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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
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恋愛

忍び寄るおっさんの魔の手 狙われる俺

作者: 山目 広介

 ある日、同僚が同じ誕生日だと分かった。

 俺が免許の書き換えで遅刻をしてもいいかを確認していたからだ。

 その人は同性のおっさんで他の同僚といると非常に面白い人だった。

 背は低く、まーお世辞にも痩せてるとは言えない体型だった。

 話すようになったのは作業場所が近くだったという在り来たりな理由だ。

 それであるとき、千円貸してと言われて貸した。そして翌日にはちゃんと返ってきた。

 貸しても返さない人がいる中でちゃんと返すという行為はある意味信頼に値した。

 それで、同じ誕生日なのだから一緒に祝おうと誘われた。

 よく分からずに俺は同意を示す。「はい、いいですよ」と。


 そして誕生日。

 仕事帰りに駅前で何故か店に入り、一緒に食事。

 俺はなぜにおっさんと食事してんだろ、と心で眉を(ひそ)めつつ、愛想笑いを浮かべた。

 それで食事が終わり、解放されたと思ったが、ちょっと遊んでいこうとなった。

 ボーリング場に行くが生憎とレーンが塞がっていて(よっしゃー)、仕方ないですねと断って終わると思った。

 しかし、ついでだからとゲーセンでぶらぶらしつつ、しばし時間を潰すことに。

 そしてカラオケあるからしていこうと言われて付いて行くことになる。(併設すんなよ)

 食事もワインを飲まされたが、カラオケでもチューハイなど酒類を飲まされた。

 やっと終わって帰るとなり、タクシーを呼んで帰ることに。

 タクシーに乗り込む。

 ふと手の上に何かが乗る。

 おっさんの手だった!?

 鈍った頭で、いきなり払いのけるのは気まずいだろうか、などと考える。

 指が曲げられて、手を握られている状況になった!!


 ゾクッ


 背筋が急激に縮まるのを感じた。

 頭から、顔から血液が上から下へと、底が抜けたように下がっていった。

 酔いもあり、急激な低血圧で頭が痛い。

 頭を下げて、堪える。

 気を失うのは絶対にまずい。

 眠りそうな瞼を無理にでも上げる。

 駅に着き、おっさんに奢られるのは怖かったが身の危険は差し迫っていたため、自分の側からさっさと降りた。

 俺はこっちだからとおっさんと別のホームへ向かった。


 その後、おっさんと二人きりになることは避けた。 

 今までは気付かなかったが、なんだかケツを見られてる気がする。

 休憩中、休憩所におっさんが近づくと俺は他の人達に話しかけた。

 もし、あのとき酔いつぶれていたら……

 酒は苦手だが、アルコールには強い方だったことが幸いした。




 時が経った今でも、ふと振り向くとおっさんが見つめている気がする。




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― 新着の感想 ―
[気になる点] つ、続きが気になる…。 [一言] リアリティのある話が多いですが、まさかこれも。 ああああああ、夜グッスリ眠れて良い夢みれそうです。 嘘です。腐ってません。上手く発酵出来ました。
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