような。


「ここより南にノキノギって街があるの。私の情報が間違ってなかったら、リューズ君はその更に南のダンジョンに行こうとしてるわよね?」


 すげぇ、情報網だ。

 なんでも知ってんだなあ。


「そのダンジョンの地底沼湖で溜まってる水が、私は欲しいの」


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