ロゼッタの疑問
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俺は城下町に出ていた。
ロゼッタにお金を返す為とこれからに必要な物を買い溜めておこうと。
アイネと共に一週間後にはハーバスを立ち南のダンジョンを目指す事になっている。
そのアイネはというと業務の引き継ぎでお留守番だ。
半月近く王城にて治療を行っていた俺はツイド王含む色々な人と出会い脈を広げていた。
「うーん。塩と胡椒は確実。後は香草系も欲しいし、あ、お酒も欲しいよなぁ」
その中の一つ貴族御用達のお店が連なるビルのような建物への口聞きがあった。
一階は飲食店や雑貨屋、受付などがあり、二階から九階はメンバーズカードが必要になりオーダーメイドの鍛冶屋から酒屋まで幅広く、色々なジャンルのお店がある玉手箱のような建物。
全てベーリズ商会の興行であり、この商会の力強さを知る建物だった。
何より良かったのが、以前お金を借りたロゼッタがこの建物の何処かで働いてるということだった。
受付の人に声をかけておき、今は外用で出ているロゼッタを待ちながら必要な買い出しを済ますのであった。
「んー。置いてるものとか日本とかと変わらないんだよなぁ、蒸留酒もあるし……ルルバー百年?百年!!?なにこの化け物。うげぇ!」
前世では絶対あり得ない百年物の蒸留酒。
一際目立様に中央のガラス台の中で保存されている。
値段はなんと六千万ジル。
「いやー、高い。でも飲んでみたいなぁ……いつか買おう」
一つの目標を見つけ満足し、手頃な価格のお酒を数本チョイスした。
その後は調味料から食材、簡易調理器具など欲しいものを次々と買っていく。
「マジックバッグ様様だわっ」
容量もさることながら、食材が腐る事もないもない謎の異次元バックだった。
クリエイトさん談だが人を入れるのは異次元に拒否されるらしい、謎仕様である。
「リューズ君っ」
物を物色していると聞き覚えのある声に名前を呼ばれる。剣を携帯せずセーターのワンピースと艶やかな黒髮、色気のあるロゼッタだった。
「あ、お久しぶりです!先日はありがとうございました!御礼と借りていたものを返しにきました」
わざわざありがとね、と美人よりも可愛らしさが強めの笑みを見せるロゼッタ。いや美しいです。
「ここじゃなんだし。場所変えましょっか〜」
連れられるがままたどり着いた応接間らしき部屋。
とんでもなく高価そうな調度品や美術品が部屋の隅々に並べられている。
(すげぇ……高そうな壺)
中央のソファーに促され俺は極上な柔らかさをもつソファーに腰を下ろす。
「これを。前はほんとに助かりました!ありがとうございます!」
俺の目的である返済の封筒を笑顔で受け取る。
その封筒には綺麗に両手が添えられており、社会人としての風格が感じられる。
「ちゃんと受け取りました!うんうん!いい子ねっ」
まだまだ子供扱いな俺。
ロゼッタは受け取った封筒を引き出しに片付け、対面のソファーに腰を下ろす。
「リューズ君、ちょっと聞きたい事があるんだけどいいかな?」
「なんですか?」
「──きみ、なにものなの?」




