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美久VS彩音 〈学校〉

「雪斗さん…これ食べてみてください…!」


「お兄ちゃんこっちも食べてみて!」


今は朝ご飯を食べているのだが、右に美久、左に彩音ちゃん真ん中に俺で座っている。

なんでこんな体制で食べているのかというと俺がご飯を食べ始めたら彩音ちゃんが右隣に座り、それを見た美久が頬を膨らませて左に座ってきたのだ。

まぁそこまではいいのだが、俺がご飯を食べ始めたら彩音ちゃんが自分のをあーんで食べさせようとしてくるのだ。

それを見た美久が自分も食べさせようとするの繰り返し。


一人で落ち着いて食べたいんだけどな…

まぁ可愛いしいいか…


彩音ちゃんの玉子焼きを食べてみた。

すると彩音ちゃんは満面の笑みを浮かべ、美久は顔を膨らませてこちらを睨む。


「お兄ちゃんなんで彩音ちゃんの方のを食べるの!」


「いや…だって美久のベーコンさっき食べたばっかだし…」


「ベーコンはいつ食べても美味しいでしょ!」


「分かったって…」


美久のベーコンも食べる… うん、美味い


そんなやり取りを続けていると、そろそろ登校し始めなければならない時間になっていたので、

3人で急いで支度をする。


「「「行ってきます」」」


「はい、いってらっしゃ~い」


真由美さんの声が奥から聞こえてきた。

3人とも同じ高校なので3人で登校をする。

ちなみに父さんは昨日の仕事が長引いて家に戻ってきてはいない。


「雪斗さん…手を繋ぎましょう…!」


「え…!?」


「雪斗さんと仲良くなるためにです…」


「それ、手を繋ぐの関係ないでしょ!?」


美久と彩音ちゃんは登校中も言い合っている。

彩音ちゃんは俺と仲良くなろうとしてるのを見て嫉妬をしているのだろうか…別にお兄ちゃんは取られないんだけどな…


そんなやり取りを登校中ずっと続けていたが結局通学路に人が増え始めたので、手は繋がなかった。二人とも恥ずかしかったみたいだ。



「じゃあお兄ちゃんまたね!」


「雪斗さんまた…」


そう言って二人と下駄箱で別れた。

あの二人は可愛いが流石に一人で落ち着きたいな。


と、思いながら教室に入り、廊下側の一番前の席に座る。


「雪斗、おはよっ〜す!」


「………」


「今日も無視かよっ!!流石の俺も傷付いちゃうぜ…」


「あぁ…柊斗か、おはよう」


「それでさ、義妹が誰か分かったん?」


「あぁそれなら分かったよ。というか今日一緒に登校してきた」


「え…!?もうそんな仲まで発展を!?」


「いや妹も一緒だけどな」


「あの妹ちゃんもかぁ。それでも… あっ!そういえば義妹ちゃんの名前って何?俺分かるかも」


「彩音って名前だよ」


「彩音…彩音……あっ!分かったかも!学校胸が大きいランキング2位の1年生でしょ!」


「多分柊斗が想像してる通りの人だが…

なんだその学校胸が大きいランキングって」


「は?知らないの雪斗まじかよ…3年生の先輩がこの学校に所属している女の子を調べて胸が大きい子ランキングを作ったんだ。男子はほぼほぼそのデータを持っているぞ」


「きもすぎだろ…」


と、話していたが先生が来たので柊斗は席に戻っていった。


――――――――――


授業も終わり、昼休みの時間になった…

今日柊斗と食堂に行こうと思って廊下を歩いていたが…


「あっ…!雪斗さん…!」


そう声がしたので後ろを振り返ってみると彩音ちゃんが居た。なんで2年生クラスの廊下にいるのだろうか…俺になんか伝えることでもあったのかな?


「雪斗さん…一緒にご飯食べましょう…!」


「え…?一緒に?別にいいけど、友達と食べなくていいの?」


「いつも一緒に食べている友達は今日休みですので…それに私は雪斗さんとお昼ご飯食べたいですし…!」


「そうなんだ、分かったよ。じゃあ一緒に食堂に行こうか。柊斗も大丈夫だよね?」


隣りにいた柊斗に声をかけたがいつの間にかいなくなっていた。


ピロンっ…


通知の音が聞こえたのでスマホを確認してみると、柊斗から『二人で楽しめよ』と頑張れスタンプと一緒に送られきていた。

いや…頑張れはよく分からんのだが…まぁいいか


二人で食堂に到着したので、手前の空いている席に座った。


「じゃあ、食べようか」


「はい…」


弁当の蓋を開けて食べようと思ったんだが…


「ちょっと!!彩音ちゃんとお兄ちゃんがなんで一緒にご飯食べようとしてるの!」


頬を赤く膨らませた美久が一人でお弁当を持ってこっちに歩いてきた。


「美久…!」


「美久さん…」


「彩音ちゃんがお兄ちゃんと一緒に食べるなら私も食べる!!彩音ちゃんだけずるいもん」


そう言って美久は俺の左隣に座った。


彩音ちゃんは諦めたみたいで美久が隣に座ったのを特に何も言わなかった。

なのでそのまま3人でご飯を食べ始めたんだが…


「あのさ…食べづらいんだけど…」


彩音ちゃんも美久も俺の腕に体を寄せて食べるから食べづらすぎる…

それにさっきから周りにいる男子からの視線がすごい…

目が合うとまるで殺すぞと言わんばかりに睨まれるんだけど…

この二人は妹なんだけどな…


ピロンッ…


ん?また柊斗からだ。スマホを見ると『羨ましい』と送られきていた。

こいつ後でぶん殴ってやろうかな…


結局ご飯を食べ終わって二人と別れるまで男子から殺意のこもった視線を浴びせられ続けた。



その後、午後の授業も終わったで俺は帰る支度を終え、玄関まで来ていた。


「お兄ちゃん!」


「雪斗さん…!」


どうやら二人とも俺を待っていたようだ。なので二人と一緒に家まで帰る。

なんか二人とも一緒にいるけど仲良くなったのかな…?


「ねぇ、二人は仲良くなったの?」


「う〜ん、まぁ私は彩音ちゃんのことをライバルって思ってるから…まぁ仲良くはなったのかな?」


「美久さんは敵ですが家族です…」


「そうなんだ、一応仲良くなったってことなのかな?」


二人ともお互いのことをライバルとか敵とか思っているのがよくわからないけど…


そう思いながら俺達は家に帰った。

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https://ncode.syosetu.com/n1893hv/ 「男だけど女性Vtuberを演じていたら、現実でメス堕ちしてしまったお話」も投稿しています。 興味があったらぜひ読んでみてください。
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