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春の悦び
春の薄いピンクの花、桜が好きだ
ピンクと言っても形容しがたい色
風でくるくる ひらひらと舞い上がり
サッとどこかに飛んで行ってしまったり
川に落ちて流れていく
樹から花びら達が散っていくのは
寂しいと言う人もいる
私は散っていくのを見るのは好きだ
樹が囁く
”美しい今だからこそ、離れていきなさい”
それは親が子供の成長を見届けるように
手放すことに似ている
それでも太陽は樹にそそがれる
枝と枝の間からもれてくる
優しい光を受けるのも好きだ
花が散っていった後には
私が桜の花びらのかわりに
その光を受けるのだ