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  作者: yiyi
25/36

「お前等もう黒川に構うな」

「は?呼び出しといて何だそれ?」

拓は黒川をいじめる数人を体育館裏に呼び出した。


「もしまだやり続けるなら、その時は俺がお前等をぶっ飛ばす」

「やってみろよ!たしかお前は冨田龍二が死んでもう暴力はしないんじゃないのか?」

「度が過ぎちまったらお前等は俺を止めれないぞ」

「はっ!場合によっては拳を使うってか?そりゃ便利な決め事だな!」

「忠告はしたからな・・・」

拓がその場を去ろうとした時、一人が言った。

「何であいつにこだわるんだ?」

拓は振り向かずに言った。

「あいつに勉強教えてもらうんだ。邪魔が入ると俺にも影響が出るんでな!」

それを聞いて全員が笑う。

「聞いたかよ?こいつが勉強だってよ~何、今更やる気出しちゃってんの?」

拓はそんなのは気にせずにそのまま歩いた。

「お前等も黒川いじめてねぇ~で将来の事考えといた方がいいぜ」


まだ笑いながら言った。

「お前がいくら勉強してもお前の夢なんて叶わねーよ!問題児だもんな・・・」


その言葉を聞いた瞬間、拓は拳を握り笑う者の方へ走った。

あまりの速さに一番前に居た奴は、笑いながら殴られる。

1人、2人、3人・・・

全員が10秒も経たないまま殴られる。


拓は最後の奴を殴った後、ただただ呆然と立ち尽くした。

「俺の夢を笑うってことは、死んだ龍二の事も笑うことなんだよ」

拓は静かにその場を去った。

そして放課後、何事もなかったように黒川と接した。

次の日から黒川をいじめてた者は近づかなくなった。

その代わり桐嶋拓への復讐の影はゆっくりと近づいていた。


あれから2週間後・・・

いつものように放課後、会う約束をしてたが拓は先生に呼び出されていた。

黒川は教室で一人待っていると教室の扉が突然と開く。

黒川は笑顔で出迎えた。

しかしそこに居たのは拓ではなく、いじめていた奴らだった。

その頃、拓は職員室へ向かったが、不在だったので別の先生にどこにいるか聴き込み別館の方へ居るという情報を頼りに向かった。

向かう途中、黒川の小さな叫び声が聞こえる。

拓は周りを見回すと拉致られている黒川を見つける。

拓は急いで駆け寄る。

どうやら外にある体育館倉庫へ入って行ったみたいだ。

拓は思いっ切り扉を開けると目の前にはロープで縛られ、口にはガムテープが貼られている。

倉庫内は外の沈む太陽の光しか入ってないので薄暗い。

拓がそこに入った瞬間、ゴンッという音と同時に後頭部に痛みが走る。

拓はそのまま倒れ、気絶した。


約1時間後、拓は目を覚ました。

体は黒川と同じようにロープで縛られている。

「くそ・・・どうなってんだ」

頭から血が出てるのが分かる。

すぐ隣には黒川が座っている。

「大丈夫か?」と拓が問うと「うん・・・」とすぐに返事が返ってくる。

しばらくすると扉が開く。

そこにはあの4人が立っている。

外にある一本の街灯のおかげで微かに顔が見える。

「お前等どういうつもりだ?」

「今の状況を見て分かるだろ?」

「やり返しか・・・餓鬼だな」

「まぁ~そのつもりだったんだがよ、実はある奴が仕返しをしたいって言って来てな」

「あるやつ?誰だ?」

「お前がよーく知ってる奴だ。だから俺達はこれで終わりだ」

そういうと4人は去って行った。


「どうなってるんだ?一体だれな・・・」拓が喋っていると黒川が急に立ち上がった。

拓はゆっくりと黒川の方を見た。

黒川のロープはスルスルッと簡単にほどけた。

そして口のガムテープを剥いだ。

「ま・・・まさか俺に復讐したい奴って・・・お前か?」

黒川は静かにニコッと笑った。


「覚えているか?ぼくのことを」

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