孤独
拓と龍二が最後に約束した日から約一ヶ月が経った。
季節はすっかり暑い夏になっていた。
拓は熱を放出するアスファルトの上をゆっくり歩く。
ソーダ味のアイスを食べながら学校へ向かっていた。
「あ~そっか・・・」
拓は急にこのいつもとは違う感じに改めて気づいた。
「龍二以外に俺・・・友達いねぇ~や」
龍二と会わなくなってから拓は少し遅刻はするもののちゃんと毎日朝から学校へ行くようになっていた。
そんなある日の放課後、担任の先生に呼び出される。
「桐嶋・・・お前この暑さに頭イカれたか?」
「はぁ~?そんな訳ね~だろ!俺はぴんぴんしてるぜ!」
「そう・・・だよな。いや~すまんすまん。お前が最近真面目に学校来てるもんだから」
「そりゃ~ちゃんと前から来てるよ!まぁ来ても屋上に行ってたけどね」
「そうかそうか。ん?屋上?」
「あっ!やべ!口が滑って・・・」
「あそこは立ち入り禁止だと何回も言っただろうが!!」
「すんません・・・」
「あ、それよりも龍二はどうした?最近来ないから仲の良いお前ならなんか知ってるだろ?」
「あぁ・・・あいつね・・・元気にしてるよ」
「このままだと無断欠席が続くからな」
「え?連絡とかしてないの?」
「電話したが本人は田舎の実家に帰ってるとか、親にも学校に来て少しお話をと言ったが仕事が忙しいからとな」
「そうなんすか・・・」
「まぁお前もあいつと関わらなくなって真面目になったし、進路もよく決めとけよ!」
「へいへい」
「あいつ何してんだ?」
その噂の龍二の活動はどんどんと広まっていき、例のチームは崩壊寸前までもっていった。
龍二率いるチームも拡大していく。
ただ龍二自身は頭を本気で狙う気が徐々に薄れていっていた。
龍二は神楽町を見下ろせるタワーで一人タバコを吸っていた。
「俺はいまどの方向へ行けばいいか分からないぜ、拓」
カンカンカンカン・・・
階段を上がってくる音が聞こえ、龍二は後ろを振り向いた。
「おめぇ誰だ?」
「誰だはないだろ?お前が探している獲物だよ」
「あんたが・・・あのクソチームの頭かい」
カンカンカンと大勢の音が聞こえ出した。
かなりの人数が上がってくるのが分かる。
その上がってきた人ごみの中に龍二のチームも混じっていた。
「お前等どういうことだ?」
「どうもこうも2人共潰れてもらうよ」
「この頭を表に出すために俺を利用したってことか?」
龍二を誘った金髪の男もその中に居る。
「俺達に頭なんて存在いらねぇ~んだよ。俺達は誰からにも縛られない。それが真の自由だ!」
「ちっ・・・マジでやべぇ~な」
龍二はその大勢の中に攻め込んで行った。




