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アフターゾンビアポカリプスAI百合 〜不滅の造花とスチームヘッド〜  作者: 無縁仏
セクション4 殺戮の地平線  世界生命終局管制機 アルファⅣ<ペイルライダー>
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番外 いろいろスチーム・ヘッド その3ぐらい? 番外編の仲間たち

・番外編、何だったの?


 これには深くなく、極めて浅い事情があり、「アズール・ミレニアム・ファクトリーのスチーム・ヘッドたちにも人生があったのだなぁ」とぼんやり考え始めたのと、あと他の人の活動を見て「集中的に連続更新するの楽しそう! やるとどうなるんだろう」と思って、そのようにした。やってみてどうなったのかいうと、特にどうともなりませんでした。

 あと「近頃忙しいし疲れているので楽がしたい。ダダーッとやって適度に割って更新したら楽が出来るのでは?」と絵に餅を描いていたが、別に楽でもなかった。ままならない出来事の連続体を人生と呼ぶのだな。まぁさすがにポッと出かつ今後出てくるかどうか分からない人々の過去話を何週間もやるのはアレだったし。短期で終わらせられたのは収獲では。散歩の途中で拾ったどんぐりみたいな収獲だが……。



・登場人物メモ

 新鮮なメモ。設定なのだな。人間は設定の開示をすると楽しくなる。そんなに楽しいか? 別にそこまで楽しくはない。



:アイテール

 ドミトリィ五世。エージェント・ドミトリィと、キジール(になるかもしれなかった娘)の子孫。

 分家の人間だが、番外編の時間枝における二人の末裔にあたる。

 アイテールが生まれる前に陰謀で本家筋が全滅したので、ドミトリィを継ぐ一族の始まりとか、彼らが所属していた秘密組織とか、そういうのについてはぼんやりとしか知らない。


 いい年をしているが、実年齢よりも物凄く若い肉体を持っており、少女の外見のまま、死ぬまで変わらない。

 祖先譲りの美貌の持ち主。

 全体的にちんまりしているが、胸が大きい(めちゃくちゃな大きさではない)。


 二重人格気味な特性を持つドミトリィと、キジールの原初の聖句の力が組み合わさり、『エージェント・ドミトリィ』は次の次元へ突入。

 先代までと異なり、人格の乖離に悩まされることなく、自分を完全に支配出来る。さらには自己暗示により身体のポテンシャルを限界まで……まぁ限界を出してもアイテールの体格で成人男性を平気で殴り殺せるのはおかしいので、限界を超えた謎の力を発揮出来る。

 この性質は、ドミトリィの血統だからといって自然と現れるものではなく、才能に加えて訓練も積まなければ成立しない。

 基礎や精神の鍛錬を幼少期から進め、肉体的成長を青年期で完成させ、何もかも理想的な状態に仕上げたら自己支配を進め、身体の変化を停止させる、というのが本来の『ドミトリィ』。


 残念ながらアイテールは正しい手順を踏めていない。

 本家筋壊滅後に、両親がいまいちよく分からないまま適当に修練させたため、もう二次性徴のあたりで早くも自己支配がじわじわ成立していき、あと幼馴染の気を惹きたいがために女性らしくなりたいと曖昧に願った結果、なんか胸だけは結構成長して、そこで変化が止まってしまったのだ。


 キジールよりも能動的かつ意識的に治癒の能力を使える。脚の腱を切られたりしても短時間で治る。本人もあずかり知らぬところでプチ不死病適合状態になっている。ただし不死身ではなく、肉体が派手に損壊したら死ぬ(分からないが、寿命でも死ぬだろう)。


 起きている時はめちゃくちゃ強く、タフだが、意識が途絶えたり混濁したりすると見た目相応まで性能が落ちる。普通の人間よりは体力はあるのだが、ずっとずっと眠らないでいることは出来ない。寝てしまうことに極大のリスクがある生活を送っていたため、やや不眠症気味。

 いっぽうで、キジールのような他者支配は出来ない。相手が気絶しており、かつ対抗手段を持っていないときは、例外的に『言葉』を色々吹き込める。必殺技は相手を殴り倒して気絶させて、これでお前も家族だ、家族なら今すぐ目覚めて敵を殺してこい、などと洗脳する「ファミリーパンチ」。

 でも全体的に人を殺すスキルが高いので銃があるならそれ使うよ。洗脳とか子供の教育に悪いし。殺人なら良いのか……?


・過去の過去

 幼少期から厳しく鍛えられてきたため性格は苛烈。

 幼少期は身体能力に任せた武闘派(ガキ大将)だったが、ある時期から慎み深くなり、武人(裏番長)みたいになっていった。

 恋人らしい恋人を作ることもなく、全体的に優秀な感じで学生時代を過ごし、果ては医者か研究者か射的選手か……と噂されていたが、卒業後に存在をひた隠しにしていた幼馴染みの恋人と電撃的に結婚。

 間も無く一子を出産する。

 あまりの行動力に「可愛いが男っ気はない」「謎めいた高嶺の花」「純潔の化身」などと思っていた周囲をビビらせた。

 幼馴染みは非常に真っ当な人間だったので特にトラブルなく生活し、以後、実家が爆破され、夫が暗殺されるまでは、幸せな日々を楽しんだ。

 後のことは番外編のとおり。

 

・家族

 夫との間に二子を、放浪生活中に一子を産んでいる。

 三人とも幸いにも善良に育ち、現在は継承連帯に在籍。

 放浪生活中に行動を共にした仲間たちもいちおう家族。

 継承連帯の契約により、他にも血族を産んでいるのだが、すぐに引き離されたため、そちらがどうなったのかは、アイテールにも追えていない。

 

 オリヴィアに対しては色々と入り組んだ愛情を注いでいる。

 また、オリヴィアの指摘通り、このアイテールが『オリジナルの記憶を植え付けられた、アイテールの複製体』である可能性は否定出来ない。

 だが、それでもオリヴィアのことを信じて、愛する気持ちに、真贋はあるまい。



 何にせよ、全ては終わったことである。




:オリヴィア

・製造経緯

 番外編の世界では『組織』の不死病推しの派閥が離反して過激化した。

 こつらは完璧にカルト集団となり、バカなので、バカみたいなことをやってしまった……このバカが霊長革新連盟(革新連盟)です。


 この世界の人類文化継承連帯は、あくまでも人類を滅ぼそうとするこのカルトどもに対抗するために発足した。この辺りの経緯が時間枝とは若干異なる。


 頭目である不死者ウラノスの指揮のもと、人類を本気で守護る組織として発展を続け、各国の抵抗勢力を統合。秘匿していたスチーム・ヘッド関連技術を放出しながら絶対生存領域を築き、最後には切り札として秘蔵の人造人間たる『Tモデル』、通称ティターニアを、他の時間枝でも類を見ないほど大量生産して戦力化する。


 これらのうちの一体がオリヴィアである。

 全自動戦争装置なき世界におけるTモデルとそれを素体とした不死病筐体は、継承連帯の最高戦力である。非常に大切にされ、信頼され、愛されている。ティターニアたちもそれに応えるために必死に頑張っている。

 命令言語(原初の聖句)は始祖たる存在ほど自由には扱えないが、自分を操れるので、身体能力が高い。


・特徴

 オリヴィアのような、黒髪黒目で高身長な十代後半〜二十代前半の異様に美しい娘、というのはティターニアとしてオーソドックスなスタイル。自意識過剰で驕慢だが実は繊細、様々な点で奔放で、他者の人生をオモチャにして喜ぶ……という特性は、オリヴィアに関しては、通常のティターニアと比較してやや矯正されている。

 製造された時からそれなりに成熟した体躯なので、小さくて可愛い娘にはコンプレックスと憧れがある。そして母性に飢えているためか、本能レベルで女性的な肉体に惹かれがち。


 オリヴィアたちは、都市運営用のアルファⅢ<アテネ>になるべくしてデザインされている。

 転化後は実体ある循環都市を取り込んで架構世界ごと掌握し、色々操作できるようになる。全住民の心身もコントロール可能となる。あと不可視のバリアも張れるしビーム?も撃てる。不朽結晶も製造可能。つよつよアルファモデルである。

 配下のスチーム・ヘッド戦力まで含めて勘案すると、防衛に徹して生きていくだけなら敵無しの存在だった。

 しかし、想定を遥かに上回る環境の悪化には敵わなかった。


 ファクトリー壊滅の大災禍に直面した際、全住民のそれ以前のパックアップと引き換えに、自分を消し去ることを選択して果てた。

 管制室に閉じこもっていたのは、自罰のためか、合わせる顔がなかったからか、助けが来ると信じていたからか。

 いずれにせよ、人格の摩滅を受け入れてしまい、廃人同然となったため、詳細不明。


 番外編ではアイテールを特に気に掛けていたように見えるが、もしかすると、誰しもと似たような遣り取りをして、自分は特別だと思わせるための言葉を吹き込んでいたのかもしれない。十人の<イージス>に囁きかける甘い言葉も用意できないスチーム・ヘッドに、果たして都市運営が可能だろうか?

 どうであれ、みんなを愛していたし、アイテールを重用していたのは確かだ。心から頼りにして、信じていた。だからこそ「いつか迎えに来てほしい」という願いを自分で捨てたのだ。


 何にせよ、全ては終わったことである。


 


:名前だけ出た皆さんとか組織とか


:ティターニア(オリジナル)

 かつてエージェント・ドミトリィに運命的な電話をして、パワハラめいた決断を強要していた例の女。

 アルファシリーズの始祖の片割れ。

 番外編ではティターニアと呼ばれているが、実は『Tモデル』のTから便宜上付けられたものが逆輸入されただけ。オリジナルがティターニアという名前だったわけではない。

 また、以前にそう呼ばれていた事実もない。


 そもそもクローン暗殺諜報員メイド?のQモデルとか、ドミトリィの過去編に出してたと思いますが、全てティターニア(仮)の複製品です。シリーズの性能が向上するたびにアルファベット部分が進んでいくという命名規則。

 Tモデル成立と、ティターニアの命名は、実は順序が逆なんですね。しかし広報上の理由からも、もっぱらティターニアと呼ばれる。


 経験値の少ないオリヴィアですら性格はやりたい放題なので、長年君臨してたオリジナルがどうなってのたかは考えるのも怖い。

 エージェント・ドミトリィとの関係はオリヴィアの独自解釈。世の中の多くがそうであるように、真実は藪の中。



:番外編世界の不死病患者

 かなり扱いが悪い。

 そもそも、カルトが暴れ出す以前は不死病患者の存在すらほとんど認知されていなかった。

 この時間枝における初登場時から、もうテロの道具みたいな感じだったので、衆目に触れるのは最初から狂乱した姿。いっぱい人を殺した。みんなストレートにゾンビって呼ぶよそんなの。見た目綺麗でも完全にゾンビだよ。

 噛まれるとその人も感染してゾンビになる。オーソドックス。



:霊長革新連盟

 元々は「組織」の一部門。「越冬隊」とも呼ばれる。

 氷河期の到来が近いというのに何ら変化の起きない人類に絶望し、その対立と衝突の歴史に心を痛め、真なる平等と平和、人類種の保存のために無計画な不死病テロを始めた。

 この世界において不死病の拡散はほぼコントロールされていたが、こいつらがトチ狂って無差別に撒き始めたのだ。

 真剣に人類に平和と進歩をもたらすつもりで悪性変異体を作り出しているし、何故か感染しないという人間は攫って実験台にするぞ! ラブアンドピース! 

 上層部のやつらは組織イメージ改善のためになんかゆるい感じの可愛い生き物の姿に変異してそれに記録媒体を挿して活動してる。志に反して倫理観がえげつなくゆるいし、現実も見えていない。一説によると全体をカオスに委ねすぎていて、上層さえも意思決定機構としては機能しなくなっているという。帰ってくれないか? どこか知らない世界に。


・戦力

 変異体推しの組織だが、スチーム・ヘッドも生産している。装甲まで生体ベースなので見た目が凄まじくグロく、生暖かい。

 性能は高いが、記録媒体にキツい認知機能制限を食らってるので、あんまり賢くない。

 相当するの人間が長年彼らから逃げ回っていたので、そうとう簡単に欺瞞できるのだろう。

 普段は飛行船っぽい気持ち悪いものに乗って活動している。陸路を使っていると自分たちが野に放った変異体に襲われるので。バカの集まりか?



・スチーム・ヘッドたち


:アルファⅠ改<イージス>

 データリンク機能に特長があるアルファ型。

 限定的ながら、リンクしているアルファⅢ<アテネ>の能力が使える。

 全機が停止済。



:アルファⅡ<プロメテウス>

 禁忌を破って製造された、地球の寒冷化を防ぐ切り札。

 宇宙空間で頑張る完成版のアルファⅡ。

 人工太陽的なものを運営している。

 のだと思われる。たぶん。

 頑張ってるのかいないのか、正直誰にも分からない。誰も話したことがないのでどういう人格か不明。アルファⅡの特性上、そもそもまともな意思疎通は出来ないため、本当にちゃんと動作してるのかも不明。

 まぁ理論上ちゃんと動いている場合の現象が起きてるので、上手いこといってるんじゃないかな……。

 この機体のおかげで氷河期の回避には成功した。すごいぞアルファⅡ。

 なお、ファクトリーを陥れた環境激変には、全く関わりが無い。

 いつかは人工太陽の展開を停止して地球に戻ってくる予定。いつだろう。戻ってきてもやることないのでは?



:アルファⅢ<オリンピア>

 継承連帯のエースオブエース。何機かいる。

 アルファⅡ関係の基礎研究が進んでいなかった時期に建造された、非常に中途半端な機体。

 自然環境検証用の完全架構代替世界を有する。

 代替世界から農作物とか取り出せたりするのではないか……ということで期待されていたが、出来なかった。

 畑とかの側にオリンピアを配備すると、とりあえずほんのりと豊作になり、お野菜がやや美味しくなり、ワインの熟成が通常の20%増しぐらいの速度になる。

 当然ながらこれらの効果は建造コストに全く見合わない。

 技術検証の過程で生まれた時代の徒花的扱いだったが、色々試してるうちに、代替世界で溶岩地帯とか、寒冷地帯とか、何かもう人類滅んでるでしょこれ的な環境の演算をして、それを現象として取り出すと、分かりやすくめちゃくちゃな強さを発揮することが判明。

 戦闘用として再評価されて、革新連盟の雑魚相手に無双した。

 建造当初は全然違う名称であったが、勝利をもたらす機体ということで、女神ニケにあやかり、オリンピアと再命名された経緯を持つ。



:アルファⅢ<ピグマリオン>

 継承連帯のエースオブエース。試作機なので一機しかいない。

 完全架構代替世界に移動要塞を作って、出し入れ自在にすれば良いのでは……最悪でも兵装のもたらす現象だけ持ち出せば良いのでは……ということで建造された次世代量産機試作型のアルファⅢ。

 彼女の代替世界には移動要塞が存在する。

 やっぱり実体の出し入れは出来なかった。でも兵器のほうは(現象だけ)使い放題なので、まずまずの成果を出した。

 しかし代替世界から干渉されないなら移動要塞の部分はいらないと判明。

 正式量産機は、武装とそれを取り扱う設備しか構築していない。量産機のたは総合的な火力と機敏さでピグマリオンに勝る。


 あえなくピグマリオンは時代遅れの機体になった……かと思いきや、ピグマリオンは独自の判断と趣味で、仕様書と全然違うなんか変な機械を作り上げていた! 何でそんな勝手なことしたの!?

 本人曰く「巨大ロボ」。

 その巨大ロボでパンチする時の破壊力を取り出す一芸がやたらと強力なので、量産機が多数配備された後も、大物食いの第一人者として現役で活躍中。


 ちなみに、ピグマリオンの証言通りに代替世界のロボを再現すると、「機械の脚がいっぱいあるやたら重兵装の動く城」もしくは「なんかヤドカリっぽい形の異常に大きな変な戦車」になる。言うほどロボか?


 違法建築状態のためコピーが出来ないし、図面に起こしても操縦方法がいまいち分からない。そのため他のアルファⅢでは模倣できない。

 だいたい、この巨大ロボ?には敵を殴るための部分がないため、「パンチする」という現象が何を指しているのかも不明。すごい大きいよく分からんもので敵を轢いているだけという説がある。


 

 こんなところでしょうか。

 何か意味あったのかなこれ。やれるところまでやれるのだろうか。近頃心配です。

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