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悲しい家族

それは、


とてもとても大切に大切にしていたノート。

ちょっと上等な紙を使ったシンプルなノート。

いろんな想いの詰まったノート。


とてもとても大切に大切にしまっていたノート。



なのに。



それは、リビングテーブルに雑多に広げられていた。

それは、至るところに王様の落書きがあった。



私は心の中が悲しみと怒りでいっぱいになった。



「このノートは大切にしてたのに!!

あんたたちにとってはどうでもよくても大事なの!!

何でこんな事するの!!」


必死に叫ぶけど、家族は無視。




泣きながら部屋に戻り、布団に潜り込んだ。

結局、母親も落書きをした妹も他の家族も誰も来ない。謝罪もない。



私はふてくされたままリビングに向かうと、なぜか人がたくさん。

どうやら有名人を招いてのホームパーティを開いてるらしい。



「この家はお金持ちだったんだ。てか、知らされてないし。」



ホームパーティは大盛況で、かいがいしくお手伝いをしていた姉妹。

かたやふてくされた顔で遅れて登場した私。



いたたまれなくなって、泣きながらダイニングに逃げ込んだ。



そんな私にも、そばに来て慰めてくれる人たちはいて、話をずっと聞いてくれた。しばらくして、臨時で雇われたお手伝いさんのひとりが近寄ってきて挨拶をしてきた。


「私はあなたを良く知っているわ。前の職場が同じだったの。」


知らない顔だったけど、懐かしくなって昔の話しで盛り上がった。



気持ちも持ち直し、もう部屋へ帰ろうとしたら、


「ここにいたんだー。探したよー。」


唯一、有名人な友だちが声をかけてきたので、


「うん、でも呼ばれてなかったし。もう部屋に戻るとこ」


と言ったら、


「えー、そーなのー!!」


と、残念がられて、ちょっと嬉しくなった。




ここで目が覚めました。


大人になるにつれ様々な経験を重ね、家族に対するわだかまりをちょっとずつ消化していくものですが、

まだまだですね。

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