藤の花
散歩をしてると
つい公園を探す
昔、娘とよく行った公園に似た所はないかと
歩いて20分位の、あの場所
公園はいつも殆ど人がいなかった
児童館が出来てから、皆がそこをよく使うようになっていたから
娘と砂場で遊ぶために
スコップや玩具を袋に入れて
ベビーカーにつけておく
彼女はエネルギーが一杯で
疲れを知らずに遊び続けるから
ママはgive upしてしまったの
いつもは薄暗いと思っていた休憩する場所
石で出来た椅子に座って
心地よい疲れを感じていた
見上げると・・・紫の藤の花
ママまで遊びに夢中になって
気がつかなかったみたいね
花に癒されて気分が和んだからか
見上げて藤の花の隙間から覗く空からの光なのか
なんだか明るくなったのを覚えている
そこから砂場にいる彼女を見てると
暑い季節ではないのに
いっぱい汗をかいていた
昔で言うオーバーオールのズボン
彼女も私もお気に入りの赤いズボン
汚れて洗うから色が褪せてきていた
彼女は私の所に来て隣りに座る
「上を見て。藤の花よ。」
大きな瞳で見上げた彼女は何を感じたんだろう?
聞かなかったけれど
ちょっぴり知りたかったけれど
それで良かったと思っている
想い出は・・・セピア色になったりモノクロームになる
だけど、この公園での彼女の顔や赤いズボンと垂れ下がっていた藤の花の色
カラー写真のように 色を覚えている
それから彼女の汗の匂いも
帽子をとってタオルで拭いて
彼女はまた遊びに行った
私はあの公園がとても好きだった




