決意〈美久視点〉
土曜日のショッピングモールに出かけた時の話です。
今日はお兄ちゃんとショッピングモールに行こうかなぁ…先週行けなかったし…
あ、お兄ちゃんソファーで寝てる。今日は暇ってことだよね。
「お兄ちゃん、なんでソファーに横になりながら漫画読んでるの?早く支度してよ。ショッピングモール行きたいから」
「え?ショッピングモール?」
「…忘れたの?この前一緒に行こうって言ったじゃん。先週の土日はレストランに行ったり引っ越しの手伝いして行けなかったから…だから今から行こうよ」
「う〜ん…分かったよ。ちょっと待っててな」
んふふっ…お兄ちゃんと出かけるの1ヶ月ぶりくらいだし、楽しみだなぁ…この前買った服来ていこうかなぁ♪
そして、支度を終え家を出た。
お兄ちゃんはいつも出かけるときに着る白色のTシャツに黒色のズボンを着てきた。
似合っているけどたまにはそれ以外も着てほしいなぁ…まぁもう着ちゃったし言うのは次でいっか。
というかお兄ちゃん…私に何も言ってこないんですけど…普通こんな可愛いかったら誉めるよね!
「ねぇ…お兄ちゃんなんか言う事ない…?」
「ん…?…ん〜…シャンプー変えたか?」
「違うよ!というかシャンプー変わってないこと知ってるでしょ!」
同じ家なのにシャンプー変えてるわけないでしょ!
「分かってる分かってる。ふざけただけだ、服…似合ってるよ」
「……!あ、ありがと…」
流石お兄ちゃん…私が服褒めてほしいって分かってたみたい…
普段着ないような白いワンピースを着てきたんだからね…
そんなことを思っているとショッピングモールが見えてきた。
「で、ショッピングモールで何するんだ?服でも買うのか?」
「いや、服はこの前買ったから今日は買わないよ。観たい映画があってね」
「そうか」
本当はお兄ちゃん来る必要なかったんだけど、お兄ちゃんと出かけたかったからね!
ショッピングモールに着いたので、エレベーターに乗って二階の映画館まで行った。
お兄ちゃん気持ち悪そうにしてる…エレベーターってそんなに気持ち悪くなるかなぁ…
「お兄ちゃん先ポップコーン買っといて。私席決めるから」
「おう、キャラメルポップコーンとジンジャーエールでいいんだよな」
「うん!」
流石お兄ちゃん!私が食べたいものは把握してる!
席を決め終えたのでお兄ちゃんのところに戻ってきた。
「じゃあ行こ!」
「分かった、というか映画って何を観るんだ?」
「なんか恋愛物のやつ。クラスの子が面白いって言ってたから観たくなって。人気小説がアニメ映画化されたらしいからお兄ちゃんも観てて面白いんじゃない?」
「なら楽しみになってきたな」
………映画を観終わった。……妹との禁断の恋愛を書いた作品だった…もしかしてこの映画を教えてきたのって私とお兄ちゃんを恋人にするためだったから…!?この映画を教えてくれた子は私の親友だ。それでその子は私がお兄ちゃんが好きなのを知っている。私がお兄ちゃんを好きだって知っても否定せずに応援してくれた良い子だ。
それでこの前、義妹が出来たことを伝えたら急にこの映画の話をし始めた…
この映画は妹との恋愛の作品なので、もちろん恋敵キャラもいる。この作品の恋敵キャラは1回お兄ちゃんを奪いかけたのだ。
最後は妹と結ばれたが… でも…もしかしたらこの映画みたいにハッピーエンドじゃなくて…彩音ちゃんにお兄ちゃんを取られたら…耐えられない…
「あ〜…映画面白かったな…」
「そうだね…」
「で、どうするよ…時間的にもう昼だけど、飯にする?」
「うん」
――――――――――
フードコートでお兄ちゃんはラーメンを、私はパスタを買った。…でもあまり食べる気分じゃない…
ちょうど二人分の席が空いているとろがあったので座る。
「ねぇ…お兄ちゃんはさ…さっきの映画観てどう思った…?」
「どう思ったって…?」
「だから…妹との恋愛の事…お兄ちゃんは妹と恋愛することってどう思う…?やっぱりだめだって思う?」
お兄ちゃんは…私と恋愛出来るのかな…
「ん〜…別に俺はいいと思うよ… 法律的にはだめかもしれないけど、互いが愛し合ってるならね」
「そっか…」
……!!お兄ちゃんは…互いが愛し合ってるならいいと思ってるんだ…!!…なら…私も…
そう思い拳を握る。
それを見たお兄ちゃんが怯えていた。私が殴るとでも思っているのかな…?私にどんなイメージを抱いてるのよ…
「……っ!ふふっ…そんな顔しなくても殴らないから大丈夫…」
「おう…」
え?そんなに顔に出てた?って顔してる。お兄ちゃんは顔に出やすいなぁ…そこも可愛いところなんだけど…
その後は学校で使う文房具を買ったりした。
ついでに服も買っていた。
買わないって言ったけど、やっぱり服屋を見たら入りたくなるよね…
そんなこんなでもう日も暮れてきた。
今は、ショッピングモールから出て家へ帰る道中
「お兄ちゃん…ショッピングモールに着いてきてくれてありがとね。今日は楽しかったよ」
「おう、俺も楽しかったから別にいいぞ」
「お兄ちゃん…あのね…」
「ん?なんだ?」
「………いや…やっぱりここではやめておくよ…」
「うん…?そうか、ならいいが」
「その代わり学校では覚悟しといてよねっ…!
お兄ちゃんのびっくりする顔が楽しみだなぁ」
私は満面の笑みでそう言った。
お兄ちゃん…好きだよ…
学校で彩音より先に告白してやるんだから…!!
明日は親友の家に遊びに行くし…相談しようかな…