第47話 変わる世界、そして
会議は踊らず、しかしあれからもう十日ほど経過している。
初の国際会議であるにも拘わらず、「世界会議」は驚くほど順調に進んでいるらしい。
要らん牽制や駆け引きがほとんど発生せず、やるべきことを明確にして次々と処理されていっているとは、後学のためにと武人のくせに、たまに傍聴しているというアラン騎士団長の弁だ。
事実、たかが十日の間に主要都市の「奴隷商会」は停止され、奴隷解放の動きは開始されている。
一部トラブルも当然あるようだが、解放と保護、自立生活への再教育など急ピッチで進んでいるようだ。
中にはそのまま再雇用という形をとっている場合も多いと聞く。
良好な関係を築いていた主人と奴隷の関係もあるということだろう。
そこをどうするかにまで、口をはさむつもりはない。
酷い扱いを受けている奴隷が存在する一方で、確実に主人によって救われた奴隷が居ることも否定できない事実だ。
今後は「奴隷制度」が必要なくなった世界で、お互いの関係を再構築してくれればいい。
まあすべてうまくいくはずもないので、問題が起きた時に俺達が必要なら協力する。
そういう前提で今は見守っている状況だ。
ヨーコさんが初代ギルドマスターとなった「冒険者ギルド:ウィンダリア本部」は、俺達が想定した遥か上を行く活況を見せている。
世界会議に先立って俺達が行った各種演目に魅入られ、自身も冒険者で身を立てようという人が大量に生まれたのだ。
また各国に順次設立する予定の「冒険者ギルド」の初期スタッフとなるべく、各国から軍を辞めて冒険者登録する専門職たちも多い。
たかが十日のうちに「冒険者ギルド:ウィンダリア本部」が抱える「冒険者」は千人を越え、すでにレベル3に届いたものも出始めているそうだ。
問題を起こす馬鹿者もいるが、ギルド本部も持っているログ機能と、ヨーコさんによる鉄拳制裁で大きな問題には至っていない。
さすがに死者、負傷者ゼロのままとはいかないが、こればかりはどうしようもない。
今まで入手不可能だった魔物素材や食材、魔石なども少量ではあるが流通をはじめ、魔力充填のシステムも遠からず俺たちの手を借りずとも回るようになるだろう。
たった十日ほどの間に、「冒険者ギルド」の建物の周りには武器屋や防具屋、素材の買い取り屋などが並び始め、近いうちに千年失われていた「冒険者ギルド」に関わる各種ギルドも復活しそうな勢いだ。
ああ、俺が夜会で「針突」をラーニングさせた「奪術士」をジョブに持つフィルリア連邦近衛師団付 だったユリア・リファレスは、国の許可を得て「冒険者ギルド」に登録し、ここに残るらしい。
残れたのは俺との誼を重視されての事らしいが、「針突」を駆使し、早くもレベル3という現時点でのトップランカーの一人になっているとヨーコさんから聞いた。
「奪術士」である以上、レベル5を過ぎれば「針突」だけでは苦しいだろう。
近く一度接触しなければならないな。
トップランカーに躍り出て、勢いづいて死なれでもした日には寝覚めが悪い。
いずれにせよ、俺の知る「皇都ハルモニアの景色」が戻ってきているようで単純にうれしい。
三大強国とアレスディア宋国、商業都市サグィンには、俺達が所持しているMP回復用の大型結晶を、フルチャージ状態にして提供している。
アレスディア宋国のものは、クレアと再会した際に置いてきたものをそのまま流用しているが、それも含めて各国首都上空にある「浮島」へ移動させ、各国軍部にその運用を任せている。
軍の平均レベルが10を越えてこない限りは、一週間に一度補充すれば十分賄える魔力量で、「冒険者ギルド」の立ち上げが遅れざるを得ない各国の正規軍を強化するための処置だ。
模擬戦でスキルと術式の強さを思い知った各国正規軍は、精力的に育成を重ねていると聞いている。
それぞれの国にある魔物の勢力範囲を開放することは、開拓地を増やし、奴隷解放政策の一助ともなる。
なによりも今までは「術式」がないため不可能であった、魔物に占有されている肥沃な土地や、有為の鉱石産出が見込める山、木材や天然素材の宝庫である森の開拓が進むことは、その国を大いに潤わせることになる。
おそらく今は千年ぶりに訪れた、リィン大陸の大開拓時代開幕時なのだろう。
多少の混乱を含みながらも、世界は大きく変わろうとしている。
それを停滞や、ましてや後退させるわけにはいかない。
そのために俺達は日夜皇都ハルモニア地下の迷宮に潜り、急速育成を続けていたのだ。
それも今日で一段落。
俺と夜とクレアがひとまずの目標レベルに到達し、それと同時にフィオナの身体を復活させることにも成功した。
今はその祝いのために、ヨーコさんが仕切る「冒険者ギルド:ウィンダリア本部」一階にある、冒険者御用達の酒場へ向かっているところだ。
「千年ぶりともなるとなんか変な感じがします。妾は変じゃないですかシン兄様」
ほんのついさっき、千年ぶりに自分の身体に戻ったフィオナは歩くのも何かおぼつかない感じだ。
本来であれば安静にして様子を見るべきなんだろうが、神子であるクレアの最上位回復術式「聖骸復活」での回復なので、身体的には何の問題もない。
むしろ早く自分の体に馴染む為に、行動し、飲食したほうが良いのだそうだ。
夜とクレアがそう力説していたので信じるが、なにかフィオナを連れ歩く口実のような気がしないでもない。
「ああ、変なんかじゃない。可愛いよ」
他愛無い俺の言葉に、赤くなって下を向く。
金髪碧眼の整った顔の造作、正真正銘ウィンダリア皇族の血を引くお姫様十歳。
ただし精神年齢千十歳。
千年前は見た目と年齢の割に腹黒い所が多く、大人なのに夜とクレアが大人げなく対応していて胃が痛い思いをした記憶がある。
千年後に再会した時も確かそうだったと思うんだが、フィオナが「天を喰らう鳳」と合一して実際に千年の時を過ごしてまで俺――いや「シン」を待っていたことを知ってから、二人の態度はずいぶん軟化している。
フィオナの方も、俺達といるときは自然に千年前の雰囲気で話しているのだが、時折思慮深い賢者めいた発言や空気を出すことがあり、違和感があった。
違和感というより、実際に千年生きているのだから当然と言えば当然なのだろうが。
そういう意味でも、今のちゃんと十歳の身体に戻ってくれたことにはほっとする。
「天を喰らう鳳」の念話はえらい渋い声だったしな。
その「天を喰らう鳳」はもともと「六喰召喚士」として使役していたフィオナと千年間合一していたことにより、もはや分かちがたく一体化しているようだ。
クレアの「聖骸復活」で身体を復活させ、夜の召喚士としての「還魂」――召喚獣に自身を合一させて戦闘する「召喚合一」から術者の意識を戻すスキル――を使用しても分離できず、今のフィオナは「三位一体」が発動している俺、夜、クレアと似たような状態を「天を喰らう鳳」と成立させている。
いうなれば「一心同体」とでもいうべきか。
フィオナは今この瞬間も、霊木「月樹」の大枝にとまっている「天を喰らう鳳」でもあるのだ。
最初は慣れないよな、確かに。
それでもまだ意志が一つなだけ慣れやすいだろうと思う。
しかし一応皇族なんだけど、復活したことを誰にも告げずに、俺達とほっつき歩いていていいのかね。
まあ誰が咎められるんだと言われればそれまでではあるのだが。
「まずは最低限の準備は整いましたね、シン君」
「そうだなあ。スキルカスタマイズとスキルコネクトを敵によって完全最適化するにはまだ上げなきゃいけないジョブはいくつかあるけど、汎用性で考えるなら、現状で俺の「術式格闘士」、夜の「召喚士」、クレアの「聖騎士」については完成したと言ってもいいかな」
全員メインジョブのレベルを99のカンストに戻し、スキルカスタマイズとスキルコネクトに必要なジョブも、必要なレベルまでは戻しきった。
その過程で入手した強力なレアアイテムや、「天空城」強化アイテムなども入手し、とりあえず現状でたどり着いておくべき最低限のラインには届いたと言える。
「私も「盾」としては完璧ですわ。でも我が主、例の疑問点はどうなりましたの?」
「それなあ……」
レベルが99になった瞬間から、「神の目」で表示される映像窓の右上に、見たことのない紋章みたいなものが表示されるようになった。
あとカンストしたジョブのまま戦闘を重ねても、継続して経験値が蓄積していくようになっている。
カンストしたジョブで経験値を得ると、レベルアップほどではないが各種強化可能になるブーストポイントに返還されるのが、ゲームとしての「F.D.O」だったが、ブーストポイントによって獲得できるスキルもステータスブーストもすでに揃っているため意味ないなあと思っていたのだ。
それが「経験値」のまま蓄積されるようになっている。
普通に考えれば99でレベルキャップになっていたレベル上限解放なんだろうが、右上の紋章と言いそれだけでもないような気がする。
レベルキャップ解放だとしても、何らかのイベントをクリアしなければ解放されないのは今まで通りであろうし。
「今はまだはっきりしたことは言えないな」
「……そうですの」
レベリング厨の疑惑をもたれているクレアにしてみれば、99を越えてなおレベルアップできるようになるというのは物凄い魅力なのだろう。
残念そうだ。
しかし運営が居ない今、誰がレベルキャップ解放とかできるというんだろう。
レベル上限上昇に伴う、新スキルや術式なんかも用意できないだろうし。
「まあ今はできることをしながら、ダリューンが仕掛けてくることに対処できる力をつけましょう。あれが本気でいろいろやってくると私たちの頭では勝てませんから、力をつけるのが一番です」
夜らしいバッサリした意見だ。
逃れきれない知略の網ならば、絶対的な力で断ち切ればいいというのは解りやすい。
ただ俺はダリューンとの知恵比べについては言うほど心配していなかったりする。
確かに千年前のあれはまさに神憑っており、打つ手のすべてがぴたりとはまるような深慮遠謀、神算鬼謀の存在だった。
力は図抜けていても一冒険者である「シン」や、現代人の知識があっても所詮一会社員に過ぎなかった「俺」で何とかなる相手とも思えない超越的存在。
でも本当にそうだろうか。
俺達が姿を消した後のダリューンがやったことを冷静な目で分析すれば、結構バカじゃなかろうか。
それでもまだ「余韻」があったため、全てが思惑通り進んだのではあるまいか。
もともとダリューンは舞台装置だ。
「F.D.O」のメインクエストその他、重要な物語をプレイヤーに楽しませるための重要人物。
シナリオ展開に無理目なところがあっても、ダリューンが登場してなんとかしてしまう。
世界はダリューンがやることが成功しなければ困るわけで、全てはダリューンの思惑通りに進む。
そうならなければ、プレイヤーがグランドクエストをクリア不可能になるので、そうならざるを得ない。
でも今はそうさせる「運営」は存在しない。
であれば千年前のダリューンのように、打つ手がすべて的中するべくして的中する恐ろしさはないはずだ。
ただ頭が恐ろしく切れるだけのただの人。
それも千年前の所業や、対「俺」に対して準備した要素を冷静になってみれば、感情に引きずられて結構行き当たりばったりにも思える。
極論すればこの世界の住人は、初期段階において「運営」の頭の良さを超えることは不可能なんじゃないだろうか。
現実世界として存在するようになり、千年の世代を積み重ねてきた在野の人材には、それを超える人物がいるのかもしれないが、ダリューンは基本的な部分は「運営」が生み出した存在だ。
十年人気を誇ったMMOR.P.Gを生み出した「運営」だけあって、俺よりはずっと優秀だろうし、知識もあるだろう。
でもこの本物の世界で千年積み重ねた歴史から生まれてきた、「運営」が直接生み出した訳じゃない人たちと協力すれば、ダリューンを出し抜けるような気がしてる。
まあ解らないんだけどな。
ダリューンにはダリューンなりに積み重ねてきた千年があるんだろうし。
「シン兄様、なんか怖い顔」
「ごめん、ちょっと妙なこと考えてて」
そうだ油断はできない。
年齢に対して少し腹黒かった程度のこのフィオナも、千年の時を越えてここまで変化している。
人の妄執というのも軽く見ていいもんじゃない。
あんな小さかった女の子が、「シン」にもう一度逢いたいという思いだけで、本当に千年を過ごし切り、想いを叶えているのだ。
ダリューンの妄執を甘く見れば、痛い目を見ることになるだろう。
「俺」が。
「まあまずは最初の目標には届いたことだし、フィオナも元の身体に戻れたし。今日はヨーコさんの所で呑んで食って、明日からまたやるべきことこなしていこうか」
そうだ、ヨーコさんに言われた通り、あほなこと考えてる暇があったら強くなればいい。
強くさえあれば大概の事は何とかなる。
そして休養をとるときは思い切りとることが重要だ。
フィオナ復活のお祝いの意味もある、今日は派手に騒ぐ事としよう。
もうすぐ冒険者ギルドへ着く。
「大将! 今日も相変わらず両手に極上の華で羨ましいこったな! 今日は何やらまだまだ蕾の美少女も連れてるみてーだが、手折っちゃ駄目だぜ大将!」
「ばーか、シン様がそんなことするわけないだろう。羨ましそうに見てるロリコンのあんたとは違うんだよ。夜様とクレア様が毎晩お相手してんのにそんな暇があるもんかい。あんたもうちょっとあたしの相手頑張んな!」
「往来でなんてこというんだカーチャン!?」
「冒険者ギルド」横に出来た武器屋の親父と、その奥さんが声をかけてくる。
相変わらずなんという明け透けな会話。
まさかこの美少女が自分たちが守護召喚獣と崇める四象の一角、「天を喰らう鳳」の中の人だとは思うまい。
中の人というより本体? と言ったほうが良いんだろうか。
通りからどっと笑いが上がる。
今や皇都ハルモニアにおいて、俺と夜とクレアは神話の人物というよりも身近な英雄だ。
逞しく今の世界を生きる人たちは、こうやって世界をひっくり返した俺達に関わる事すら楽しんでみせる。
冒険者ギルドに集う「仲間」達も、ちょっとおっかなびっくりのところもあるが基本同じだ。
アラン騎士団長をはじめとした軍の連中、皇城の文官や侍従たちも、日を経るごとにちゃんと顔を知ってる人から知人へ、友達へとなっていく。
そういう日々は悪くない。
「今日はちょっと内輪の祝いでな。これからヨーコさんの店で豪遊だ。時間の都合つく連中は付いて来い、奢ってやるぜ!」
通りに歓声が上がる。
これは冒険者ギルドの店には入りきれないくらいの人が集まるな。
まあなんだ、最悪皇都ハルモニア中の人たちに奢るのも吝かじゃない。
今日は旧知のお姫様と、本当の意味で千年ぶりに再会した祝いだ。
ストレージの中に金置いてても意味ないしな。
「ちょっとシン君」
「まあいいじゃないか、今日は御祝いだし」
「しょうがありませんわね」
「……ありがとうございます。シン兄様、夜お姉さま、クレアお姉さま」
フィオナが嬉しそうにしている。
夜とクレアもまあ、こういうのもありかという顔だ。
お上品な店に行くのではなく、冒険者ギルド付の酒場に繰り出しているのだ。
派手に行かなきゃ嘘だ。
「夜様やクレア様がお酌してくれんのかい?」
「俺に勝ったら考えてやるぞ!」
「腕相撲、腕相撲で行こうぜ大将!」
「やーりーまーせーん、ってば」
「でもなんといいますか、こう、我が主が私たちをかけて闘ってくださるところを見たいと言いますか、そういうの在りませんの? 夜」
「う」
しかし「シン」の見た目はまだ子供にも見えるくらいなのに、もう完全にオッサン扱いだな。
会話すると中の人の年齢がばれるんだろうか。
おかしい、「僕」もいるから平均すればまだ若いはずなのに。
まあいい、今は騒ごう。
冒険者ギルドの扉を開ける。
「ヨーコさん、とりあえずみんなに一杯頼む。今から朝まで宴会!」
「昼間っからロクデナシですね、シン様。夜様、クレア様、どーなのですかこれ?」
「今日は御祝いなので……」
「言い返せませんわ。昼間っから朝まで宣言で宴。言い返せませんのよ……」
「あの、ヨーコさん、お久しぶりです。今日は妾のためにシン兄様が宴を……」
「これはフィオナ元第一皇女。無事戻られたようで何よりです。シン様、先ほどの暴言謝罪いたします。現時刻より当冒険者ギルドはシン様による貸切です。野郎ども、全力を尽くして用意開始」
「へい!姉さん!」
ヨーコさんの指示に、複数の冒険者ギルド職員が一斉に散る。
酒場担当の女の子たちも忙しく動き始める。
ヨーコさんの発言に、一緒に冒険者ギルドに入ってきていた連中がぎょっとする。
いやお前ら、一応俺らも「救世神話」の本人なんだから、いまさらその態度はなんだ。
やっぱ自国の皇族で神話の人物となると扱いが違うんだろうか。
いや慣れの問題か。
しかしヨーコさん、相変わらず無表情ながらギルドマスター板についてるな。
はやく窓口でクエスト受けて、迷宮探索にでも行きたいものだ。
ギルド登録で先輩冒険者に絡まれるのは諦めた。
いや、他国の冒険者ギルド立ち上がったらいけるかな。
まあ今は飲もう。
さんざん騒いで飲んで食べた明け方。
俺はもう限界に近いが、夜とクレアはしゃんとしている。
フィオナは身体の方が寝てしまって、今は「天を喰らう鳳」として会話に参加している。
一緒に呑んでた連中は、皆帰ったか床の上だ。
ヨーコさんは淡々と目の前で呑んでいるが。
夜明け間近。
この時間、皇城でも起きているのは夜警の兵士たちくらいだろう。
いまだ続く「天空城」の「世界会議」の参加者たちも夢の中のはずだ。
音もなく目の前に「映像窓」が表示される。
そうだ他にも起きてる人がいた。
交代で「天空城」の索敵システムの監視をしてもらってる兵士達だ。
「天空城」の一室で、他の「浮島:壱」から「浮島:伍」までの索敵システムも一括で監視し、何かあれば俺を筆頭として責任者に映像窓をもって知らせる仕事を持った人たち。
その「映像窓」が開くということは……
『シン様! 北方ザナルガリア地方に展開中の「浮島:伍」より緊急入電! 元魔族の領域より、浮島の索敵限界を超える魔物の群れが侵攻してきています。物凄い数です。「天空城」の索敵システムが正確な数値を掌握できません! 映像送ります! 地平線が動いてます! 「映像窓」に映る全てが魔物です!』
ひっくり返った監視兵の言葉とともに映し出された「映像窓」には、「浮島:伍」の高度から捉える北方ザナルガリア地方の元魔族領土側が、視界の限り魔物に埋め尽くされていた。
はじまった!
しかし少々お約束が過ぎないか、開幕が魔物の大軍襲来とは。
まあまずは蹴散らさせてもらおうか!




