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10 らくちんらくちん♪

正しくマニュアルを解凍したあと、再びあの神は頭ん中から飛んで行ってしまった。もう一度新しく異世界をつくれということらしい。


そして俺は、穴だらけだった異世界づくりの知識に補完された知識を使って新たな異世界づくりに没頭していた。


「なるほど、オート機能ね…。」


どうやら異世界づくりは、このオート機能を使って作るのが基本のようだ。

つくりたい異世界の大まかなイメージをすると、それにあわせたフィールドマップが形成される。

そしてキャラクター作成も例外ではない。

キャラクターのオート作成は、フィールドマップとは仕様が異なる。

子孫を増やしたとき、生まれてくる新たなキャラクターは親の性質を受け継いだ親とは別の個体となるのである。

これだけ聞くと当たり前のように思えるが、オート機能を使わないとこれを再現することはできない。

新たな個体が増えるたびに俺がキャラクターを一から作成しなければならないのである。

それではいつまでたっても俺の手が必要になる。

(だから俺は、前のつくった異世界ではキャラクターが繁殖すると、親と全くの同一個体が生まれるように設定していた。)


「この機能が使えるなら…」


俺は異世界に一つ法則を加えることで、異世界を発展させる方法を考えついた。

子孫は親よりもわずかに優れた個体になる


この法則により、繁殖のたびにキャラクターはバージョンアップされ、異世界を発展させていける理想個体に近づく。

だから、最初につくるキャラクターは拙くても大丈夫。最終的には優れたキャラクターが誕生してくれる。

これで異世界自立問題は解決!


「あとは異世界の定番でもあるスキル機能でもつけとくか。」


これもキャラクターにあわせてバージョンアップしていけるように設定する。


「前はあんなに苦労したのにオート機能つかえばこんな簡単にできるのか。」


これで俺の異世界づくりは終わりなのだが、異世界としての発展はオート機能頼りだから完成にはだいぶ長い時間がかかる。しかしこれにも異世界メーカーは対応してくれる。


「時間早送りっと」


この世界の時間の進みを高速化してくれる機能である。

これで本来よりずっと早く異世界を完成させることができる。


「あとは少し待つだけなんだが、暇だし寝るか。」


死んでから俺は一度も眠っていない。睡眠は別に必要ではないんだが寝ようと思えば寝ることは可能なはず。


こうして俺は久々に深い眠りについた。


早送り機能をフル稼働させたまま。

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