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GUARDIAN~ガーディアン~  作者: 夢見る卵
第一章:校内闘争
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第一話 入学

その日はひどい土砂降りだった。しかし俺の周りはすべて水たまりではなく、血だまりができていた。

知っている顔もなかにはある。屍の中に一人男が立っている。俺は力の限り走ってその男に近づき次の瞬間、「ザクッ」という音がして男は動かなくなった。俺の手は血で染まっていた。そして俺はこの力を使わないと誓った。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「・・・さん、兄さん、兄さん!」

「次はガーディアン育成高校前です。お降りの方は・・・」

電車のアナウンスと女の子の声がする。そして、

「おーきーろー」

という声とともに頭に激しい衝撃がやってきた。

「いった、何するんだよ花蓮」

俺は頭をさすりながら横に座っているわが妹に少し怒りのこもった目を向けた。

「だって、兄さんが起きないからいけないんじゃないんですか?」

とさも当たり前のように言う。黙っていればかわいいのにと思うのは何度目か…

「もう少し優しく起こしてくれよ」

「着きましたよ」

俺の意見は無視されて俺は妹の後を追って電車降りた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

通学中新入生と思われる男子から好機の目線を浴びせられながら(花蓮だけだが)俺たちは第九高校に到着した。

「本当によかったの?ここで」

「あぁ、いいんだ」

俺たちが今日入学する第九高校はこの東京内では最下位のガーディアン育成学校である。

ガーディアン育成学校は第一から第九まであって毎年秋に行われる都大会で第一から第九が決まる。

つまり数字はそのまま学校の序列になっているのである。

説明が遅れたがガーディアンとは生き物の精霊のようなであり、俺たちは彼らと契約し、その力を借りていろいろな事をする。いまでは犯罪の検挙率向上が一番の用途だ。さらにガーディアンは武器にも変化することができる。またガーディアンと契約ガーディアンズと呼ばれる。

さらにガーディアンには大きく分けた3つあり、1つ目が基本的に現場に出て犯人逮捕に努めるアタッカーズ、2つ目が作戦や行動の指揮を与えるオペレイションズ、最後3つ目が傷ついたガーディアンの回復治療などをするメディカルズであり、自分が契約したガーディアンの能力でこれらの中から選択する。

とまぁ説明も一段落したところで、

「誰かー、助けて~」

と叫び声が聞こえてきた。

「兄さん、この声第一高校から聞こえてるよ」

「本当だな、行ってみるか」

そしてもう一つなぜか第九高校のとなりが第一高校なのである。

「おい、どうかしたのか」

俺が近くの第九高校の制服を着た生徒に聞くと、

「あぁ、なんかエリートと新入生のけんからしいぜ」

エリートとは中学生のからガーディアンとしての才能が大いにある生徒の通称で第一高校に学費免除で入ることができるのである。

「エリートと新入生じゃ相手にならないでしょ」

と花蓮が言うと男子生徒は顔を赤くして

「え、えぇ、それで新入生のほうが助けを求めているのにエリートが辞めないんですよ、かわいそうに」

何で敬語?という疑問はさておき

「教師たちは止めないのかよ?」

「無理だよ、相手がエリート主席の岩沢じゃね」

「あぁ、なるほど」

ガーディアン育成学校は国からの寄付金で大方運営されている。さらに寄付金はその学校のエリートの数だけ増えるので無駄に手を出して辞められたくない大人の事情だろう。

「ねぇ、兄さん、もっと前に行こうよ」

花蓮が興味シンシンで言うので

「あぁ、そうするか」

と俺も一緒に前に出てしまったのが運のつきだった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「実力差がわかったか、この馬鹿め、俺には一生勝てねぇよ。」

「くっそー」

喧嘩はもう終わっていたようだった。

「終わってたな」

「そうね」

と帰ろうとしたところで、

「とどめだ」

その男が倒れている生徒に向けて攻撃を放とうとしていた。サメのガーディアンから青色の光が出てきて、

「バイバイ」

と同時に青色の光線が発射され、倒れている生徒に向かっていったが、

「くっ」

とぎりぎりで攻撃をそらして防いだ。どうやら彼のガーディアンはアルマジロのようだ。サメ使いは驚いていたが次の瞬間

「危ない!」

それた光線が3人の女子生徒たちに向かって飛んでいた。女子生徒たちはまだ気づいていない。

「くそっ」

俺は叫ぶと同時にガーディアンを呼び、その光線から女子生徒たちを守った。

煙が晴れた後には、黒い竜と崩れた壁に目を見開いている女子生徒たちだった。

「おい、大丈夫か?」

俺が駆け寄るといち早く驚きから脱出した女子が頭を下げてきた。

「ありがとうございます」

ときれいな声で答えてきたが、聞きおぼえがあり顔を見ると

「あっ」

「あっ」

とお互いに短く声。花蓮もやってきて

「あっ」

同じように声を上げ、目の前に立つ美人を見た。そこに

「大丈夫ですか?、海原さん・・・」

とさっきのエリートがやってきたがこの目の前に立つ海原紗菜の放つオーラに威圧されたのだろう。最後はしりすぼみだ。

「まだ生きていたんですか?龍ヶ崎勝」

「あぁ、久しぶりだな」

俺は当たり障りのない答えをして、まだ放心状態の二人に

「大丈夫か?」

と聞くと、

「「ハ、はい。大丈夫です」」

二人揃った返事がきた。

「では私はここで」

険悪オーラ全開の紗菜が歩き去って行ったあと

「いいのこのままで?」

花蓮が心配そうに聞いてきたので

「平気だ、俺が決めたんだから」

俺たちが歩き去る女子三人を見送っていると、

「おい、貴様」

さっきのガーディアンが声をかけきた

「紗菜さんとはどういう関係だ。」

「ただの幼馴染」

「嘘をつけ、紗菜さんにふさわしいのはこの僕だけだ。」

「は、はぁ」

「それに貴様のガーディアン見たこともない竜だ、しかしそんなものでは紗菜さんの気は引けないぞ」

「花蓮、帰るぞ」

「はーい」

俺が無視して帰ろうとすると、

「貴様第一高校の生徒ではないのか?」

「いや俺たちは、」

制服のボタンを見せると

「第九校だと!負け組が僕の攻撃を簡単に封じたのか」

「いや、それなりの威力だったぜ」

俺がこういうと

「僕と勝負しろ!龍ヶ崎勝」

「なんで?」(ていうか名前聞いてたんだ)

「もちろん、紗菜さんをかけてだ。俺と貴様の格の違いを見せてやる」

「わかったいいだろう」

俺が了承したと同時に校舎の入り口でまだこちらを見ていた紗菜が目を見開いたのがわかった。

「兄さん、だめだよ」

「大丈夫だ、花蓮」

「いつまでその余裕が持つかな、いくぞ」

「来い!」

「先手必勝、いけシャーク!」

岩沢がガーディアンを呼び出したが俺は何もしないでおく

「くらえ、|大鮫波≪だいこうは≫」

さっきの青い光線が発射され、そのまま俺に直撃俺は倒れたふりをした。

「この程度か、そんなものでは紗菜さんと話すこともできない虫だお前は」

そして岩沢は鼻歌混じりに歩き去った

「兄さん、大丈夫?」

花蓮がマジで心配そうな声だったので少し罪悪感があるがここは仕方がない。そして俺は朝の眠気が残っていたのでそのまま寝てしまった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

目を覚ますと、そこはベッドの上のようだった。

「兄さん、大丈夫?」

「あぁ、花蓮か、大丈夫だ。ここは?」

「保健室よ。兄さんが倒れた後私と周りの第九高校の生徒が運んでくれたの」

「そうか、あれからどのくらいたった?」

「まだ30分くらい」

「そっか、水龍来てくれ」

俺が名前を呼ぶと、

「何でしょうか、勝?」

「傷を治してくれ」

「わかりました」

水龍が青く光った瞬間俺の体は完全に回復していた。

「ありがとう」

「では、また何かあったら呼んでください。」

そして水龍は消えていった

「いつ見ても兄さんの回復術はすごいね」

「そうか」

「コンコン」とドアをノックする音が聞こえてきたので扉をあけると知らない美女がいた。

「はじめまして、第一高校生徒会長の天上瞳です。」

「どうも、龍ヶ崎勝です。」

「同じく、龍ヶ崎花蓮です。」

「このたびは本当に申し訳ございませんでした。」

無駄に上から目線な岩沢と違いしっかり頭を下げてきたので、

「あ、全然気にしないでください。」

「岩沢は厳重に注意をしておきます。それでけがをされたのは誰でしょう?」

「俺ですけど」

「え、あなたどこにも怪我がありませんけど?」

「あ、もう治りました」

「聞いたところによると岩沢の直撃を受けたそうですが本当に大丈夫なんですか?」

「この通り、ぴんぴんしてますよ」

すると天上瞳の目が鋭くなり、

「あなた何者ですか?」

と自然と背筋が伸びるような低く威圧のある声で言ってきた

「俺、あ、いや僕たちは兄弟九高校に入学するガーディアンズですよ」

「第九の生徒が第一のエリートの攻撃をこんなに早く回復できるわけがないでしょう」

「僕のガーディアンは回復が得意なので」

「いや、それでも」

「では失礼します。いろいろとありがとうございました。いくぞ花蓮」

「うん、失礼します」

そして俺たちはまだ何か言いたげな顔をしている天上瞳を放置して保健室を後にした

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「入学式始まってるかな?」

「たぶんな」

俺たちは今第一高校の校門に向かって歩いている

「花蓮、お前まで俺に合わせることないんだぞ、今からでももっといい学校に」

「いいの、兄さん私がいないと何もできないんだから」

俺の台詞は途中で花蓮に断たれてしまった

「あれ?誰かいるよ」

と花蓮が指をさすほうを見てみると確かに一人の女子生徒らし気影が校門に寄り掛かっていた

「もう入学式始まっているはずなのに」

「そうだな」

俺たちが近づいていくと

「あなたはさっきの」「あんたは」

俺たち二人が同時に声をかけると、相手は

「あ、あの、さっきはありがとうございました」

深々とあたまを下げたその女子生徒の顔は少女と女性の間のようだった

「それを言うために待ってたの?」

「は、はい、第九高校の生徒だと聞いたのでここにいれば会えるかなと、でもこんなに早いとは思いませんでした。」

「別に礼を言われるほどでもない、じゃあな」

俺はその女子生徒に手を振り第九高校に向かった。彼女も懸命に手を振っていた(入学式はとは聞ける雰囲気ではなかった)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

俺たちが第九高校に着くとすでに入学式は終わり新入生はすでに教室に入っていた。

「クラス同じなのかよ」

「あれ、いやなんですか兄さん?」

「家でも、学校でも同じでお前は嫌じゃないのか?」

「わ、私はそのべつにいやじゃありません。そのむしろうれし・・・い」

俺は花蓮の独り言を無視して先に進もうとしたところで、

「兄さんのバカ!」

花蓮に叫ばれ教室まで(短いが俺には長く感じた)謝り続け許しをもらった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

俺たちが教室に入ると教室内にいた生徒が走り寄ってきて

「大丈夫か」「もう平気」「うわ、美人」「よく無事だったな」とか一つ余計なものがあるがクラスメートからいろいろの言葉を頂いた。

「よう、同じクラスだったな」

と第一高校の前で喧嘩の解説をしてくれたやつだった。

「俺は|岡野忠≪おかのただし≫よろしく」

「俺は龍ヶ崎勝、こっちが妹の」

「龍ヶ崎花蓮です。よろしく」

すると岡野は顔を朝同様に赤くし

「よ、よろしく」

とぎこちない手つきで花蓮と握手をした。その後担当教師が来てしまいだらだらと話を始めたので俺は外を眺めていた。これが第九高校の最初で最後のホームルームと知らず。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

家に帰ったあとは花蓮も俺も疲れていたのですぐに風呂に入り、軽い夕飯を花蓮が作り(花蓮は家事全般ができる)、すぐに寝た。明日何があるのか知らないまま。




どうでしたか、誤字などを皆さんの広い真心で見なかったことにしていただけると嬉しいです。すぐに投稿するつもりが遅くなってすいません。これからも精進するのでよろしくお願いします。

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