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2 すいません、聞いてませんでした

「え…?誰?どこ?てか異世界メーカー?」


俺は突然聞こえてきた声に混乱していた。


「とりあえずまずは電源をつけてください!話はそれからです!」

「あの、電源ってなんですか?」

「あなた私の話ちゃんと聞いてたんですか!?」


すいません聞いてませんでした。

だって死ぬ間際に異世界とか聞こえたら舞い上がっちゃうのも仕方ないよね?

それにあの時、体中がすごい痛かったし。

まあそれで死んだんだから当たり前だけど。


「はぁ…とりあえずシステムにスイッチオンと宣言してください。」

「システム?宣言?」

「いいから!」


おぉこわ。

宣言とかわかんないけどとりあえず言えばいいのかな?


「スイッチオン!」


その瞬間あたりが明るくなった。

周りにはなにやらいろいろな機械が置かれている。


「では異世界づくり頑張ってください。」

「まてまて!」


あたりに光が差し、自分以外の存在が確認できたおかげで少し心に余裕ができたが、現状は全く理解できない。


「異世界づくりってなんだ?」

「あなたほんとに何も聞いてなかったんですね…」


声にあきれた感情が混じっているのが分かる。

サーセン、なんも聞いてませんでした。


「今、神界では深刻な世界不足なんです。」

「世界不足?世界が不足するってどういう状況だ?」

「人間はもちろん、動物や植物、すべての生き物が子孫を残しますよね?」

「それはそうだな。」

「もちろん神も例外ではありません。」


確かに、「神は三人の子供を産み、それぞれ〇〇、〇〇、〇〇の神になった。」

とかそんな内容を歴史の授業で聞いたことある気がする。あれは宗教の範囲だったか?

生前の世界の神話が正しいのかは知らないが、まぁ神も子供を産むということは納得できる。


「神は世界を治めることが仕事です。ハッキリ言ってそれ以外やることないです。」


ハッキリ言うなぁ…でも世界を治めるなんて簡単にできることじゃないと思うし、それ以外なんてやってる暇もないということなんだろう。


「でも神は繁殖して増えても世界は繁殖しません。」


世界の繁殖とか想像もできない。

俺たち基準からいうと星の繁殖みたいなことか?

それも想像が難しいけど。



地球「がんばれ火星!」

火星「う、産まれる…」

ポンッ!

土星「おぎゃー」

地球「よく頑張ったな火星!」

火星「はぁ…はぁ…輪っかがきれいな子。きっと元気な子に育つわ。」



これはないわー。無駄に想像力働かせてしまった。

そりゃ星だろうが世界だろうが常識的に考えて繁殖なんてしないだろう。


「変な想像しないでください…。あなたの考えてることは全部私に伝わってくるんですよ!」

「まじか」


ちなみに俺と話しているこの声は、初めて聞いた時と同じように頭の中で聞こえてくる。

当然実体はないので、傍からみたら一人で変なこと喋って変な想像しているやつである。

もちろん俺以外にここには人はいないのでその心配はないのだが。

だが、さっきの無駄に想像力豊かな想像はこの脳内の声の奴に見られてしまった。

こっちのほうが何倍もはずかしい。


「まぁ、もちろんあなたが想像したようなことは起こりません。」

「もう忘れてくれ!」

「つまり、世界を治める神の数と、治められる世界の数のバランスがとれていないのです!」

「なるほど、理屈は分かった。だが、それが俺の今の状況とどう関わっているんだ?」

「察しが悪い人ですね…だから、その世界をあなたにつくってもらうんですよ!」


……はい?

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