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11 異論は認めん!

「悟さん!起きてください!」


頭ん中にあの神の声が響いた。

ずいぶん長い間眠っていた気がする。


「おぉ…お前か、おはよう。」

「おはようじゃないです!早送り機能を使ったまま寝ないでください!あれは結構神界のエネルギーを消費するんですよ!」


そういえば前にもこいつは節電とか節約空間せつやくうかんとか言ってたっけ。神界にもエネルギーの概念があるのかもな。


「あれだけ早送りしたのだから、もう十分異世界としては完成してます!異世界づくりお疲れさまでした!」


怒気を含んだ声で神はそう告げてきた。


「これで俺の役目は終わりか。で、俺はこれからどうなるんだ?」


異世界づくりも終わったし天国とかに送られるのだろうか?


「あなたには、自分でつくった異世界で第二の人生を歩んでもらいます。」


そうか。もともと死んだときの俺の理想は異世界への転生だったんだし不満はないのだが。


「あなたが考えている通り、通常・・は異世界をつくっていただいた方には天国行きか、自らつくった異世界への転生かを選んでもらっています。」

通常・・は?」

「あなたは神界のエネルギーを使いすぎました。ですから省エネのために異世界への転生を義務づけます!」

「なんでそれが省エネにつながるんだ?」

「天国というのは神界のエネルギーを使って死者を養う場所ですから。」


つまり神に受容されたニートってわけね。


「まあ、異世界をつくった方は自ら異世界転生を望まれる方も多いですが。その世界の製作者としてステータスに補正もつきますから。」


自分でつくった異世界でなら俺TUEEEがやりやすいってことか。


「ですが、一度異世界に転生したらもうここにはもどってこれません。その世界で死亡したらそのまま今までの記憶を消去して、あなたのもとの世界に輪廻転生です。あなたの最初の異世界転生からここに呼び戻したのは異例のパターンです。…あまりに世界のできが悪かったので。」


俺がアリオワールドに転生した時、栗型モンスターの大群に特攻仕掛けられたときは結構ギリギリだったんだけど、もしあれくらってたらそれで俺という存在は終わってたのか。あぶねえ…。


「ですから、異世界転生を望まれる方にはそういったことにも了承してもらってから転生を許可するのです。あなたには選択肢はありませんけどね。」


「ですが、さすがに了承なしで転生してもらうのはこちらにも少し罪悪感がありますので、特別に!異世界での命を二つに増やしてあげます。これで異論は受け付けません。」

「分かった。異論はない。さっそく俺を異世界転生させてくれ。」

「ではあなたを転生させます。私はあなたの転生後、この世界を治める神としての仕事につきますが、あなた個人への干渉はいたしません。」


その瞬間、淡い光が俺をつつみこんだ。転生がはじまるようだ。

(製作者ボーナスは確定してるし、残基も一つある。もう俺のこの世界での無双は確定じゃないか?)

こうして俺は胸を高鳴らせながら転生した。




時間早送りにより、誕生した時からはるかにバージョンアップされた異世界へと。

11話分の前置き。次回からやっと異世界での冒険スタートです。長らくお待たせいたしました。

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