表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/36

歌姫

 ショッピングモールの片隅のステージ。



 私はバンド演奏のコーラス担当で、ステージにスタンバイしていました。

 メインボーカルは外国人の年配の女性です。


 演奏が始まったのに、いつまでたっても歌声が聞こえてきません。


「歌えない。」


 ボーカルの彼女は泣き崩れました。



 彼女には何か歌えなくなるような出来事があったらしく、今まで歌えませんでした。今日はようやく歌えるようになって初めてのステージだったのです。


 私がそっと、彼女に寄り添い「大丈夫、落ち着いて。歌えるよ。」と励まし続けていると、観客の人たちも次々に「がんばれー!」と声をあげて励ましてくれました。


 ようやく笑顔になり、勇気を出して歌おうとしたその時。



「だからいっただろう!!恥ずかしい!!歌えるもんか!!今すぐやめろ!!」


 男の怒鳴り声が。



 その瞬間、女性は小さな女の子になり、知らない村での小さなお祭りの風景に変わっていました。



 女の子は涙をこらえ、何かに耐えてるような感じで、じっと立ったまま動けないでいます。




 空は夕暮れになろうとしていました。



 優しい風が、女の子の頬を撫でていきます。



「いつまでも待っているから、いつでも歌っていいよ。」



 誰かがそっとささやきました。






ここで目が覚めました。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ