完全な理不尽
「ひ、人違いです! 僕は人なんか殺してませんよ!」
<生まれ変わって>12歳にもなろうという少年は、大勢の男の前で叫んだ。
「はぁ?なにいってんだコイツ、 死神は人を殺すもんだろうが。つーか殺してなくても死神は死神だからさ。」
110人の英雄の一人がそういうと、周囲の人はみな頷いた。
―――――事実、彼は死神である。天界の神族に匹敵するだけの魔力を持ち、魂を葬る鎌をもち、
秘術によって16歳までしか成長しない体で何度も蘇る。
しかし、彼は人を傷つけたことがない、まぁ、今からそうなるのだが―――――――
「違うって!僕が殺したのはこの鎌を持っていた邪神だけでぇ・・・・」
死神は言い訳を続けた。そんなこんなで1時間がたった頃、英雄の一人がしびれをきらした。
「わかったから坊っちゃん、人を殺してないか検査だけさせておくれ」
死神は、喜んで英雄の間合いに入った、
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!」
音速で振り下ろされた英雄の剣は死神に突き刺さった。
死神の体に痛みが走った。
途端に怒りが沸々と込み上げてきた。
<中位爆裂魔法・ミル・インプロージョン>
死神の放った最後の中級魔法は、英雄たちのほとんどを焼き尽くし、消えていった。
生き残っている神官が、天界送りの呪文を唱える、
死神はカラダに走る激痛に悲鳴を上げる。
「もう、、、死んじゃうのか・・・」
死神は体が軽くなっていくのを感じながら、気を失っていった。