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第四十七話 たいしたものでしょ?

一息ついて、説明回です。短いです……。

「まあ、一言で言うなら勘ね」

「勘ですか……」


 愛美の言葉に相槌を打つ。しばらく走った後、さすがに海の底まで敵が追ってくることは無かったので一旦バイクを止めて、適当な岩の上に座って休憩中だ。

 バイクの周囲を包む空気の膜は俺たちが下りると広がって、今は直径五メートルくらいになっているので、狭苦しくはない。Qちゃんは俺たちの会話には加わらず、空気の膜をつついたり、周りを観察したりしている。

 俺はなぜ愛美が追手に気づき、交差点で俺に「ジャミング」を使うように言ったのか、とその理由を聞いていた。


「といっても、根拠が無いわけじゃないのよ? 結構大きな道なのに一台も他の車を見なかったでしょう? ちょっと静かすぎて違和感があったのよね」

「確かに、静かでしたね」

「で、圭祐君が超能力の発動を感じたじゃない。だから、何らかの能力で辺り一帯を静かにさせているんじゃないかと思ったわけ」

「そうだとして、交差点を指定したのはなんでです?」

「そこは完全にあてずっぽうよ。追いかけて来ているなら向こうからと思ったけど、別方向からだったらまずいなと思ったわけ。交差点なら三方向カバーできるじゃない」

「あー、そういうことですか……。当たってよかったですねえ」

「私、こういう勘は大体当たるのよ」


 なるほどね。結構、ギャンブラーな人だな。けどまあ、俺の能力の使い道として、すでに発動して効果が続いている能力を取り消すことができる、ということが分かった訳だ。……うん? ということは……。


「ここで『ジャミング』使ったら、俺達どうなるんだ?」


 思わずつぶやくと、愛美の首がぐりんと動き俺を凝視する。


「ちょっと! 絶対やめてね!」

「わかってます、やりませんって!」


 愛美の剣幕に超びびりながら、俺は慌てて答える。こんな海の底で、俺が能力を使って空気の膜が無くなったら……って考えたら必死にもなるよな。などと考えていると、いつの間にか戻ってきていたQちゃんが口を挟んできた。


「今、藤沢さんが『ジャミング』を使っても、特に何も起こらないと思いますよー」

「え? そうなの?」

「私の『ヒラメイカー』はすでに発動し終わっていますからね」


 どういうことだ? Qちゃんの能力で海底を走っているんだから、ここで俺がその効果を取り消したら空気の膜が無くなって、溺れるのでは? 俺の疑問にQちゃんが明るい声で答えてくれる。


「この空気の膜は潜水機能が作ったのであって、私の超能力じゃありませんから」

「でも、サイドカーや潜水機能は『ヒラメイカー』でQちゃんが作り出したものでは?」


 俺が首をかしげると、Qちゃんは立てた人差し指を左右に振りながら、得意げな顔で話し出す。


「そのあたり、例を出してご説明しましょう。そうですねー……高いところにある物を落とす超能力を使う人がいるとします。その人を仮にAさんとしますね。Aさんが崖の上にある岩を超能力で落とそうとしています。あなたがそこで『ジャミング』を発動しました。どうなります?」

「邪魔するんだから、岩は落ちませんね」


 俺が答えると、Qちゃんは神妙に頷き言葉を続ける。


「はい、当然そうなりますね。ではですね、邪魔されずに超能力で岩を落とした場合はどうなるか考えましょう。Aさんは超能力で岩を落としました。その後で藤沢さんが『ジャミング』を使ったら、岩はどうなります?」

「どうって……、Aさんの超能力は発動し終わってその結果として岩が落ちているだけだから、特に何も起きない……って、『ヒラメイカー』で作り出した発明品はそういう物ってことですか」

「そうですそうです、さすがは藤沢さん、理解が早いです。あなたの超能力は、他人の超能力の発動を阻害することです。発動した結果を取り消すことはできません。そして、今の状況は『ヒラメイカー』の発動の結果です。なので何も起きません」

「じゃあ、『ジャミング』を使ったら、消えていた追手が出てきたのは……」

「あれは、超能力を使い続けている間、姿を隠せる能力だったのでしょう」


 なるほど。相手がそういう能力だったと言うのはラッキーだったな。ちらっと愛美を見ると、彼女は腕を組んでうんうんと頷いている。


「私の勘、大したものでしょ?」


 あまりにもドヤ顔で言うので、俺とQちゃんは顔を見合わせて苦笑する。愛美が立ち上がってバイクに跨る。


「さて、休憩もそろそろ終わりにして、行きましょうか」


 その声に促され俺は愛美の後ろに跨り、Qちゃんはサイドカーに乗り込む。そして、三人が乗ったバイクは海底を走り出した。


「特訓ちゃん」に「ジャミング」を使って訓練ができた理由も同様です。


読んでいただき、ありがとうございます

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