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童話

森のリスさん

作者: 島弘

 ある森にリスさんが住んで居ました。

 リスさんは木の実が大好きで、毎日どんぐり食べています。

 ある日リスさんが森を歩いていると、美味しそうな木の実を見つけました。

 それは大きな木の実で、どんぐりよりも何倍も大きな栗の実です。


 だけど、その実はイガイガに包れて、まるでハリネズミのようです。

 栗のイガイガは少しだけ口を開けて、中の栗の実が見えていました。

 だけどリスさんの手でイガイガを外そうとすれば、怪我(けが)をしてしまいます。


 リスさんにはお猿さんの様に、道具を器用に使える大きな手がありません。

 リスさんは、お猿さんに手伝ってもらおうと思いましたが、お猿さんはカニさんと柿ノ木の所で喧嘩(けんか)をしています。


 仕方なく一人で栗の所へ戻るとカラスさんが居ました。

 カラスさんも栗の実を食べたそうにしています。


 リスさんは言いました。

「僕にはイガイガが外せないので、どうぞカラスさんが食べて下さい」


 それを聞いたカラスさんは大きく長い嘴を(くちばし)、栗のイガイガに突き刺しました。

 カラスさんの硬い嘴には栗のイガイガも刺さりません。

 そしてカラスさんはイガイガを押し広げ、中の栗の実を取り出しました。


 ですが栗の実はまだ硬くツルツルとした皮で(おお)われています。

 カラスさんが嘴で栗の実を突くと、嘴はツルリと滑り栗の実がコロリと逃げてしまいます。

 何度突いても栗の実の硬くツルツルした皮に(はば)まれて、栗の実が転がるだけです。


 そこでカラスさんは言いました。

「僕の嘴では、皮が()けないので、どうぞリスさんが食べて下さい」


 それを聞いたリスさんは両手で栗の実を持ち、鋭い歯で皮を()き始めます。


 綺麗に栗の皮を剥いたリスさんは、栗の実を半分にして言いました。

「カラスさんのお陰で栗の実を食べる事が出来ます、カラスさんも半分食べて下さい」


 カラスさんはリスさんから栗の実を半分貰いながら言います。

「有難う、リスさんのお陰で栗の実を食べることが出来ます」


 それからと言うもの、リスさんとカラスさんは大きくて美味しい栗を食べる事が出来る様になり幸せに成りました。



 追記、お猿さんとカニさんは、喧嘩ばかりしていて二人とも幸せには成れなかったそうです。

話中のサルとカニの喧嘩は「猿蟹合戦」をイメージしております。


栗とリス、と言う誰もが書きたくなる様な、組み合わせの題材です。

何処かに似た様な作品が有るかも知れません、もし、見つけましたら御報告お願いします。


童話なので全文フリガナを付けた物も有りますが、読み難かったので外しております。

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