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プロローグ『嘘つきの始まり』

 俺は特筆するべきことのないただの高校生である。

 17年間人並みに生き、何不自由なく日々を過ごしている。

 そんな俺は今、金属バットを握った不良3人組から全速力で逃げている。


「おい! 待ちやがれ説田実!!」


「しつけぇよ! 俺が何したってんだよ!」


「とぼけてんじゃねぇ!! ありもしねぇこと叫びやがって!!」


 俺はただこの3人組にカツアゲされそうになったので、殺されるーだの、放火魔ーなどと叫んで逃げただけである。自衛のための嘘であり、何ら悪いことはない。

 そのおかげで奴らは俺の叫び声を聞きつけた大人たちに阻まれ、俺は無事に逃げ切ることができたはずだったのだが……思いの外奴らはしつこかった。

 ちなみに何で奴らが俺の名前を知っているのかというと、クラスメイトだからである。

 

「はぁはぁ――っ! くそ!!」


「ほれ行き止まりだ! 観念しやがれ!」


 絶体絶命だ。

 目の前は背の高いコンクリ塀であり、逃げ場は無く、どうすることもできない。

 振り返ると奴らはバットを構えて激昂している。


「てめぇ! 覚悟しやがれ!!!」


 バットを振りかざされるその瞬間、目をつむり、歯を噛み締め、頭が吹き飛ぶことを覚悟する。


「――――――?」


 おかしい、何も起きない。

 違和感を感じ、恐る恐る目を開ける――


「……ここ――どこだ?」


 彼が目の前の情報を処理するのには時間がかかった。

 中世ヨーロッパ風の街並み、目の前を横切るのは人間や人間の形をした鱗や毛皮を持つ生き物たち。

 目に映る景色は正しく、彼の持つ知識で言う『異世界』そのものであった。



 

 

 



                                                                                    

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