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3 世界がないならつくればいいじゃない!

「世界を…俺がつくる?」


意味が分からない。どうして俺が世界をつくることになるんだ?


「はい、あなたには私が治める世界をつくってもらうんです。」

「なんで一般人の俺が世界なんて大層なもんをつくるんだよ!お前が神っていうならそれこそ自分でつくればいいだろ?」

「神が自分が治める世界を自らつくると、どうしても偏った世界ができてしまうんです。」

「どういうことだ?」

「世界を治めるとは、世界に何らかの問題が起きた時、それに対応するということです。しかし世界を自分でつくるとなると、自分に都合のいい、問題が起きない世界をつくってしまうんです。」

「問題が起きないならそれに越したことはないだろ?」


完璧な世界がつくれるならそうしたほうがいい。

わざわざ問題が生じると分かった世界をつくる必要なんてないだろ。


「いいえ、だめです。」

「なんでd…」

「そうすると…神が治める意味がなくなってしまうんです…」


あ…そうか。新しく世界をつくるのは神の仕事をつくるため。

それなのに仕事の発生しない世界をつくったって本末転倒だ。


「なんとか、適度に問題がおきる可能性を残した世界をつくれないのか?」

「あなたが生前すごした世界には、デバッガーという仕事がありましたよね?」


デバッガー

学生だった俺は詳しいことは知らないが、システムプログラムのバグを直す。

そんな仕事だったはずだ。


「そのデバッガーがやる仕事がなくなったとき、自らバグの発生すると分かったプログラムをつくり、そのバグを自ら直す。そんなことをすると思いますか?」


確かにそんなことはしない。

というか、そんなことをしても仕事にならないだろう。


「ご理解、いただけたようですね。」

「あぁ。でもよくデバッガーなんて知ってたな。俺の世界の監視でもしてたのか?」

「いいえ、私はあなたの知識を覗いただけです。」


そうか、こいつには俺の頭ん中が丸見えなんだった。

ってことはこいつは俺がどういえば納得するか分かったうえでこの会話をしているってことか。

こいつと話しているとどうも癪に障るのは、俺はずっとこの神の手のひらの上で転がされているってのが感覚的に分かっていたからなのかもな。


「分かったよ。お前の世界は俺がつくるよ。」


セリフだけ聞くとなんだか恥ずかしいが、変な意味は込められていない。


「分かってくれましたか。よかった…」

「でも一つだけいいか?なんで俺が死んだあと、すぐにここに移動させずなんもない空間に移動させたんだ?」


最初からここに移動させておけばスイッチオンなんて言う必要もないし、あんな光も音もない空間で、少し、ほんの少しだけだが恐怖を感じることもなかったはずだ。


「あれはまあ…空間と明かりの節約ですよ。あなたが電源をいれるまでこの空間も異世界メーカーも存在してなかったんですよ。ほら、節電、節約空間せつやくうかんって言うじゃないですか?」

「言わない」

「まあでも…確かにここにそのまま移動させたほうがよかったですかね…」


こいつが自分の非を認めるなんて意外だ。


「あなたに怖い思いをさせてしまったようですしwww」


チクショー!やっぱりこいつ嫌いだ!


ルビ使ってみたけどなんか使い方違う気がする。

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