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霊笛  作者: 野中
霊笛・第三部
65/72

第四章(5)

とん、と黒蜜の足先が、畳を蹴る。直後、その姿は、天井に立っていた。


黒蜜の周囲だけ、重力が、逆さになったようだ。

「龍と剣聖を同時に相手なんて、遠慮しますわ」


結果は見えておりますでしょ、と黒蜜。それでいて余裕たっぷりに、

「興が削がれました。退散いたします」

退屈、というのとも、危機感、というのとも違う、白く抜けた表情で、続ける。



「夢の続きを、じかに見られないのは、残念ですけれど」



ごめんあそばせ。

ふるいつきたくなるほど魅力的な笑みを浮かべた黒蜜の姿は、煙みたいに失せる。去り方ひとつまで、不安と不吉を残すひとだ。

心の奥底に、小さくて厄介な、抜けない棘が刺さった感覚がある。

微かな痛みに、背中に嫌な汗がにじんだ。



黒蜜は、夢の続きと言った。


まだ、この南方で収まっていない乱れのことを、指しているのだろう。



即ち、―――――百鬼夜行。



片付かない限り、人外の宴ははじまらない。

「ちっ。…じかに、か」

史郎が舌打ち。そこににじむのは、覆いつくせない嫌悪。史郎の感情は、陰にこもらない分、むき出しで、痛い。


「巣からは覗き見るつもりだろうて」

火滝が他人事のように応じる。史郎の苛立ちが、落ちた沈黙を棘だらけにした。

それを抜き取るように、恭しげな呼び声が、ひきつるようにこぼされた。



「これは…大樹」


「おう」



史郎が重い視線を向けたのは、小太りの商人。

私はつい、身を小さくした。


なにせ、正直に、言って。

私たちは、無断でこの部屋に上がり込んだわけだ。


場所はおそらく、個人宅ではなく、料亭と思われる以上、見知らぬ他人がどの部屋にいても、不思議はないけれど。


状況は、明らかに、私たちの方が、分が悪いと思う。




はっきり言って、不法侵入者だ。なのに。




史郎も火滝も、欠片も疚しさがない。

むしろ、彼らの方が邸の主であるかのような態度で、不遜な視線を小太りの商人に向けていた。…いつもの、ことだが。

彼らは立っているだけで、場の主人になってしまう。


史郎は面白そうに彼の手元を見遣る。



「貴様が継承したか。重畳」



彼の手元には、貝殻。南方商人、総元締めの証。次いで、その目が玄丸に向く。

「商人が総崩れになる前に食い止めたのは手柄だが、危ない橋だ」


史郎の表情は、冷厳。対する玄丸は、達観した表情で、微笑んだ。


「骸ケ淵伯と相対し、殺されるなら、それまでの話、と―――――思っておりました」

小揺るぎもしない姿勢で、玄丸の目だけが動き、私を映す。

「いくら本体の一部が残っていようと、元のままの八重はもう戻らない。…どうだ、未だ、八重を追いたいか」


「追ったところで」

諦めた態度で、玄丸は視線を下げた。

「追い払われます」

「だろうな」

史郎は肩を竦める。私も心の中で、玄丸の言葉に頷いた。


八重は、そういう女性だ。


「いつか再び会えるのなら、胸を張っていたい。そのための武器を、奥方さまがくださった」

真っ直ぐ見上げた玄丸に、史郎は鼻白む。

次いで、虎一に抑え込まれた商人を一瞥―――――その時ようやく全員が気付いた。

先代元締めの真意を証言するために命を守られた彼は、既に気絶している。極度の緊張の中で、史郎と火滝の存在は、厳しかったらしい。


毒気を抜かれた表情で、史郎。



「次もアレに関わるなら、今回以上の覚悟を決めろ」


アレ―――――黒蜜。



「もとより」

そう言えば、今、史郎たちは、あの、石英を身に着けているのだろうか?

持っているのだろう。

でなければ、玄丸はともかく、総元締めを継承する小太りの商人が口を利けたはずがない。


だが、その彼でさえ、息も絶え絶えといった風情だ。史郎たちの威に、圧倒されている。思考がよく回っていないに違いなかった。


虎一が獣のように唸る。警戒に、ではない。歓喜で。

「神格に剣聖…食いでがありそうじゃねえか」

ほ、と火滝が感心したような息を吐く。


「活きのいいのがおるではないか」

わくわくと史郎へ目を向けた。

「主、遊んで良いか」


「遊びだとぉ?」

わかりやすい侮辱に、虎一の額に青筋が浮く。とたん。




「てめぇ、何度役目を忘れりゃ気が済む」

呆れ返った顔で、史郎。


「その短気で、何度取引がダメになったか」

こめかみを押さえ、玄丸。




それぞれの上役の言葉に、虎一と火滝が互いから目を逸らした。

「決着を見届ける前に、俺達には行くところがある。玄丸」


「は」

畏まる玄丸に、史郎は一言。

「屋敷を借りるぞ、いい加減、凜を休ませたい」

思わず、振り向いた。だって、史郎は、私を、と言った。なら。




お二人は、どちらへ。


尋ねかけ、危うく、口を閉ざす。

出すぎだ。直後。




ぐにゃり、視界が歪んだ。え、と思う間もない。崩れるように、膝から力が抜ける。

倒れこむ寸前、


「すまん」

耳元で、謝罪の声。史郎。次いで、ふわり、浮遊感。

「気遣いが足りなかった」


気遣い? 何の? よく分からないが、史郎に苦しそうな声を出させたのが私なら、このまま地面にのめりこみたいほど辛い。

「奥方さまは、いったい」

続いて、玄丸が戸惑いの声を上げた。平気、そう言いたかったが、言おうとするなり、気づいた。

身体が芯から重く、声を出すのすらきつい。


「昨夜、霊笛の君は」

火滝だけがいつもの調子で、



「霊力を空っぽにされてなあ」



ああ、そんなこともあったな。


他人事の気分で思い出す。だが、それがなんだというのだろう。

「はぁっ?」

不思議な心地になった私の耳に、虎一があきれ返った声が刺さった。



「待て、だったら普通の人間は、一か月は寝込むだろ」



…はい? 重い瞼を必死に上げながら、私は内心首をかしげる。

目覚めてからの状態を、よくよく思い出した。確かに、少し、身体は重かった気がする。蜘蛛蔵のところで目覚めた時から、思考が少し、鈍い。


だが、動けないことはなかった。よって、あまり、大事おおごとには考えていないけれど。

もしかして、状況は、よくないのだろうか。


「その女、さっきまでけろっと立ってて霊笛まで奏でたぞ?」


理解はできないが、虎一の口調からして、常識外のことを私はしてしまったようだ。

「霊笛の君の質は、巫女ゆえ、常人とは違う」

当たり前のようにのんびり応じた火滝に、虎一は絶句。



「黙れ、火滝」

突如、不快だ、と吐き捨てた史郎の声は、殴りつけてくるような迫力に満ちている。

私以外の全員が、反射みたいに背筋を伸ばしたのが分かった。

震えあがるような凄みをたたえたまま、史郎は淡々と言葉を続ける。


「昨夜の行動といい、貴様は俺の嫁をないがしろにするか」


「そのようなつもりは」

「貴様の言はな」

呆気にとられた火滝の言葉を遮り、史郎は畳みかけた。




「だから、凜にならいくらでも無理を課してもいいと言っているように聞こえるぞ」




火滝が、いっとき、沈黙した。少し、雰囲気が切り替わる。次いで、衣擦れの音。

「無神経の自覚はある。気に障ったなら謝罪しよう。すまぬ」

…火滝が、頭を、下げた?


ところが、何か、肝心なところを理解していない微妙な違和感がある。


単に、場を治めるためだけに謝罪を口にした火滝に、史郎は舌打ち。すぐ、頭を横に振った。

「…今は、責めてる場合じゃねえか。玄丸、凜を頼む」

「はい。では、屋敷へお連れ下さい。蛍をつけましょう」

打てば響くように、玄丸。史郎は頷いた。


「ある程度、夕刻には復調するだろう。その後、古戦場へ」


ふ、と史郎が言葉を止めた。私を見下ろす。なんだろう?

思う端から、気づいた。私の指先に、布の感触がある。


いつの間にか、私は、史郎の袖を引っ張っていたようだ。


邪魔を、したくはないけれど…重荷になるのは、もっと嫌だ。

この、ただのワガママを口にしていいものか、重くなる心を、言葉を促す史郎の眼差しが許してくれる。

震える唇を必死に動かし、喉奥から声を絞った。


「へい、き。わたし、す、ぐ」


回復できる。いつも、私はすぐ、気絶して、重荷になってばかりだ。今も。とたん。

「凜は道具じゃねえ」

史郎の返事は、端的だった。ただ。


短い分、鋭い。深いところまで刺さる。


「己の力、使いどころを間違えるな」

叱られた。これは、さきほど火滝に見せた怒りと同じものだ。


…本当に、私はいつも、間違えてばかりいる。


使われることに慣れて、誰かの役に立てるなら嬉しいとそればかりで、視野が狭い。

自覚なら、ある。私は、―――――幼いのだ。

しっかりとした芯のある大人なら、他の誰かの言葉で、簡単に揺らぐはずはない。自分自身はどうなのか、まず、それを見なければ。


落ち込みと反省の渦に沈んだ私を、それでも信用できなかったのだろう。

史郎は厳しく付け加えた。はっきりと、分かりやすく。逃げ道を、残さないように。




「少なくとも明日まで、霊笛を使うことは禁止する」




見透かされている。対して、思慮深い声で玄丸が呟く。

「奥方さまの体調を考えるなら、そうすべきですが…」

続きを、言い淀む。彼の、言いたいところは、理解できた。


私の力が絶対に必要、などとは間違っても思っていない。


けれど、史郎の言う通りにすれば、私は彼の手助けすらできなくなる。…なんとなく、力が抜けた。



私は、無力だ。



落ち込む私と反対に、火滝が気軽に口をはさむ。

「なに、それでも同席は求めるのだ。霊笛の君は、今回の場合、いるだけで意味がある」


いる、だけで。それが一番難しい。どうしても、何かできることはないか、とつい探してしまうのは、私が未熟だからか。


「おや、自覚がない?」

なんの、だろうか。火滝を見たかったが、視線を動かすことすら、もう難しかった。

「騒動の種となった未練たらしい片割れに、貴女だけが告げたのだ」


騒動の種―――――『髑髏を抱く男』?


のんびりした火滝の声に、既に結果が見えているような確信が満ちる。

「悲哀の過去に捕らわれた愚者に、現実を振り返らせる、言葉を」

言っただろうか? どんな言葉か自覚はないが、そんな、偉そうなことを―――――私、が?

まだ、頭がちゃんと回らない。しっかり考えようとする寸前、史郎がぴしゃりと言った。


「余計な情報だ。結果は時が来なければ分からない。今は、休め。―――――玄丸」


「はい」

あとは、早かった。

私を抱き上げた史郎が、脈動を渡ったのを感じたのが、しっかり意識できた最後の感覚だ。

空気感が変わった中で、布団に横たえられたのは自覚している。

史郎が無言で、名残惜し気に頭を撫でたのも。そして。



―――――…行って、しまわれた、のも。



きっと、すぐ会える。わかっているのに、史郎の不在が悲しくて、不意に泣きたくなる。

おかげで、幸か不幸か、うっすらと、意識は保っていられた。




その、夢現の中で。




足音を聞いた。シトシト、畳の上、私の枕元へ近づいてくる。一人分。

蛍、だろうか。思うが、…違うと確信できる。蛍の気配は強い。太陽のようで、見逃す方が難しい。けれど、今近づいてきているこの感じは。



物柔らかで、不思議と優しい…木々の葉擦れを思わせる、気配だ。


思うなり、記憶から一人の女性の姿が蘇る。

八重。



そう言えば、風脈の中にいた時、私の袖を引いたのも。

確信するなり。

微笑む八重が、見えた。奇妙な感覚だ。私は確かに目を閉じて、横たわっているのに。

枕元に座す、あかるい八重の表情が、はっきりと見えた。

そして。


―――――誰?


お手本のような姿勢で、悠然と正座した八重の斜め後ろ。ぎこちなく、それでもどうにか行儀よく座る少女が見えた。足音は、一人分しか、なかったけれど。

とたん、思い出した。


八重のことだ。

彼女は確か、本体の一部だけ、玄丸の手元に残っているはず。では。

彼女は、厳密には、死者では、ない。聴こえた足音は、ならば八重のもの。


そういう話ならば、…八重の斜め後ろに座る、少女は何者だろう。

死者、となれば。

はじめて見る…いえ? 気づいた時、私は軽く息を呑んだ。



似ていた。千華姫に。見れば見るほど、そっくりだ。



初見で気付かなかったのは、雰囲気がまるで違うからだろう。その少女に、千華姫のようなどこか浮ついた華やかさは欠片もない。


素直で純朴。自然体。小さな野の花のような、可憐さ。


八重は、何も言わない。ただ、にこにこと私を見ている。でもそれだけで、分かった。

用があるのは、八重ではない。

八重は、斜め後ろでぎこちなくうつむいたきりの少女を、連れてきたのだ。

…私に、用があるのは、彼女だ。


私の視線に、びくり、その細い肩が揺れた。ぎゅっと強く、少女の唇が結ばれる。

声をかけた方がいいのだろうか。思うなり。


どっと奔流に似た何かが、少女から押し寄せた。


光の膜に似たものを通して見えたのは、…もがく手。

土を掻いた指先が、不意に、誰かの足で踏みにじられた。


屈強な男を思わせる足だ。地面に埋まれとばかりに込められた力の下で、女性と見えた繊細な指がどうなったか、…目を閉じて、俯きたくなる。


その弱気を飲み込み、ぐっと私はその光景を見据えた。なぜなら。


これは、おそらく、記憶だ。八重の斜め後ろで顔を上げない、少女の。

何も語らない代わりに、彼女は記憶を晒している。


少女が何者で、何を望んでいるのか。

半ば察しながら、私は目を逸らさず、無言で語られる過去を見つめた。



お願い、助けて、助けて、―――――この子を助けて! 殺さないで!



声が、直に聴こえたわけではない。頭蓋骨に、ぐわん、と響いたのは、純粋な、意志。




彼女は、生きようとしていた。殺されかけながら、…そう、今、少女は殺されようとしている。




理解するなり、柘榴の言葉が、脳裏に蘇る。

―――――むくろが母―――――

柘榴は言った。死体が、母であったと。では、…では。



柘榴の母―――――この少女は、殺されたのか。寿命、ではなく。



私は内心、唇を噛んだ。よく、考えていなかった。柘榴の言葉の意味を。


殺された、可能性を…身重の女性を傷つける存在があることを、想像すらしなかった。できなかった。

どうすれば、それほどの悪意が生まれるのだろう。


見せられた記憶の中の、彼女は必死だった。自分を助けるためでなく、…腹の中の子を生かすために。

そのために、自身を痛めつける存在に対して、助けを求めた。


見上げた相手の表情は、南国の太陽の下、濃い影に覆われ、見えない。ただ唇が、無慈悲に呟いた。



―――――主命ゆえ―――――



声は、思考を放棄した虚ろさで満ちている。そのいで立ちからして、彼は、奴隷、に見えた。

まっとうならば避ける汚れ仕事を任されている状況からしても。

彼は抑揚のない声で続けた。


―――――一撃では殺すなと。じわじわ死ぬように仕向けろと。無力感に打ちのめされ、絶望してほしい、と…妹君はお望みだ。


刹那、頭の中の騒がしさが消失した。

残酷な話だ。自身の死が、我が子の死を招いてしまう。それを実感しながら死ね、と相手は言ったのだ。真に恐ろしいのは。…そんなことを、命じた相手だ。


だが、今、戦士はどこに行ったのだろう。少女を守る死者おとこは。どこに。



―――――お前の戦士が夜にしか活動しないという情報…正しかったようだな。



過ぎ去った、もうどうしようもない光景と知っていても、尚、焦燥が、私の腹の底を焼く。まだ、どうにかできるのではないかと思ってしまう。

けれど、もう届かないのだ。―――――救いの手は。


彼女を動けなくした奴隷の男が、ゴミの処理でも終えた、そんなどうでもいい態度で、背を向けた。去っていく。

おそらくもう、少女の存在など、記憶の端にも残っていない。


それでも、彼女は手を伸ばす。助けてくれ、と。


そう、少女の手は間違いなく、奴隷の方へ延びていた。それなのに。

気付けば、その手が、私の頬に触れ、




―――――本当ですか?




力尽きていく過去の少女が、千華姫と同じ顔で、なのに全く違う表情で、答えを縋る。

―――――本当に、産まれているのですか。わたしと、あの方の…。

ここで見えていたのは、ただの記憶。それがいきなり、私に直接つながり、…歪んだ。


答えるのは、簡単だ。だが、今、ここ、は。




相応しくない。




私は強く、目を閉じた。いえ、開けるべき?


だって私は、そう、今、横たわっている。

自身の今を必死に手繰り寄せる合間にも、少女の声は、追ってきた。

―――――わたしは、殺されたのに。懐妊のさなか、一族の戦士たちに、なのに…?

途中、悲痛な金切り声に変わる。



―――――わたしは守れなかった!!



百鬼夜行の最中耳にした、蹲って、動けなくなるような声だ。

酷い傷跡が目の前にある心地に、顔を覆ってしまいたい。だが、歪になった空間から飛び出す前に、伝えるべきことがあった。


からからになっていた喉から、ひきつれた声を出す。




「伝えに行きます。必ず」







ゆっくり休めない主人公…。

読んでくださった方ありがとうございました。

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