２０ まんまる
スルルのなまえはスルル。スライムぞく。
きょうはみんなのごはんをさがしにいく。
スライムのごはんはきのみ。
ごはんをさがすのはこどものしごと。
だってうまれたばかりのこどものほうが、おやよりもつよいんだもん。
スルルはこのあたりでいちばんさいきんうまれたスライム。
だからこのあたりでいちばんつよい。
ニンゲンはすぐにスライムをいじめる。
スライムがしんだときにたまにでてくるカケラがほしいみたい。
ニンゲンはつよい。
だからみんなニンゲンにはじぶんからちかづかない。
でももしニンゲンにみつかったらとつげきする。
にげてもにげれないからたたかうしかないんだって。
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いまスルルはニンゲンにみつかった。
たたかうしかない。
スルルはこのあたりでいちばんつよい。
でもたぶんかてない。
それでもスルルはとつげきした。
スルルはニンゲンをたおした。
とつげきしたらニンゲンはたおれてうごかなくなった。
スルルはスライムではじめてニンゲンをたおしたかもしれない。
ちがった。
ニンゲンはすこししたらおきあがった。
しんだふりだったのかも。
やっぱりスルルはかてなかった。
ニンゲンはひとりでなにかしゃべっている。
スライムにはニンゲンのコトバはわからない。
ニンゲンはあかくてまんまるなものをなげてきた。
はじめはまほうかとおもったけどよくみたらちがった。
あのまんまるは、でんせつのきのみかもしれない。
ほかのスライムにきいたことがある。
そうげんをすすんださきにあるおおきなニンゲンのくに。
それをこえたさきのもりにはおいしいきのみがあるんだって。
そのなかでもあかくてまんまるなきのみはいちばんおいしいんだって。
そんなきのみをくれるなんて、もしかしたらあのニンゲンはスルルたちのなかまになりたいのかもしれない。
でもスライムぞくじゃないからなかまにはできない。
そうだ、ペットにしよう。
ほかのスライムがまえ、ちいさなむしをペットとよんでせわをしていた。
スライムぞくじゃないなかまはペットとよぶらしい。
よし、きょうからあのニンゲンはスルルのペットにする！
すみかにいるみんなにじまんしよう。
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すみかにペットをつれていったらみんなにおこられた。
でも、あかいまんまるをみせて、ペットとあったときのことをはなしたらおとなたちがむずかしいことをはなしだした。
ゆうこうかんけいとかどうめいとかきこえるけど、スルルはこどもだからよくわかんない。
スルルのペットがまほうのみずをだしてあそんでる。
スライムがつかうまほうにそっくり。
ごほうびにきのみをあげよう。
ペットはちゃんとせわをしないといけないもんね。
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スルルがペットをつれてきてからしばらくたった。
ペットはげんきだ。
でもたまにさびしそうなかおをしてる。
もしかしておさんぽしたいのかも。
おとなたちにおねがいしてみよう。
おとなたちはずっとむずかしいはなしをしてたけど、スルルのおねがいをつたえるとやっとはなしがおわったみたい。
おとなたちがいうには、スルルはペットといっしょにすきなようにおさんぽしてきてもいいみたい。
ニンゲンのまちをこえて、あのあかいまんまるがあるもりにもいっていいんだって！
ペットにおしえてあげよう！
スライム視点
