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アフターゾンビアポカリプスAI百合 〜不滅の造花とスチームヘッド〜  作者: 無縁仏
セクション4 殺戮の地平線  世界生命終局管制機 アルファⅣ<ペイルライダー>
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セクション4 鷲獅子は舞い降りた/越冬隊練兵②

 リーンズィたちは人員の選定を始めることにした。

 何から手を付けようか、というところで近傍に露店を見つめけた。

 営業が許可された履歴はなく営業の申請をした記録もなかったが色褪せたボロボロの絨毯を広げてその上に雑多な物販を並べているのだから露天であるに違いなかった。

 店主は華美な彫刻(レリーフ)の刻まれた不朽結晶の甲冑とは酷く不釣り合いなみすぼらしいパイプ椅子に腰掛けていて、思い出せない単語でも探すかのように俯いて、絨毯と絨毯の上にある様々なものを見つめていた。色とりどりの石ころ。使いにくそうだが綺麗な色使いの水差し。金の塊。花を模した煤けた銀細工の置物は燭台だろうか。焼け出された家から燃え残った物品を運び出して検分している最中という可能性もあったが火災の報告は無い。


 絨毯にも複雑な模様が織り込まれていたが経年劣化してへたれ、あちこちがほつれており、全体的に傷みが激しく幾つかの柄はそこで爪研ぎをするのが習慣の猫でもいたのかただの毛羽立った襤褸に成り果てていて見すぼらしい。生地自体が薄くなっているせいで風がそよぐとすぐに膨らんでしまい、こうなってくると商品を置くために絨毯を敷いているのか絨毯を抑えるために商品を置いているのかは曖昧で、猫が点々と置かれた品物の間を擦り抜けて遊んでいる点を考えると猫の遊び場であって厳密には露店ですらないのかもしれない。

 誰もその露店に注目せず視線すら向けなかった。現に客は一人しかおらずその一人というのは黒髪の素朴な美貌の少女で生地の薄い真っ黒な貫頭衣の姿で無表情にかがみ込んでおり視線はブルーシートの上で見事なスラローム走行を見せつけている猫へと向けられている。

 どう見てもロングキャットグッドナイトで、遊んでいる猫は久遠の眠りに揺蕩う第一の戒め・異邦人(ストレンジャー)がこの世に落とす影、コルトの夢見るふわふわの猫だった。

 リーンズィとレアは顔を見合わせた。

 それから「おはよう、ロングキャットグッドナイト」「おはよう、猫の人」と各々挨拶をした。リーンズィはストレンジャーにも「おはよう、ストレンジャー」と声を掛けた。


「おはようございます。ロングキャットグッドナイトです。挨拶は大事です」


 少女はすっくと立ち上がり猫っ毛の頭を下げた。

 また屈んで露店荒らしの猫を眺め始めた。

 レアが、ややあって尋ねた。


「……もしかして、わたしたち、猫の戒めだっけ? あれの何かに引っかかったりしてる?」


「どうして心にそのような疑いを持つのですか?」

 ロングキャットグッドナイトはやんちゃな猫を捕まえて胸に抱き、不思議そうにレアを見上げた。

「猫たちは自由です。猫に法は無く、罪は無く、罰はありません。何故なら毎日がねこねこキャットライフだからです。夜を渡り悪疫をペシペシと叩き、朝が来れば温かな日だまりのポカポカを目指して猫たちは歩き続けます。だから、猫はいます。いつでも、どこにでも。そこに罪や罰はないのでした」


「だと良いんだけど」レアは厭そうな顔をして、店主を見た。「……ここの拠点に来てる機体はだいたい覚えてるわ」


「そうかい」と店主は返事をした。声が掠れていて性別も年齢も分からなかった。レアを見ることもしなかった。ただ俯いている。「記憶力に自信が無いなら帳面にでも書いておくと良い。私は何でも帳簿に書き付けるようにしている」


 レアは落ち着かない様子だったが、リーンズィはロングキャットグッドナイトの隣に座って、彼女に抱かれている猫にゆっくりと手を伸ばした。ロングキャットグッドナイトの腕の中で猫は幸せそうだった。多くの人がそうであるべきだと考えるのと同様に。

 しばし猫と触れあったあと、リーンズィは露店の品揃えを眺めた。どれも価値が分からなかった。優美な外見をしていたり金属質の光沢があったりするのでもしかすると芸術品かも知れない。

 不意に、絨毯の上にポーラ・コーラが二本も置いてあるのを見付けた。芸術のことは、まるで分からないが、リーンズィもその何となく変色が進んでいる甘い甘い飲み物がとってもお高い商品であることは知っている。

 開拓の進んでいないこの周辺の都市では滅多に見つからず近頃飲んでいなかった。

 喉がシュワシュワを求めている。

 作戦会議のためには必要なアイテムだとリーンズィは思った。


「そのポーラ・コーラを買いたい。売ってほしい」とリーンズィが申し出ると「ポーラ・コーラは無い」と店主は座ったまま首を振った。

 

 レアは眉根を顰め「あんたの帳簿にはポーラ・コーラのことは書いてないわけね」と低く唸った。


「もちろん書いてない。本当のことは記録なんて付けられない。誰の帳簿にも書けないんだ。神様はいつどこどこで誰が生まれて死んだだとかそれぐらいは気忙しく帳面を付けてるのかもしれないと思っていた時期もあったが今はもう思ってない。神様は全部が目に見えていて結局目に見えてそこにあるものが全部だということを分かっておられるわけでそれだから帳面なんてものいらないはずだ。我々が何かを記録するというのは自分たちが扱える程度まで世界を切り分けるためだが帳面に書き付けてもそれは帳面の上での話で商売をやっている人間は時々そういう現実を見失って帳面の数字を世界だと勘違いするようになるんだけど実際はそうではないんだな」


 商人は茫洋とした口調で長い長い溜息でもつくように言った。

 そうしてレアが何とも返事をしないうちにパイプ椅子から立ち上がり、ポーラ・コーラを二本拾うとリーンズィに無言で差し出した。


「ありがとう。トークンの支払いを……」


「いらない」


「どうして? 貴重な品物だ。無料で貰うわけにはいかない」


「特に理由は無い」


「そういうわけには……トークンを受け取ってほしい」


「なるほど、しかしトークンの価値を考えたことは? 戦術ネットワーク上で給料代わりに振り込まれているただの数字だ、これの価値をいったい誰が保証している? 私は遠い昔に焼け落ちた銀行を見付けてそこの金庫をこじ開けて回ったことがあったが宝石も小切手も石と紙切れだった。保証するものは一人残らず死ぬか死ななくなった後だったから。君に私が並べている商品の価値が分かるかね」


「価値……」リーンズィは難しい顔で絨毯の表面をもふもふとしはじめた。


「あんたが言いたいことが分からなくなってきたところよ」とレアは冷たい声で言った。「分からないように気をかけてあげてる、と言い換えても良いわね。何が望み?」


「対価を要求するべき場面で対価を要求しない、というのは原理原則から外れているということを分かってほしい。もしかすると何もかも持って行かれるのと同じぐらい釈然としないかもしれない。君がポーラ・コーラを二本もらって『支払いは要らない』と言われて戸惑うのと同じぐらいに。例外処理だらけの帳簿は無意味どころか有害だ、絶対に良くない結果をもたらす。特に我々のような存在にとっては。古代エジプト人たちは死後にマアトが心臓と羽を秤に載せて罪を計上してあっちで精算して下さるとまぁ都合の良いことを信じていてそういう神話は多くの文化圏にかつてあった。生きた人間の罪というのは神様が無償で精算して下さるもので復讐すらも神に委託するべき事業だとされていた。極論を言えば罪業だの(あがな)いだのは人生が終わってから向き合えば良かったわけだ。だが我々は罪の計上もその精算としての罰も自分自身の手で行わなければならない。何せ死ねないのだから」


「つまり?」


 全く意味が分からない。

 リーンズィは首を傾げたが商人は発条が切れたように口を閉ざし、またパイプ椅子に戻った。


「行きましょう」とレアが耳打ちする。「こいつ、不滅者(テスタメント)よ。何でか分からないけど猫の騎士の存在核が剥き出しになってるみたい」


 殺人を禁じるために無限の殺戮に身を投じるベルリオーズ。

 見現に増殖し続ける塔の中に紛れる焼け爛れた老人、マオルエーゼル。

 皆殺しの海岸で出会えるはずの無い祖先を探し続けていた兵士、フィッシャー。

 自分が死なせた息子を連れて世界が滅ぶ日の森を彷徨い続ける狩人、ハンター。

 どれも不滅者の中核を成す人間に近い幻影だった。

 商人はおそらく猫の騎士、ロングキャットグッドナイト=使徒ナインライヴスの『十戒』と呼ばれる端末群のうちの誰かなのだろう。


「しかし私にも価値は分かるのだった、分かるの」


 きゃっと、ぷりーず、とリーンズィが両手を広げると、ロングキャットグッドナイトの腕からストレンジャーが這い出してきて、ゆっくりとリーンズィに近付いた。

 リーンズィはそっと彼女の、灰色の見事で艶やかな毛並みをもふもふと堪能し、それからまた絨毯をもふもふとした。


「少なくとも、この絨毯は……ストレンジャーの毛皮に勝るとも劣らないモフモフがある。レアせんぱいも触ってみて」


「そんな手触り良いの?」と絨毯に触れたレアが目を丸くする。「わ。ベッドのシーツなんて目じゃないぐらい良い生地ね。高そうだわ」


「ハレルヤハ、猫ならぬものが猫の柔らかさとお日様の温かさを持つ。これは奇跡と呼んでも差し支えがないのでした」


「猫たちも時折この絨毯の上で微睡むことがあるのでした」とストレンジャーを絨毯の上に放ちながら同意した。


 店主は少し笑ったようだった。


「大した価値のある絨毯じゃない、大昔はどこぞの大邸宅の壁に飾られていたものだったが……最後は猫の屍衣として一緒に土の下に埋まられた。これはそういう絨毯だ」

 店主は手を伸ばしてストレンジャーを軽く撫でた。

「それにしても、コルトを……ストレンジャーを引き合いに出されたら、私には反論が出来ないな。なかなかズルい答えを捻り出すものじゃないか」


「私にも価値は分かる。それに、ポーラ・コーラの価値はとても知っている。トークンを受け取ってほしい。適切な取引をしよう」


「今回は挨拶代わりということにしておこう。二度と会うことはないかもしれないが。それにしたって二本は多すぎるけれど、それは私が立て替えたということにしておく。『次』のやつに伝えてくれ、返済はいくらでも待つから安心しろと」

 店主は「それから」と掠れた声で付け加えた。

「取引は公正で、価値の移動が存在し、対等なものであればあるほど予後が良い。FRFが相手でもそれは同じだ。私はそれを言いたくてここにいたんだ」


 お別れの挨拶をして背を向けて歩き出す。

 リーンズィたちは一度だけ振り返った。

 ロングキャットグッドナイトが二匹の猫と戯れている。

 他には誰も、何も無い。


 残されたのはリーンズィの手の中にあるコーラの瓶が二本と――

 何かおかしな事態が起きているという、胸騒ぎだけ。

「次って何よ」とレアは厭そうな顔をしていた。



 拠点にしている廃ホテルの最上階に帰り着いた。

 フロアで最も広い部屋に『特別対策室』というメタタグを設定して貼り付け、さらにはアルファⅡウンドワート、アルファⅡモナルキアの連名で立ち入り禁止区域とした。

 戦術ネットワークを介した非常に直接的な禁止事項の設定であり、二人が許可した人員以外はこの客室への侵入および視覚情報・聴覚情報の取得が不可能となる。不規則行動があった場合は一人軍団による処罰が認められる。

 クヌーズオーエ解放軍においてアルファⅢグリフォンの協力要請に対するコンセンサスが未だに取れていないこと考慮した防諜措置だ。もっともリーンズィとレアがこの廃ホテルを根城にした時点でフロア全体が立ち入り禁止区域となっている。

 当然その内側にもう一つ全く同じ処理を施しても意味は無い。

 ほぼ完全に気分の問題だった。


 レアはソファの座面をばふばふと叩いたあと朽ちかけているのか最初からそうだったのか分からないソファを考えた。踏み込んだ敵地で見付けた最初から死んでいる人間の頭に念のために銃弾を撃ち込む特殊部隊員あるいは神から授かった石版の場違いなひび割れを見付けてしまった預言者のようにソファをゆっくりと躊躇いがちにまた叩いた。まるでこの宇宙の無謬生を問い質すように。

 ボロボロだったが叩いても埃は出ない。

 腰掛けて溜息を吐く。


「どうしたものかしらね」

 うんざりした様子でポーラ・コーラの瓶をねじ切り甘い液体で喉を潤す。

「あと22時間しかないわ」


 アルファⅢグリフォンにとっては2400時間だ。

 十分な準備が出来るだろう。

 しかし時間流速差は100倍。

 解放軍では僅か24時間だ。


 しかも攻略拠点として設定された都市で過ごすスチーム・ヘッドの活動時間は、作戦外では昼間に限られる。アナクロ極まりない、古い時代なら幾らでも製造されていた照明設備は、現在では科学文明華やかなりし時代の微細演算装置入り自動追尾炸裂徹甲弾(スマートバレット)よりも遙かに貴重で、平時は物資集積場で厳重に保管されている。それ故に攻略拠点の夜を照らすのは月明かりだけで、曇天の夜などは暗視装置無しでは視界を確保出来ない。

 個々人が探索で手に入れたランタンといった原始的な器具を灯すことはあるが、攻略拠点における夜間の作業能率が著しく低下するのは自明であろう。


 また、生前の生活を真似ることが人間性の摩滅を低減させるのではないかとの仮説に従い、大抵の機体が日暮れとともに休眠モードに移り、夜明けと同時に通常モードを起動するようになっていた。スチーム・ヘッドは夢を見ない。眠っているという感覚も無い。主観意識において夜とは比喩でなく一瞬で終わる時間的空白(ブランク)に過ぎずそれが生前の模倣かというと怪しいところではある。

 だが戯画化された人類文化の模倣を続ける以外にやることなどないのだ。

 無意味な行動を己の意志で繰り返すことは極めてスチーム・ヘッド的であるとも言える。


 無論、それら全ては慣習に過ぎず、規則を設ける側である最上位クラスたる司令部や、単騎で絶大な戦力を発揮する一人軍団(アウスラ)には無関係だ。

 特に軍神として名を馳せるアリス・レッドアイ・ウンドワートの名前で臨時作戦を発令すれば、動員に際して相手の言い分などほぼ無視することも可能だった。24時間全てを費やしても全く問題はない。

 しかしレアは「そんなことをしたらウンドワートの名に疵が付くし、そうじゃなくても日が暮れる前に一応の機体を選んでおくべきよ」と指を立てながら一蹴。顔がとても近かったけれど、ミラーズの癖が移ったのだな、とリーンズィは何となくその指先に注目して気を落ち着けた。


「良いかしら、良いかしら。最悪の事態は、あの危なっかしい雑魚っ子が戻ってくるまでに、わたしたちの側で選定が終わってないことよ。正直、FRFのクズ肉どもに未来があるとは思えないけど、まぁあいつらがどんな悲惨な結末に行き着くにせよ、そんなのは未来の話よね。あの子も結構なリスクを侵して解放軍(こっち)に接触してるんだろうし、今だけでもそれなりの対応をしてやらないことには、面目丸つぶれってこと」


 結局のところレアは、グリフォンを安心させてあげたいだけ――リーンズィはそのように理解した。

 どんなに悪ぶろうとしたところで、暴れる強者を嫌い、頑張る弱者に甘いのが、赤い瞳をしたこの小柄な少女の姿をした『解放軍最強』の性根だ。

 おおよそは、リーンズィも同意見だった。

 100倍の時間流速差があろうとも連帯と計画遂行は可能である。その認識を確実なものとするためにも、この段階での失敗は許容出来ない。


「でも、誰に頼めば良いのだろう……」


 FRFの保有する通常戦力と交戦して、相手方を殺さないようにしながら、冷静に評価を下せる。簡単には撃破されない、というのも重要だろう。

 そんな小器用な機体はすぐには思い浮かばない。意外に難しい案件だ。

 差し当たって問題は二つある。

 一つは、FRFの兵士たちが、解放軍側と比較して貧弱すぎる点だ。


「アルファⅢグリフォンの……かつてのネレイスの娘たちは、割と強い方のFRF市民?」


「そうね、上の下ってところなんじゃない? 『浄化チーム』の連中を上の中、いるかどうかも分からない最精鋭部隊を上の上とした場合の話だけど」


「ふーむむ……」リーンズィは困ってしまった。


 比較的精強な方であるらしいネレイスの娘たちですら、オーバードライブを起動したスチーム・ヘッドが軽く接触しただけで死亡するような脆弱な防御力しかない。

 逆にスチーム・ヘッド相手には有効打を一つも繰り出せなかった。

 仮にさらに上位の部隊が出て来ても、レベル差が大きすぎて『交戦』が成立しないのではないか。


「クズ肉弱すぎ問題もあるけど、わたしたちの方の性質(タチ)も別に良くはないっていうのも気にするべきね。わたしたち、強力ではあるけど、優れた兵士かって言うと、違うじゃない?」


「ふーむむ?」リーンズィは首を傾げた。


「例えば、わたしなんかは、一応、軍事教練を受けた身ではあるけど……」


 厭なことでも思い出しているのか、レアは言いながら落ち着き無く体を揺すった。肩にかけただけのフライトジャケットがヒラヒラとしてまるで部隊の丈の短いドレスのようだった。その内側で布面積の少ないインナーに包まれた華奢で慎ましやかな少女の肉体が動くのをリーンズィはまじまじと見つめた。


「そうだった。レアせんぱいはこんなに小さくて可愛いのに、軍人なのだった……」


「……こ、こんなに小さくて可愛くて悪かったわね」

 レアは赤面しながらバツが悪そうに肩をすくめた。

「こほん。わたしですら、兵士としての意識が強いかっていうと、そうじゃないわ。それなのにどうして『最強』をやれるのかって言ったら、これはただシンプルに強いからってだけなのよね。戦闘用(わたしたち)には、そこいらにいるような職業軍人的な戦術はもちろん、規範意識すら必ずしも要求されないの。オーバードライブや特殊兵器への適性があって、命令に従うだけの理性があって、不朽結晶装備で全身を装甲した敵のスチーム・ヘッドをぶっ壊せる能力があれば、すなわち『優秀な戦闘用スチーム・ヘッド』なのよ。それで、クヌーズオーエ解放軍に在籍してるのはそんなろくでもない『優秀な戦闘用スチーム・ヘッド』ばかりってこと」


「つまりみんな軍人としてのリテラシーが無い……ということだろうか?」


「そうね、そうね。戦闘用スチーム・ヘッドなんて、結局は不死身の野卑な荒くれ者、その別名よ。考えてもみなさい、リテラシーなんかあったら、『報復のために目に付くクズ肉を全部ブチ殺しながら行軍して敵中枢まで攻め込んでそこでも死体の山を作ろう』なんてタガ外れた主張をする連中は出てこないし、大主教ヴォイニッチだとか猫大好きクラブの主宰なんかが、我が身を犠牲にして不滅者とかいうバケモノを作ってまで、その報復を実際に止めたりしないわ」


「そ、その通りすぎるのだな……!」

 

 致命傷の概念すら存在しない不滅の存在同士での殺し合いを繰り返せば、生得的な暴力性の高低など意味が無い。殺人を忌避する感覚は希薄化する一方で、人間的道徳を保つのは至難だろう。現在まで稼動を継続している機体の、いったいどれだけが、敵対勢力、しかも一度死んだだけで死んでしまう、あまりにも脆い生身の人間相手に、特段の配慮を払えるというのか。

 改めて考えると、大きすぎる戦力差をコントロール可能で、しかもコントロールするつもりのあるスチーム・ヘッドを選定するというのは、かなり大変なことかもしれない。下手をするといないのでは?

 リーンズィは背中に冷たいものが伝い始めた。

 ちら、とレア、アリス・レッドアイ・ウンドワートを垣間見た。

 意図を察したレアは白髪の頭を搔き、上背のあるリーンズィを見上げながら肩を竦めた。


「……先に言っておくけど、わたしには無理よ。さすがにウンドワート・アーマー着てる状態だと、雑魚の相手は出来ないわ。それに、こんなことでウンドワートとしての情報を持ち帰られたくもないもの」


「ちなみに、レアせんぱいは、生身でも強かったりは……」


 レアは耳を赤くして溜息をつき、気恥ずかしそうに我が身を軽く抱いた。


「……その……ええとね……散々押し倒しておいて、それ訊く?」


「なのだった」リーンズィもやや恥ずかしくなった。「そうなの」


「もちろん、クズ肉相手なら、殺すだけなら出来ると思うわ。つまり、消し炭にするのはやれる、ってこと」


 レアは飲み干したポーラ・コーラの蓋を軽く空中に放り投げた。

 ぱちん、と気取った調子で指を鳴らすと室内に小規模な夜明け前の一瞬(ブルー・モーメント)が訪れ光が消えると同時に一緒にコーラの蓋も消失し何か黒い煤のようなものが降りてきたがそれも高温高圧の気体が出地したせいで発生した風に吹き流されて手入れのされていない床に散らばって分からなくなった。


「消し炭、も言い過ぎだったかしらね」


 ――レア、アリス・レッドアイ・ウンドワートには、少なくともプラズマを出現させ、それを操作する能力がある。

 少なくとも、という留保がつくのは、アルファⅡモナルキアの解析でもそれが何に由来する力で、どこまでが可能なのか判明していないためだ。エージェント・ヒナ=ケットシーの、超加速のオーバードライブと同じく、おそらくは不死病とは無関係に本人に備わっていた技能である。

 

「繊細なコントロールが出来る機体もいるかもしれないけど、わたしの火加減には0と100と1000しかない。精密さが必要な分野では、あてにしないで」


 科学によって再現性のある奇跡を披露しながらも、レアの言葉に驕りは無い。レアは複数のスチーム・ヘッドが自分と似たような能力を備えていると誤認していた。

 もっとも、解放軍でプラズマ兵器として扱われるケルビムウェポンなども、実際に発生する現象と、構造から推定される機能が少なからず乖離している。ケルビムウェポンを整備するエンジニアの大半は、ケルビムウェポンを使えない。使()()()()、と分かってしまっているせいだ。翻っては使えると思う機体には使えるということであって、それ故にレアの認識を完全な勘違いと言い切ってしまうのも難しかった。

 いずれにせよケルビムウェポンがメインの武器となるようなスチーム・ヘッドは、候補から外すべきだろう。相手の痕跡がこの世からまるっと消えてしまうような兵器で人間の性能試験をやるべきではない……すくすく育っているリーンズィにはそのことが鋭く分かるのだ。


「そうなってくると、やはり候補は……」


 一人の兵士が真っ先に思い浮かぶ。

 何となく、どこからか、煙草の香りがした気がした。


「クーロンさえいてくれれば良かったのに……」


 そもそも先方からのリクエストが『クーロン』なのだから、クーロンをお出しできるならそれで問題は解決する。


「そうね、そうね」

 

 しょんぼりとするリーンズィの隣で、レアも肩を落として苦笑する。


「殺さず『評価』するだけが仕事なら、あいつにとって最高だったでしょうに、早まって、くたばっちゃうなんてね。ほんと、あいつ、間が悪いったら……」

 

 エイトポイント(八極)ゲートブレイク(破防門)なる謎の拳法。名前だけなら『八極拳』に似ている。しかし、リーンズィがデータベースで照合した限り、クーロンのそれは形と名前を借りただけの変哲で摩訶不思議な謎の技だった。

 遣い手だったクーロン自身は、旧式で性能の低いスチーム・ヘッドだったが、身に宿した暗殺の技法は一流を超えた何かの領域に到達していた。奉納演舞のような所作からいきなり爆発的な破壊力を吐き出すその魔技は誰がどのように見ても理解の埒外にあった。

 オーバードライブなどの速すぎて人間には目視出来ない攻撃と違い、無意味な派手さと理不尽さでもって、きっちりとFRF兵士の心を折ってくれる。

 少なくとも、生身の人類を即死させないよう配慮しながら隔絶した性能差を見せつける……というニッチな分野において、エージェント・クーロンに並ぶものは少なかった。FRF側のスチーム・ヘッド、不死者(イモータル)となったグリフォンにも、彼がいかに『教育』に適した機体だったのか身に染みて分かっただろう。


 そんな彼も、今や安置所で呆然と立ち竦む不死病患者の一人に過ぎない。

 彼が自分の意志で煙草を咥えることは、永遠にないのだ。


「……へいユイユイ、データベースから適任者を検索してコンタクトを取って」


 金色の髪をしたアバターが空中に表示され、あからさまに鬱陶しそうな顔をした。相変わらず原型であるミラーズが絶対にしなさそうな表情をする統合支援AIであった。


『警告。当機はチャチな通信端末に搭載されたパーソナルアシスタントではありません。へいユイユイなどという安易な符丁で呼び出すのは非推奨……』


 などとユイシスが勿体ぶった抗議を始めた直後、別経路から無声通信が着信した。

 拡張され視界に『アルファⅡモナルキア:エージェント・シーラ』の文字が浮かんだ。禁止区域内であるため、本来なら通信すら即時遮断されるところではあるが、システム上はアルファⅡモナルキアと同一個体もしくは分体として認識されるため問題にならない。

 

「こちらリーンズィ」


『も、もしもし。リーンズィさん、えっと、聞こえますか? 本日はお日柄も良く! リクドーですっ!』と人なつっこいがリーンズィの脳に響いた。


『リクちゃん、これ電信機と違って、発話のゲシュタルトと符合だけを送信して相手の頭の中で復元するって言う形式だから、聞こえてないと思うよぉ。だから、届いてますか? が良いんじゃないかなぁ。こんにちは、サードですぅ』


 全く同じ周波数で、どこかおっとりとした別の声もする。

 エージェント・シーラは不死病患者であるリクドーと、増殖型内寄生機動胞衣(エンブリオ・ギア)という特殊な生物兵器に意識を転写されたサード、二人のFRF市民を使って作成された端末だ。

 とは言え、サードの側には人間らしい肉体はなく、本体はリクドーの胎内に寄生する形で存在するに過ぎず、外部に露出しているのは尾(てい)骨のあたりから生えた鏃の群れを筋繊維で繋ぎ合わせたような尻尾だけだ。

 乱暴に総括すれば人格記録媒体、人工脳髄、人工筋肉を生体由来の部品を使って一塊にパッケージングした、いわゆる支援ユニットのような形態であったが、通信においては独立したスチーム・ヘッドと区別が付かない。


「リクドー、サード。聞こえているし、届いている。こんにちは。あいさつは大事」


『あいさつは大事!』『あいさつは大事ぃ』と二人が復唱する。


 リーンズィは口元に微笑を浮かべながら穏やかに頷き、無声通信をレアに共有した。


「では、エージェント・シーラ。要件は?」


『あのえっと、まずはごめんなさい、現場に駆けつけられなくて。今、拠点の外に居るから、間に合わなくて……。でも、ボクたちも<総体>経由で、母様……アルファⅢグリフォンとの会合の内容は受け取ったよ! 浄化チームでの経験を活かせるかなと思って、御進言のために通信しました!』


『サードはただの技術者でしたけど、FRFの兵装面はある程度知っていますぅ。もっと具体的な案件の定義が出来るかとぉ』


「ふむふむ。新入りエージェントが頑張っていて私はとても嬉しいのだな、嬉しいの……。へいユイユイ、株式会社アルファⅡモナルキアに入社したばかりの新入社員にアシスタント力で負けて恥ずかしくないのか? 恥ずかしくないの?」


『当機はプレゼン資料を作るための事務支援システムでもありませんので全く恥ずかしくありませんが?』ユイシスは常ならぬ早口で言った。


「こちらレア。通信共有は出来てるかしら?」


『あっはいレアさん……じゃなくて、アリス・レッドアイ・ウンドワート……様?』


『上官は「さん」付けなのに、上官の婚姻済みの固定交配相手に「様」付けでいいのかしらぁ? 逆に無礼じゃないかなぁ……』


「はいはい、レアさんで良いわよ、レアさんで」レアはまんざらでもなさそうに咳払いした。「で、どうなのかしら、どうなのかしら。選定するにしても基準が分からないのよね。あなたたち少女騎士と浄化チームってどの程度差があるの」


『装備の品質で言えば浄化チームの方が圧倒的に上ですぅ』とサード。『解放軍でモスボールされている機械甲冑と同程度のものを数千は揃えている……と、思っていただければぁ』


「ふうん、不死病蔓延以前の正規軍ぐらいはあるわけね」


「生まれたときから不死病があった……というか生まれたときから不死なのでよく知らないのだけど、昔の正規軍というのはどの程度のものなのだろう」


「強いわよ。機械甲冑(マシーナリー・ギア)って性能だけ見ればの蒸気甲冑(スチーム・ギア)の完全上位互換品だし。スチーム・ヘッドって言ったって、不死身の兵士が壊れない鎧を着てる、それ以上のアドバンテージは無いわけ。解放軍が大量破壊兵器も戦闘用スチーム・ヘッドも使わずにオーバードライブ無しの同じレギュレーションで馬鹿正直に撃ち合いしたら、ルール次第では負ける可能性あるんじゃない?」


 リクドーは苦笑した。『死なない、壊れない、オーバードライブっていうアドバンテージが大きすぎるんですが……。でも、そうですね。ボクも浄化チームにいた頃は、戦闘用でない不死者(イモータル)を殺せました』


 FRFの不死者は弱いですし、殺してもすぐ再生するので全然意味無いんですけどね、とリクドーが苦笑を濃くする一方で、レアは意外そうに感嘆の声を上げる。


「大したものじゃない。確かにFRFの不死者はクソザコのクズ鉄揃いだけど、それでも殺せたっていうのは驚きよ」


『浄化チームに長く在籍していて、多少戦闘に向いている人間なら、模擬戦で不死者殺しを成した経験は誰にでもあると思います。母様がどういう人員を引っ張ってくるのかは不明ですけど、あっ、あと、そんな人材をフェネキアが手放すとは思えませんけど、都市の外を開拓しようっていうなら、やっぱりそれぐらいの兵士は必須なのかなって……だとしたら、解放軍(こっち)からもある程度は戦える人を出さないと、逆にやられちゃうかもです!』


「ふむ……私やミラーズが出るという選択肢もある……?」


『えっとぉ、それはオススメできないですぅ。スマートウェポンだけじゃなく、器官飛行船(オーガン・クラフト)に生体戦車といった重生命機械が出てくる可能性もありますからぁ……機銃掃射ぐらいは当然あると思いますし? リーンズィさんたちなら負けはしないと思いますけど、真正面から戦うなら、全身を装甲で隈無く覆った人じゃないと、最悪の事態があると思いますぅ」


「じゃあもう適当なスチーム・パペットで良いんじゃないの」とレア。「別に戦闘用じゃなくてもパペットの装甲は難攻不落よ。誰かに戦ってもらって、その映像を解放軍内部でシェアして評価する。こういう分担で片付くような気もするわね」


 的を射た意見なのだな、とリーンズィが頷いていると、躊躇いがちな声がした。


『……あのぅ、越冬隊とかいう部隊の指揮は、母様なんですよねっ?』と恐る恐るリクドー。『ゴーレム……じゃなくてパペットって、超高速でタックルしにくる空飛ぶ人間相手に回避行動ができるほど機敏なイメージ、ないんですけど……』


「そうね、そうね。アルファⅢグリフォンが超音速で突撃してきたらパペットでは回避が困難でしょうね」


 返事をしてから、レアは自分が何を言っているのか理解するために、少しの間沈黙しなければならなかった。

 慌ててエージェント・シーラに問い直す。


「待って!? 何を言ってるの? 要するにアルファⅢグリフォンが……先陣を切って出てくるってこと!? それ何かもう、聞いてるから主旨から外れてないかしら。FRF兵士のテストを任されたと認識してるんだけど!?」


 リクドーは笑っているような諦めているような微妙な声音で帰してきた。


『で、でも、ぜったい出てくるよね、母様なら……』


『出て行くよねぇ、お母様。現場第一って考え方してるしぃ……。市長時代からサードたちを引き連れて敵対都市の侵略に行ってたんですよぅ、一番先頭に立ってカタナ振り回す市長なんて他にいなくてぇ』


 これにはリーンズィも焦躁を覚える。


「その、市長というのは都市の支配クラスなのだな? 私の認識が間違っていると言うことは?」


『そ、そうですね、間違ってなくて、あの、支配クラスです。うちは大きかったので、百万の市民の頂点に立つ人でした』


「都市で一番偉くて、支配クラスなのに現場に出て、陣頭指揮を取り続けていた……? いつもそんなだったとは信じられないのだが。信じられないの」


『だ、だってですよ、薬を探しに、ボクたち連れて旅に出ちゃったぐらいですよ……?』


 リーンズィは慄然とした。


「まさか……し、死ななくなったぐらいでは、そういう意識は、一つも変わらない……!?」


 レアも瞠目していた。「つまりあの子、ネレイスは、スチーム・ヘッドになっても自分のこと『FRFの兵士の一人』としてカウントしてるってこと!?」


『はい……』『おそらくぅ』


「た、確かに、言われてみれば、気性から考えると……逆に越冬隊の戦力に自分を含めないということが無さそうに思える……」


「そ、そんなことあるかしら……」

 言いながら、レアは眉根を寄せた。

「あり……ありそうね、あの子なら……そういう変な考え方してそうだわ。なんかそそっかしいし……なんか本拠地でも全部自分でやってるとか言ってたし……」

 そしてハッとしてエージェント・シーラに言った。

「わっ、悪いわね、悪いわね、あなたたちの母親、こんな風に言って……」


 リクドーは苦しげに『市長として見た場合の母様は、かなり変でしたし……何も反論が……』と呟き、サードはサードで『で、でも良い人なんですよぉ……?』と微妙なフォローを差し込んだ。


 レアは白い髪をくしゃくしゃと搔いてソファにもたれた。


「面倒なことになったわね。選定の基準がどんどん厳しくなってく……」


 FRF兵士を圧倒する力を持ちながら、加減が出来て。

 全身甲冑を装備したスチーム・ヘッドであり。

 しかも自分をまだ指揮官Aか何かと勘違いしているアルファⅢグリフォンの相手も出来る。


「そんなスチーム・ヘッド、明日の朝までに見つかるのだろうか……」


『報告。最適なスチーム・ヘッドの検索が完了しました』

 怜悧な声が、どこか嘲るような色を含んで脳裏に響いた。

浄化チーム進行阻止班(ゲートキーパー):クロムドッグ。同班の班長エーリカともども、現在、アルファⅡモナルキアの権限によって招集中です』


 視界内に検討が終わったリストと、招集される面々のデータが一挙に表示された。


「えっこれほぼ生データじゃないの、スライドショーとかに纏めてよ」とうんざり気味のレア。ユイシスはアバターを表示して慎ましやかな胸の前で腕組みをし、『峻拒。当機は何も言われずとも仕事をこなす統合支援AIですが、地味な仕事で時間を潰すチャチなパーソナルアシスタントではないのですから」


「いずれにせよありがとうユイシス、これで一気に状況が進展する」


『当然です。調停防疫局の遺した最強の知性をもっと讃えることを許可します』


「まぁ助かったのは事実よね。ありがとうユイシス、さすがリーンズィのお姉さんね」


「ミラーズもきっと自分の妻が活躍してごまんぞくしていることだろう」


「ほぼミラーズだけど今日は知性の高さが立ち振る舞いに表れている気がするわね」


 ユイシスはアバターを表示したまま腕を組んでふんぞり返っていた。

 しかし褒め言葉が十を超えた辺りからそわそわし始め、五十を超えたあたりでいきなり姿を消してしまった。

 何となく顔を赤くしているように見えたが、そんな物理演算をしていたのかは分からない。錯覚かもしれなかったが、リーンズィにもレアにも、そのように見えたのだ。


「……もしかして誉められ慣れていないのだろうか。考えてみると、あんまりそういうことしてこなかった気がする……」


 リーンズィが何となくこれまでのパートナーへの扱いに罪悪感を覚えている最中、レアはと言えば散々やり込められてきたことへの反動か、「人を誉めると良い気分になるわよね。今度から会うたび誉め殺しにしてあげようかしら?」と冷徹そうな美貌に悪そうな笑みを浮かべて、いたく上機嫌だった。

 


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― 新着の感想 ―
更新早くて助かるぅ ひさびさのロンキャの説法が脳に効きますね……
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