レベルを上げて物理で殴るちょっと前
リハビリとして、思いついた事を書いてみようかと思います。
お目汚しになるかと思いますが、最後まで読んでいただけると作者ハッピーです。
文字数:4245
「にいちゃん、たいつくだね」
「優君、惜しいなー。そうじゃなくて「退屈」なんだなぁ。」
「たいつく?」
「た・い・く・つ、言ってみ?」
「たいつく!」
「た」
「た!」
「い」
「い!」
「く」
「く!」
「つ」
「つ!」
「たいくつ」
「たいつく!!」
「…うん、もうそれでいいや。今日からたいつくにしよう。」
「にいちゃん」
「ん?なんだ?」
「あきらめたらだめだとおもうよ?」
「!!優君、君はホントに6歳かい?」
「きのうのおわらいやさんがいってたよ?」
「そう言えば、昨日のテレビで、漫才師が似たような事やってたな。あれを覚えてたのか?優は天才だなぁ。」
「えへへ」
そんな馬鹿な事を言いながら、釣りを始めてかれこれ一時間。うんともすんとも言わない釣竿を眺めていると、後ろから声がかかってきた。
「功くーん!優くーん!お昼ご飯出来たよぉー!」
そう言いながら歩いてきてる人は、俺達の母、和子である。
そもそも、何故釣りをしているのかと言うと、今日は、姉が就職の内定を貰えたお祝いとして、家族揃って2泊3日のキャンプに来ていて、2日目の今日は特にやりたい事が無い為、こうして釣りをしているわけだが、ものの見事に坊主である。
「はーい、今行くよー。それじゃ、優行こ「ひゃっはー、えものだー」おぅふ。(また変なセリフのチョイスだな。また姉ちゃんのマンガの影響か。ま、非行に走らなかったら何でも良いかな)」
「ゆうくーん!怪我はほどほどにねぇー!」
「はーい!!」ドテッ「あっ!おとこのくんしょー!!まきろんさーん!」トテトテ
「あの子元気ねぇ。」
「普通は、母さんが心配して駆け寄る所だよ。」
「あれくらい大丈夫よ、功君と護君の時はもっとやんちゃしてたもの。それに、親って言うのはちょっと遠くから見守るくらいがちょうど良いんだってぇー。」
「そんな事言いながら行きたそうにしてると、全然説得力ないよ。」
「だってぇ、花ちゃん以外は皆、毎週どこかに怪我作ってくるじゃない。親のココ子知らずはよくないぞ?」
「親の「こ・こ・ろ」子知らず、ね。優も言葉を変な覚え方してるし、これは母さんの遺伝かな。」
「あら、あの子は言い間違いをわざとする子よ?暇な時によくする癖があるのよねぇ。護君の影響かな?」
「えっ?そうなの?!末恐ろしい子だな」
「それより、何であっちでお魚釣らないの?」
「あっちは人が多いから、こっちの方が落ち着けるかなって思ったんだけど・・・。」
「確か、こっちは人工の川だから、お魚さんは居ないって管理人さんが言ってた様な。」
・・・まじか。
そんな衝撃的事実を突きつけられた俺は、お昼ご飯に焼いた肉と白米しか喉を通らなかった。
「ちょっと兄さん野菜も食べなよ!それにその肉は僕が育ててた奴だよ!!」
「今の俺は、一時間魚の居ない人工の川で、釣りの真似事をしていたショックで野菜の食欲がないんだ。そっとしておいてくれ。あ、ご飯おかわり。」
「・・・はい。」
「・・・護君?何かねこれは?」
「ん?ご飯だよ?」
「俺の目を見ながらもう一度言ってくれるかな?これってぇ、世間ではぁ、玉葱の微塵切りって言うよね!?しかも生!!」
「淡路島産の甘い奴だから問題ないよ。それに、ご飯は焼きおにぎりに使ったからもうないよ。それよりさ、今度の法案ちょっとえぐいよね。コンビニやスーパーのバイトは、全部シニア世代に持っていかれるようになるやつ。兄さんが政治変える時がきたよ、頑張らなきゃね!!」
「おい、話をそらすなよ。今は「玉葱盛ってごめんなさい」の時間だろ、それに俺は投票権すらない、しかも、立候補できる様になるのは、最低でも30歳からって、去年法改正されたばかりから12年以上は先の話だし、投票権も同時に25歳に引き上げられたから、7年以上は先の話だから今言っても意味が無い。それに、先のないこの国の事よりも、今は玉葱事件の方が先だ。」
「ごめんよ兄さん、これで許してくれる?」
「許しません。それはお肉っぽく茶色に焦げた玉葱さんです。私が要求してるのはお肉様です。かもん、はりあっぷ。」
「残念だけど、もうお肉様は鳥さんしか居ないよ。」
「仕方ない、それで手を打とう。」
そんなこんなで、楽しいキャンプは終わり、後は帰るだけとなった。だが、道具一式はレンタルなので、荷物は着替えしかない。
そして、手続きが終わった頃、急に警察で働いてる寡黙で怒ると怖い父が、仕事で車に乗って行く事になってしまった為、キャンプ場で別れる事になった。
キャンプ場から最寄り駅までは、徒歩5分と近い事もあって負担にはならないという事もあり、途中で買い物して帰ろうと言う事になった。
そして、近所のスーパーで夕飯の買い物をする母と優組と、すぐ近くにある本屋で時間を潰す事にした俺と護と姉は、母からの呼び出しが、携帯からなるまで物色していた。
そして本屋で会計を済ませた頃、外からキキィィィーーッ!!と、タイヤとアスファルトの擦れる音を、周りに響かせながら暴走してる車が通り過ぎるのを、目の端で見送った所で、そう離れてない所から「ゆぅぅぅーーっっ!!!!」と叫びながら車の進行方向へ走る母親の姿が・・・。
一瞬頭の中が真っ白になるが、いつの間にか母と同じ方向に向けて体が走っていた。
走る方向には、優が車の方向を見ながら固まっていたのだ。
数瞬遅れて護と姉も走り出したが、時すでに遅く、車と、優を庇うために突き飛ばした母が、車と衝突する所だった。
ドンッ!キュキュキュキュー!ブォォォン!!
「!!!!」
(はっ!?逃げた?クソッ!!あの目、ナンバー、車種・・・オボエタゾ。)
そんな事を考えていた時、姉と護が、母と優のところへ辿り着いていた。
「功!どうしよう!優ちゃんの頭から血がとまんない。」
「姉さん落ち着いて、今救急車呼んでるから、頭は動かさないように!護!母さんは!?」
「あ、足が。変なのと、たぶん意識がない。でも「わかった!救急車が来るまで母さんを抑えとけ!!」う、うん」
「もしもしっ!!轢き逃げだ!すぐ救急車を出してくれっ!!場所は・・・状態は・・・逃げた車は・・・録音してんだろ!!いいからそのまま録音してろ!!!車種とナンバーは・・・運転手は・・・。救急車はまだか!!」
それから場所が近かった事もあり、救急車が来たのは電話してから2分後だったが、姉は気が動転したまま使い物にならなかったので、護と一緒に救急車に乗ってもらい、俺はお巡りさんに一通り事情を説明し、家まで送ってくれるという事なので、パトカーの後部座席に荷物を置き、車内で父に電話したが、当然繋がらないので、留守電にさっき起こった事を伝えておく。
家に帰ってきて、病院に行く準備をしながら護からの連絡を待つ。
(それにしても、姉のいじめに対するお礼参りの経験が役立つとは、今回だけは良かった・・・よな?今はそう思っておこう。)
「!!もしもしっ!護か!どこの病院だ!?・・・・・・わかった、とりあえず着替え持ってそっちに行くから、姉ちゃんの事よろしく頼むぞ!・・・うん、父さんには伝言残しといたけど、今から病院の事を伝言しとく・・・ああ、お前も気をしっかり持てよ!じゃぁ切るぞ」
その後、父の携帯に伝言を残し、出発して病院についてから護たちと合流する。
今は手術中らしくて、詳しい状況はわからないけど、母さんは命に別状はないが、おそらくもう歩けない。良くても、麻痺が残るだろうとの事だった。
そして、弟はどうなるかは手術次第で、今はわからないらしい。
事故から半年後。12月31日23時50分
やっと・・・この日が・・・キタ。
あれから、手術の終わった医師から説明を受けわかったことは、母は下半身不随で利き手に少し痺れが残った。
自分では普通の生活を送れないので、介護をお願いする事になった。
これは母が言い出したことで、自分の事で俺達の勉強の時間を削りたくないのと、自分に時間を使うなら、優の為に使って欲しいと。
そして、優の状態だが・・・植物状態でいつ目が覚めるかわからない。もしかしたらずっとこのままなのかもしれない。
だが、それよりも衝撃だったのは、一月も経たない内に捜査が打ち切られた事だ。
警察官の父も、これはおかしいと上司に講義したが、証拠不十分だからと、一方的に話を終わらせ、同僚に話を聞いて回ってた父を、これ以上首を突っ込むなという注意の意味を込めて自宅謹慎にし、探偵を雇って調べていると、今度は警告の意味を込めて減俸処分を下してきた。
父としてはこれ以上やると、残った家族に迷惑をかけると判断し、苦渋の決断で犯人探しを止める事になった。
その後は、俺が独自の伝手を使って色々と探し回り、先月になってやっと犯人を見つけた。
ここで、警察に頼るほど俺はバカじゃない。
そいつの行動パターンを、一月かけて調べ上げ、一人になる時間を割り出し、これから復讐をしてやるところまできたのだ。
そして今から復讐してやろうとした時、後ろから「兄さんだけずるいよ」と、護が声をかけてきたのだ。
「心臓に悪いからいきなり声をかけるのは止めてくれ。」
「兄さんが僕を置いて一人で行くからでしょ。それに、約束を忘れたとは言わせないよ。」
「ああ、「家族のお礼参りは2人で」・・・覚えてたけど、今までとは違うからなぁ。」
「違わないよ、今回が2人初めての殺人になるかもしれなくても。」
「っ!!・・・ふっ、やっぱ双子だな。じゃぁ・・・ヤルゾ」
「・・・(コク)」
キラッ
「ん?」
キラキラッ
「どうしたの?・・・あれ?今日はやけに流れ星が多いね。」
「なんかあれこっ、ヴォハッ」
そこで俺の意識は途切れる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
同時刻とある神界
「ラオネンか・・・この前の提案を受けることにしたから、例の物を貰えるか?」
「やっと決断してくれたんだね!?それじゃぁ、気が変わらないうちに約束の隕石40万個だね。40万個は君が管理してる世界だから、君がばら撒いてね。特別製のこの1個は僕が使うけど・・・いいよね?」
「ああ、それも約束の内だからな。ただ、本当に一人だけでいいのか?」
「うん、いいよ。数が居たとしても、無駄だって事はイヤって程わからせられたから。それに、時間的に考えてもこの一回が最後じゃないかなって思うんだよね。だから一人に労力をたっぷりかけてみる事にするよ。」
「そうか、お互い大変だな。じゃぁはじめるぞ。」
「おっけー。ほいっ。」
こうして物語は始まってゆく。
ちなみに、お姉ちゃんの名前は花子って言う名前です。この名前のせいでいじめられていましたが、双子の弟達が、いじめていた連中をひとり残さずお礼参りしてきてたので、その関係から色々修羅場を経験し、乗り越えてきたので、救急車を呼んだり姉のサポートに護を付けたりと、判断する事ができました。
父は猛
犯人は夏藤久守って言います。犯人の父は夏藤家守っていいます。いつか出てくると思いますが、きっと出てきた頃には皆忘れてる。
あっ、それから、この作品はフィクションでした。登場する個人名や団体名、設定(法案や選挙権等)などは架空の存在で現実とは異なります。