表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新大陸で狩猟者始めました。  作者: リクルート
3/6

出会いと再会

 新大陸まで4日ほどかかるので、船には食堂のような場所まであり、知り合い同士が談笑していた。

 俺は知った顔が出航のさい見えたので、そいつを探していたが何故か、一定の距離を置いてだが女性につけられていた。

 間違いかもしれないと思い無視をして、目的の人物を探す。

 食堂と言え、大きな樽が机がわり、小さなたるが椅子の代わりをしているため、中は不規則な集団の塊になっている。

 奥に目的の人物を見つけ、歩を進める。そのたびに横からつぶやきが聞こえる。


「げ、本部だ」

「ちがう、違う、犬だぜ。アレは」

「構ったら、上にどんな報告されるか、わかんねーよ」

「首になった奴もいるしな」


 そんな声が聞こえるが右から左に、自分ではない誰かのことだろうと流す。

 一人で酒を飲む人物に声をかける。


「久しぶりだな、ルーク。珍しく一人か?」

「お、珍しいじゃないかアキト。君から来るなんて、来ないなら僕から行こうと思っていたよ」

「俺が居るのは知っていたのか?」

「ああ。呼び出し受けたエリート部隊とは顔見知りが数人いるからね、あと女の子はみんなピリピリしていて捕まらなかっただけだよ。まぁ、そう言うアキトは珍しく女の子と一緒か――大人になったかついに? 紹介ぐらいは頼むよ」

「はぁ? 何のことだ?」


 ルークのよくわからない言葉に疑問を投げながら、小さな樽を置きルークの正面に座ると当たり前のように俺とルークの間に、後ろをついて来ていた女性が座る。


「あ、どうぞ。私のことは気にせず」

「「気にする」よ」

「いえいえ、お気になさらず、あ、エールで――」


 勝手に座り、あろうことか注文まで済ませた彼女は何事もないように座っている。

 ルークに顔を向けるが面白がって、君のつれだろ? と言わんばかりだ。知らないと言ったところで無駄だろうと思い、しかなく関わる。


「あー、取りあえずアンタは誰だ?」

「遠距離職で弓をやっています。名前はメアリーです。気軽にメアと呼んでください」

「……あー、いや。メアリーさんは取りあえず、何でここにいるんだ?」

「ふむ、なんと言ったらいいのでしょうか? 私、ギルドの強制参加組ですがまだ、死にたくはないんです。だから、その……あなたの傍にいさせてください」

「「…………」」


 冗談ではなく、彼女、メアリーは本気でそう言っている。流石にルークもそれはわかったようでメアリーを黙って見ている。

 今回のような大型の依頼は人数とある程度の質が必要だとあり、ギルドは参加者を二つに分ける。

 昨日、応接室に呼ばれた俺以外の人物は俗にいうエリートであり、この任務に参加するか選べる側――質――だったがメアリーやルークなどは推薦組と呼ばれ、ギルドから手が空いており、ある程度実力があるものは今回の様に名指しで依頼がある。

 推薦と聞こえはいいが実際は違う。

 エリート同じように依頼は断れるようになっているが、もし断ろうものならギルドを通しの依頼が露骨に受けづらくなるとゆう嫌がらせを受ける。

 受けることができるものは、その日暮らしがやっとのようなモノばかりで、狩場を移そうにもギルド全体での行為なので意味はない。ほとんどが密猟者となり、消えていく。

 なので、選択肢のない強制組――量となる。

 受けなければいけない状況にされるのは、同情できるが死にたくないから、俺の近くにいる理由はよくわからないのが正直だ。

 と、こちらが困惑しているとメアリーが思い出したかのように付け足す。


「あ、困惑はわかります。その、昔からなんです。何処が安全で、何処が危険なのかこう……視ると何となくですけどわかるんです。」

「あー、たまにあるよね。そうゆうの。うん、理解した。僕は彼女が居てもいいよ。そうゆう感は好きだからね」


 ルークはそう言い、注文したものを貰いに席を外す。


「その……」

「取りあえずわかった。ここまで来るのに近しいものを感じるのは俺にもあった。それにアンタは危害を加えるようには見えないから、居たければいていいさ。その代り、話には入ってくれよ?」


 はい。と彼女が元気に頷くと共に料理とエールとジュースが運ばれてきて、俺とルークが彼女に自己紹介を行う。


「僕の名前はルークだよ。遠距離から女性の心を打ち抜くシューターさ」

「わー、凄いですね。ルークさんがいると誤射されるかもしれないんですね? 気を付けます!」


 先ほどまでと打って変わって、暗さがなくなったメアリーはルークの説明に間を開けることなく、そう言う。あまりにも慣れた手際なので、こうゆう手合いには成れているようだ。

 おかげで、ご自慢の整った顔がお見せできるものではないほどルークの顔は引きつっている。

 反対にしてやったと言った顔でメアリーは垂れていた銀色の髪を耳にかける。なぜだろうただの動作一つなのに艶めかしく感じる。


「それで……」

 

 ちらっとこちらを伺う目を向けられる。


「……ああ、悪い。俺はアキト。メインは双剣だがある程度は武器が使える。よろしく頼む」


 呆けているとメアリーから急かされるので当たり障りのない答えを返す。


「はい、よろしくお願いします」

「僕も改めて君と冒険できるのは嬉しいよ。このまま3人でチームが組めるといいね」

「どうだろうな、向こうのリーダー次第だろ」

「それもそうだね」

「私はその方が嬉しいですけど……ここに居させてもらうだけでもありがたいので欲は言いません」


 と、区切りがついたところでルークがエールを上げ音頭を取る。

 狩猟者の約束事のようなものだ。


「それじゃ、出会いと再会を祝して――」


「「「乾杯っ!!」」」




次でやっと戦闘です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ