月明かり
雲の切れ間から月
白く光る雲間
その下を影のように被る雲間
動きは速く
景色は変わって行く
捕まえたくて
手を伸ばした
あの雲のように
側に居たいのに
あの雲のように
すり抜けてしまう
手を伸ばせば
捕まえられそうなのに
手を伸ばすと
その 遠いことよ
雲間切れ
煌々と照らす月
光彩の筋に
また 耐え難く手を伸ばす
この鼓動が 届くだろうか
この焦燥が 届くだろうか
この止まぬ 渇きが
月明かり
変わらずの光
照らされて
動かずの影
伸ばした手を
そっと 握りしめた