その後の反応
序列二十四魔アルガモの討伐の報せはハーバス王国及び、近隣国までとてつもない速さで広まった。
ハーバスにおいてはここ六十年、四度の厄災で多大な被害を出していた為、討伐された吉報には住民のほぼ全員がお祭りの如く喜んだ。
なにより王国と軍への評価がうなぎ登りで"ハーバス王国万歳"と書かれた幕がめちゃくちゃ売れたらしい。
帝国及び近隣国も目を丸くし、状況整理に追われていた。それそのはず、封印、消失までの時間稼ぎが精一杯だった序列魔が討伐されたのだ。
どんな手段で? 偽計ではないか? と憶測が飛び交う中でこの討伐情報は確かなモノとなり、ハーバスの軍備は少数ながら群を抜いてるという有耶無耶な結論付けがなされた。
──帝国──
「あれは正真正銘の怪物ぞ? 全ての魂を喰らい変化進化を遂げる。三度目の出現時に無理に合成した黒蛇が出ておったではないか? ありゃライバス大森林に生息する厄災級の魔物ぞ……あれを討伐する力が王国にあるとは思えん。それに我々帝国精鋭でさえも黒蛇マイルザナーンの魔石回収に三万人以上の死者を出したというのに──」
「えぇ、私どもが作成した合成魔物の中では成功品でした。黒蛇の精神汚染、アルダイル族の魔眼、ノッグス大陸孤島に住む少数戦闘民族アーガモ人。もはや我々、帝国でさえ手綱を握れませんでしたし。前研究長もあれの存在には怯える程でしたからね」
「それが六十年の末、討伐されたと? あの弱国ハーバスに?」
帝国の幹部しか立ち入れない会議室にて会話は続く。
「えぇ、軍による討伐と出ていますが大凡無理がありますな、ハーバスの軍事力は確かにここ最近強固になっています。おそらく私が考えるに聖国が助力したのでは?と推測を立てています。ハーバス軍のみでアルガモを討伐しゆる力は無いかと……」
「なるほどな、クソ! 忌々しい聖国狐め! 陛下に知らせなければ……」
「陛下は未だにアルガモの魔石を欲しておりますからね。この討伐の報せを受けた際に笑ったあの顔を私は忘れられませんよ。今進めている話の中……最重要事項に魔石強奪が入りましたし、本当に陛下は国よりも──……」
分厚い丸眼鏡をかけた白衣に身を包む者は、手元の資料に目を通す。溜め息を混じらせ話を続ける。
「いずれにしろ、聖国が下手にハーバスに肩入れするとなると国力差は一気に帝国が劣勢になるかと。それでもまだ強大な力を保有している我らですが、ヤバズ殿、今一度計画の練り直しを──」
「ならんっ!! 準備は着々と進めているのだ! 今さら後には引けん!陛下のお言葉は絶対だ!」
一章完結です、次より二章に入ります。
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