第二十五話 どれかだと思います
今回は二手に分かれた後の優子視点です。
名前を間違えていたのを修正しました。
村上→中村
二手に分かれたあと、私たちB班は廊下を先に進んでいく。別れてすぐの曲がり角を曲がったら、あとは真っ直ぐだと桜子ちゃんが言う。
私たちは途中の扉は無視して素通りし、先に進むと扉に突き当たった。
「桜子ちゃん、この先かい?」
「はい、この扉からまっすぐ先のさらに地下に姉の反応があります」
吉田さんが振り向いて確認すると、桜子ちゃんが答える。
吉田さん、本間さん、千佳ちゃんが身構え、その後ろに中村さん。戦えない私とアナザー優子ちゃんと桜子ちゃんの三人は更に後ろに回った。
千佳ちゃんが扉を蹴り開けながら中に飛び込んで、本間さんが続く。吉田さんは銃を向けながらゆっくりと入っていた。中村さんと私たちはそのまま動かない。
部屋の中から、銃声や重いものがぶつかる音が聞こえてきた。吉田さん達が入った後は、扉がしまったから中の様子はわからない。しばらく待っていると、中の音は聞こえなくなった。
「入っていいぞ」
吉田さんの声が聞こえたので、中村さんが扉を開けて、私たちと一緒に中に入った。
部屋の中には警備員が七人いて、積み重なって倒れていた。
入ってきた正面、部屋の奥には扉がある。吉田さんが扉を開けると、下に降りる階段があった。
「当たり、かな?」
千佳ちゃんがそう言うと、吉田さんが「行こう」と言い、階段を下りて行く。私たちも含め全員で階段を下りた。その先には、鉄格子の扉があった。
「この先です、そこにお姉ちゃんが!」
お姉さんに近づいたからなのか、桜子ちゃんの声が大きくなっている。私は今にも走り出しそうな彼女の肩に手を置く。桜子ちゃんはハッとした顔で私の顔を見た。
「すみません」
「仕方ないよ。すぐそこなんだよね?」
「はい、向こうに見えている扉のどれかだと思います」
私の問いに落ち着きを取り戻した桜子ちゃんが答える。目の前の鉄格子の扉の先には廊下が続いていて、左右に鉄格子が見えている。牢屋の様だ。その一つを桜子ちゃんは指さしていた。
目の前の扉は鍵がかかっていて開かなかった。だけど本間さんが鍵の部分を殴りつけるとすごい音がして、扉が開くようになった。
本間さんと、千佳ちゃんを先頭に私たちは中に入った。中はやはり牢屋だった。コンクリートの壁に鉄格子の入り口。牢屋の中にとらわれている人がいた。
「お姉ちゃん!」
「桜子!」
桜子ちゃんがお姉さんの居る牢に向かうと、牢の中から声がした。
千佳ちゃんが鉄格子に向かって「空白」を使うと、鉄格子がぐにゃりと歪んで人ができりできる隙間ができた。
牢の中から、女の子が出てきて、桜子ちゃんを抱きしめた。彼女が桃花ちゃんね。双子ってホントにそっくりだ。
二人が抱きしめ合ってる間に、私たちは他の人達を助け出す。牢に鍵がかかってたけど、本間さんと千佳ちゃんと吉田さんが開けてくれる。吉田さんは鍵に銃を突きつけて撃って壊していた。
私たちは牢に囚われていた人たちを中から連れ出して、一か所に集まってもらい、本間さんに「トランスポーター」の能力でテリトリーにつながるゲートを出してもらった。そして助け出した人たちを送り出した。桜子ちゃんと桃花ちゃんの二人も帰還していった。
吉田さんから、私とアナザー優子ちゃんも帰るように言われたのだが、それは拒否した。私が参加した理由は圭祐がいるからだし、アナザー優子ちゃんが参加した理由はアナザー圭祐君を助けるためだったから。
この牢から助け出した人たちの中にはアナザー圭祐君は居なかったのだ。
しかし、牢の壁の一部が削られていて「優子」と彫られているのを発見した。アナザー優子ちゃんが助け出した人に確認したところ、私たちがここに来るまでに、一人の男性が連れていかれたことが分かったのだ。
撤退するまでに、見つけられるかもしれない。A班が既に保護しているかもしれない。その考えから、アナザー優子ちゃんは残りたいと吉田さんに話したのだ。
吉田さんは、私たちをじっと見た後。ため息をついてから、続行を許可してくれた。
「よし、通り過ぎた扉を確認しつつ、A班との合流地点まで戻るぞ」
吉田さんの号令で、私たちは一旦引き返すことになった。
途中の扉にの奥には、警備員が居ることもあったけど、本間さんたちがあっさり倒してしまった。それ以外には特に何も見つからない。アナザー圭祐君がみつからないことに不安な様子を見せる優子ちゃんの手が震えている。私が彼女の手を握ると、彼女がこちらを見た。私は頷いて、彼女の手を握ったまま進んだ。
A班と別れた地点、すなわち合流地点の近くまで戻ってくると。先の方から銃声が聞こえてきた。
吉田さんが本間さんに目配せすると、本間さんが走り出し千佳ちゃんもそれを追っていった。
残った私たちは銃を構えた吉田さんと共に、ゆっくりと先へ進んだ。
角を曲がると、圭祐達が黒づくめの男と戦っていた。圭祐は腕を伸ばして超能力を使っていて、その後ろで山内さんが弓を射っている。さらにその後ろに、こちらを向いて座っている人物がいた。
「圭祐!」
アナザー優子ちゃんがその人物に向かって、叫びながら走っていった。座っていた人物はアナザー圭祐君だったのだ。
読んでいただき、ありがとうございます
宜しければ、ブックマークや下にある星での評価を、是非ともお願い致します!
ご意見、ご感想もいただけたら嬉しいです!




