この世界について
生まれてから半年ほど経過した。
半年も経過すると色々なことが分かってきた。
まずは、自分の名前だ。
家族のみんなからは、『レイ』と呼ばれているがフルネームは、レイアル=ドライブとのことだ。
他の家族の名前は以下の通りだ。
父:フラッグ=ドライブ
母:ランド=ドライブ
姉:エスターテ=ドライブ
また、この世界のことについても少しずつ分かってきた。
たまに、お母さんに抱えられて庭を少しだけ散歩することができた。
家の庭からの景色のみだが、外は木々があふれており木造の家しかない。
しかし、自分の家は外の景色を見る限り一番大きい家であった。
なんと、お父さんは騎士爵らしくどこかの辺境伯からこの辺り一帯を統治するように仰せつかっているらしい。
(この世界は地球でいう中世ヨーロッパ時代だ。
魔法があるため科学が全然発展していない。
前世では、いろいろなことが知りたくて幼いころから様々なことを調べてきた。
その知識を生かして、生活を豊かにしてのんびり過ごせるようにしよう。
決して、社畜のような人生にならないように楽しく生きていこう。)
そう思うも、まだ赤ちゃんでなにもできないし最近ようやく寝返りができるようになったぐらいでやることがない。
どうしたものか…
そうだ、この世界では魔法があるから起きている間は、魔法の練習をしてみよう。
だが、どのようにして魔法が使えるのかわからない。
たまに見る魔法は、お母さんが夜になると部屋を照らすために使っている、光る玉のようなものだけだ。
とりあえず、考えてもわからいからやってみるか。
(ヒカレ!!)
「あぅぅ!!」
なにも起きない。言葉が違うのかもしれないほかにもいろいろと試してみるか。
(ライト!! 光る玉よ 出でよ!!)
「あぅぅ!! あぅ~ あぅぅl!」
うむ、なにも出ない。どうしたら魔法は使えるのだろうか!?
そんなこんなで、いろいろと悩んでいると部屋の扉が開いた。
「どうしたのレイ? お腹でも空いたの?」
エスターテお姉ちゃんが部屋の中に入ってきた。
以前、お姉ちゃんに抱っこされてからはよく顔を見に来てはいろいろなお話をしてくれるのだ。
(エスターテお姉ちゃん、どうやって魔法使うの?)
「あぅあぅあぅ あぅぅぅ?」
まだ、言葉がしゃべれないから全然伝えることができない。
「う~ん お腹が空いているって感じではないわね…
そうだ!! 教会に行って魔法が使えるようになったから見せてあげる!」
おぉ、なんてタイミングだ。魔法は、教会に行かないと使えないのか!!
(魔法見せて、見せて!)
「あぅあぅ あぅぅ!」
「分かった、私の魔法見せてあげるからちょっと待っててね!」
そういうと、部屋を飛び出していった。
魔法が見れると楽しみに待っていると、エスターテお姉ちゃんが鉢植えを持って部屋へ入ってきた。
「私の魔法は、植物魔法なの
だから、鉢植えに入っている花の種を咲かせてあげる!!」
おぉ、植物魔法なんてあるんだ。他にはどんな魔法があるんだろう。
そう考えていると、エスターテお姉ちゃんが詠唱を始めた。
【この世界に芽生える種よ 我の願いを聞き届け その芽を咲かせたまえ】
そうすると、土しかなかった鉢植えから芽が出て一凛の花が咲いた。
おぉ、すごい!!
これが魔法なのか、種がいきなり芽を出して花が咲いたぞ!!
「よかったぁ、レイが喜んでくれて!!」
そういうと、エスターテお姉ちゃんが頭をなでてくれた。
魔法を見て興奮しすぎたせいか、なんだか眠たくなってきた。