表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
国守の愛 第1章      作者: 國生さゆり  
40/92

富士子編  40 花弁の感傷

 


  シーン40 花弁の感傷



  手にしていた紙袋を芝の上におき、富士子は薔薇の花びらを指先ででる。ベルベットのような感覚が、好きでつい触ってしまう。浮子には「花が痛みます」と嫌がられるが、富士子はこの感触が好きだった。



 そうしながら、今日の日を思う。こんなにも感情が動き、思うがままに話して、人目を気にせず行動したのはいつの日以来だったろうと。蒼空から降ってくるような陽射しの中、男性2人に連れられて見知らぬ街に行き、青春を発露はつろする競技を観た。



 犬歯を見せて笑う人。

 時として区分線ができ、まゆのようなへだたりを作る人。

 心中を読むかのような眼差し。

 富士子はあてどなく、要を想う。



 あなたに会うまで、私の人生は単純だった。

 この気持ちをなんと呼ぶのだろう。私は知らない。

 


 花びらを撫でながら、夜空を見上げる。



 新月の夜は暗く、雲もなく、漆黒の闇に星が輝いていた。

 富士子は自身に問う。“どうしたらいいの“と。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。





― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ