7 その少年はこの世界では最強だった
その少年は強大な力を持っていた。
一撃でフィールドを粉砕するほどの力を。彼がその気になれば世界のすべてを破壊することもできたかもしれない。
その少年は凄まじい速度で成長した。
彼は自分の力に慢心せず、常に成長を求めた。そしてある時その努力が実った。元の体の二倍にまで成長した彼は二つの命を手に入れたという。
その少年は魔法すらも扱うことができた。
強大な力の才能を持ちながら、魔法の才能まで持っていた。
彼の魔法は一撃で敵を焼き尽くすほどの威力を持ちながら、制限なく打ち続けることができたという。
その少年は残虐な心を持っていた。敵に情けをかけず、自ら敵対するものは完膚なきまでに叩きのめした。
彼が歩いた後には敵の死体すら残らなかったという。
その少年は無敵だった。強大な力を持つ彼は結果的は常に無敵だったのだが、彼は文字通り、覆しようがない無敵の力をもつ時があった。あるとき敵は1000の数ほどの兵を集めて捨て身の攻撃を仕掛けたことがあった。いくら彼が強大な力を持っていても、この数相手では勝てるはずなかった。そうなるはずだった…。しかし、戦いが終わった時に立っていたのはその少年だった。その体を輝かせながら。
それはまるで空に輝く星のようだった。敵はその無敵の状態を畏怖の念をこめて星状態と呼んだ。
その少年は弱かった。星状態以外の時であれば1、2回殴るだけで命を落としたという。
しかし、それに成功したものはいなかったし、強大な力を持つ彼がそんな簡単に死ぬわけがないとそれを信じるものはほとんどいなかった。おそらく、彼の強大な力を目の当たりにした何者かが虚勢から言った偽りであろう、と。
この世界には名前がついていた。何者がつけたかも定かではない。世界の誕生と同時に神がつけたのであろうとも言われている。しかし、この世界の住人たちは生まれた時から疑問に思うこともなく、その名前を当たり前のように認識していた。
この世界の名前は…
スーパーアリオワールド
この異世界は今回だけの登場です。この小説のメインとする異世界は別のものなのでご安心を!
ちなみに、アとマって似てるよね…。