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春の息吹
強い風で桜が舞う
満開の桜の時間を
風の悪戯で
春が過ぎていくのを
急がせるよう
アスファルトは
ピンクの絨毯のようだ
そこに風が吹くと
円を描くように花びらが舞う
川に落ちた花びら達
緩やかにながれていくもの
あっという間に流れていくもの
岩にぶつかりとどまるもの
いつも押し花にしようと桜の花をひろうが
本の中の桜は本ごと何処にやら
隠れてしまうのは恥ずかしがり屋なのか
それとも
また来年があるからと
”咲いて生きている私を見て”と
言ってるのかもしれない
ああ、美しい桜
春の息吹で咲く
それは人も同じかもしれない
春の息吹で目を覚ます