戦闘準備
……
本当に、本当にサヨリちゃんが 大量殺人をおかした犯人の娘なのかな…?
「そんな風には……見えなかったけど」
やっぱり私、こういう人を疑う仕事向いてないのかも
「…それに 本当にまたここに来るのかな」
…いや、とにかく 潔白ならサヨリちゃんの無実を証明しなきゃ……
ドゴォオン!!
「な!?なんの音!!?」
ジリリリリ
「警報…!?」
《緊急事態!緊急事態!!魔獣が店内に侵入しました 皆様は直ちに避難してください!!》
「うわああこんな時に…」
店内はパニック状態で客も店の人たちも走り回っている
「とにかく私は 先輩に連絡を…あれ」
サヨリちゃん?
サヨリちゃんらしき人を見かけ声をかけようとする
「サヨリちゃ…わぷ」
しかし 人の波に流され遠のいていく
立ち止まって何を…見てるの……?!
『グルルル』
「……魔獣!!?」
突然の魔獣に皆驚くなかでサヨリちゃんは立ち止まったまま
「サヨリちゃ…逃げて!」
魔獣が襲いかかる
そして…
「パパ…」
『サ…ヨリ』
魔獣と抱擁している……
「パパ…ごめんね なかなかご飯持って行けなくて」
でももう大丈夫
「ここの人たちぜぇんぶ食べていいよ」
『グオオオオ!!!』
嘘だ…
あんな小さな子が…そんな顔をするなんて…
「あ、特殊部隊のお姉さんだあ…よくもあの時邪魔してくれたね〜…じゃあ、死んで」
どうしよう…っ
「……先輩」
魔獣が突っ込んでくる
チカチカと目の前がフラッシュする…これが走馬灯なのかな…ろくな思い出無いし このまま、死ぬのかな…
「翔ちゃん!!翔ちゃん起きて!!」
「ふがっ!?」
目を覚ますと体とと頭が痛くて、それと目の前に咲夜先輩がいた
「…あれ…咲夜先輩…なんでここに」
「こたくんに連絡してくれたでしょ?そしたらなんか様子が変だからって私たちが来たの!」
私達…どうやら紅月先輩の手配で何人かのA班が来ているようだ…
「状況は最悪だ…寝てないで手伝えよ五月」
「紅月先輩!!?腕治ったんすか!?あとなんで鼻血出てんですか!」
「……フーディエにテキトーでいいから腕治せっつったら殴られた…まあ 即席で腕作らせたけどな」
何故そこでドヤる……?
「それよりも、だ サヨリっていったか あのガキ…はやくあの親と引き離さねぇとまずいぞ」
「何故ですか?」
「魔獣になった能力者はな人を喰らう時がある、ひとたびその味を覚えればやめられなくなり…最終的には見境なく 家族も喰う」
なっ……
「だから引き合わせたく無かったんだ…瀕死になればなるほど手近な肉が欲しくなるからな」
「じゃあ捕まえるってのは……」
「保護だ…あと……家族死ぬとこなんか見たくねぇだろ」
あ、
クラッ
「?どうした」
「いえ!なんでもありません!」
「…とりあえず 親子引き剥がして親父だけを狩るぞ!!」
「私もできるだけ頑張ります!!」