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ダンジョン閑話 冒険者がありふれた世界の日常

予約投稿をしたかったのですが、エラーが出るので投稿。


感想欄で冒険者を増やすべきという意見を山のようにいただきますが、作者は冒険者が大量にいた場合、こんな事態に陥ると思います

世界中にダンジョンという物が生まれてからしばらくの時間が過ぎた。

日本では日に日にダンジョンに自在に潜る事が出来る民間人を増やすべきだという運動が激しさを増していた。


まだ早いという与党に対して、すぐにでも開放するべきだという野党、結果世論は野党を支持し、ダンジョンに民間人が入る事が出来るようになる。


だが、その結果は良い事ばかりではなかった。


まず最初に冒険者になったのは、ダンジョンが出来たことで失業になり、政府から農家の仕事を割り当てられた人達だった。


彼等は碌な準備もせずにダンジョンに潜り、大量の負傷者を出す事になる、病院には沢山の冒険者が運びこまれ、()()()()()()()せいで、膨大な医療費がかかったのだ。


自らダンジョンに入りに行く人間に加入できる保険はない、また冒険者ギルドに所属するものは国の保険にかかれない、これが与党が野郎に対して冒険者を増やす時につけた条件だった。


もちろん、全ての人間がダンジョン内で怪我をしたわけではない、それでも少なくない物が怪我をし、その医療費で生活に困る事になった。


次に起こったのは、ダンジョン内で手に入れた魔石の買取金額への不満から起きた暴動だ。

冒険者ギルドは魔石の買取値段を1()()()()()()と設定した、これは国が冒険者の産出する魔石を必要としない為に、冒険者ギルドが独自に魔石を購入し、利益を出さなくてはいけなかったからだ。


低階層のモンスターから出る魔石はクズ魔石として、子供の小遣い程度の値段でしか売れなかった、これで目を覚ませばよかったのだが、ゲームやマンガを見て育った冒険者達は諦められなかった。


「もっと深い階層にいけば宝箱があったり、モンスターがアイテムをドロップするようになる」

そう言って、何人もの冒険者がダンジョンの奥深くに潜っていく。


太郎達のように、国がバックにつき、それなりの時間をかけて育てられた探索者と違い、自分の生活費を自分で稼がなければいけない冒険者は、長い間上層で、弱いモンスターを相手にレベル上げをする余裕がなかった。


こうして、何千人もの冒険者がモンスターによって殺され、モンスターの魔力に変えられた。

この時初めて、冒険者達は気づいた、ダンジョンとは、自分達が予想したような宝の山ではないのだと。


次第に冒険者はダンジョンに潜る事をやめた、毎日の体に命を失うリスクを背負ってまで潜る価値はダンジョンにはないと気付いたのだ。


野党の支持率は大きく下がった、そして、ダンジョンから産み出された冒険者達が、次に力を振るう相手は同族である、人間だった。


もちろんすべての冒険者がそうなったわけではない、むしろほとんどの冒険者は、与えられたレベルを利用して、再び農家に戻ったりしたのだ。


それでも1部の者達はその生活に戻る事を拒否し、人から搾取して生きるようになる。

詐欺、暴行、恐喝、殺人、冒険者の能力を使い、自分よりも劣る人間を食い物にしたのだ。


また、大学生等がSNSに乗せる為に街路樹や電灯を破壊し、それによって大きな被害が出る事件が起きた、それを見た別の大学生は、自分はもっと大きなことをすると言って、橋を倒壊させた。

これらの事件はレベルを持たない人々の心に大きな衝撃を与え、罪を犯したものだけでなく、冒険者そのものが憎まれていく


そんな中で最悪の出来事が起きる。

殺人を犯して死刑判決を受けていた囚人が、刑務所から逃げ出したのだ。

元々、ただの人を収納する為だった刑務所は、ある程度のレベルを持つ冒険者にとって、その壁は豆腐のように脆かった。


幸いな事に囚人は、すぐに捕まった、だが捕まえる為に冒険者ギルドの懲罰部隊と囚人が戦闘した結果、沢山の家屋等に被害が出た。


これを受けて政府は、一つの法を作る。

冒険者法と呼ばれたその法と呼ばれる事となるその法は、冒険者の地位を下げると同時に、レベルを持つ人と、レベルを持たない人を同一の法では裁かないというものだ。


例えば冒険者が歩道を歩いていて、民間人とぶつかって怪我をさせて逃げた時、冒険者は車として扱われ、ひき逃げ犯として扱われる。


また高レベルの冒険者が、車道で車とぶつかった場合、車側を被害者として扱うという法も作られた。

当然だが冒険者は反対する、自分達は同じ人間なのに、どうしてこのような目に合わなくてはいけないのか?と


だが、この声に反応したのは政府ではなく民間人だった、民間人は冒険者を()()()()()()()()()()()


まるで魔女狩りのように、冒険者はその権利を奪われていく。

そんな中で救いの手を差し伸べたのは日本政府だった。


冒険者ギルドと共に冒険者を()()するので、冒険者と言うだけで彼等を犯罪者のように扱うのをやめてほしいと、総理自ら頭を下げて国民にお願いする事で冒険者差別は少しだけましになった。


こうして日本においては冒険者という職業が廃れる事になるのだった。


民間人が冒険者に対して過剰に攻撃的なのは妬みからです。


ダンジョンに入るのは怖いし痛い、だけどダンジョンに入ってレベルを手に入れた人間は羨ましい

         ↓

そんな中で冒険者が事件を起こして問題になってる

         ↓

よっしゃ叩いてやろう!

あり得ない未来とは言い切れませんよね?

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