14 冒険者登録完了!
待つこと五分くらいで俺は再びカウンター受付に呼ばれた。
「で、ではカードを返却しますね。」
受付の女性はあきらかに動揺していた。
そりゃあ俺のあのステータスを見たらこうなるのも分かるが…
むしろ、
こんなステータス見たことないです!
なんて騒がれるかと思いもしたがさすがここはプライバシーの概念がある異世界。
女性は平静を装おうと頑張っていた。バレバレだけどな。
カードをもらったあとは、クエストの受注方法や報酬の割り当て、パーティー制度など、冒険者についての説明をうけた。
「ではさっそく…と言いたいところですが、もうすぐ日が暮れます。クエストを受けるのは明日からにしたほうがいいでしょう。」
そういわれて窓の外をみると外は夕日が射していた。
俺がこの世界に転生したのはおそらく昼すぎくらい。転生場所からここまでは結構距離があったし、冒険者の説明も長かったから、まあこれくらいの時間になるか。
「このあたりでどこか宿泊できる場所ってありますか?」
「冒険者ギルドに入ってくるとき、隣に大きな建物がありましたよね?そこがギルドが経営している冒険者専用の宿屋となっています。街の中にはほかにも宿屋はありますが…初心者冒険者はここに泊まるのが一般的ですね。」
「分かりました。今日はいろいろ教えてくれてありがとうございました。」
「いえいえ、明日からクエスト頑張ってください。でも…クエスト選びはくれぐれも慎重にお願いしますね!」
俺がこの高ステータスにまかせてここらのモンスターを狩りつくすとでも思っているのだろうか?
さすがに最初は自重しますよ。最初はね。
ギルドからでた俺は、そのまま隣の宿屋に入った。
設備によって値段は異なるが、俺は一泊食事つきで200Eの一番安い部屋にした。
食事は薄味だったがなかなかにおいしかった。
そういえば今日、というか死んでから何も食べてなかったな。
異世界メーカーの置いてあったあの空間では全く腹は減らなかったし、しいていえばマニュアルを口にいれたが…あれは食べたっていうのだろうか?
久しぶりに腹が満たされたせいか、部屋で横になったらすぐに眠りにつけた。
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私は今日対応した初心者冒険者にカードを返却したとき、思わず
「こんなステータス見たことないです!」
と叫びだしそうになった。
もちろん口には出さずこらえたけど。
あの子は自分のステータスの異常さに気付いているのかしら?
いいえ、冒険者ギルドのカード以外では他人のステータスをみることはできないし、きっと知らないわね。
一応クエスト選びには慎重になるようにといっておいたけど、どれだけ効果があるかしら。
それにしても驚いたわ。
だってあの子のステータス……
低すぎるわ!!!




