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宜しくお願いします。
ちょっと余裕が出てきたのだろうか、キョロキョロ改めて辺りを見渡す。
焚き火と闇に慣れた目によってぼんやりだが周囲が見える。苔が生えた石や木々・多くの雑草そして目の前を火に照らされ流れる川。
「樹海なのか?」
(うーむ!容姿といいこの樹海らしき所といいどうやらこれは・・・転生か!?
まぁ、何でもいいさ。とりあえず衣食住を何とかしないと・・・)
バチバチと燃える炎を見つめふと思う、生きる事に嫌気を覚えつつも生きる事に・・・
執着する自分がいる事に可笑しさを感じる。(矛盾だな。)
火の粉が風に舞い頬を掠めていく。(とりあえずは食料から何とかしないとだな。)明るくなってから動き始めようと考えを定めるとしだいに瞼が重くなってきて神紅がウトウトとしだしたその時!
『どばしゃぁぁぁーーーん』
水面を叩きつける音が辺りに響き渡ったと同時に神紅は飛び起き眠気も忘れて音のした方角をガン見。「な・・・何事だ!?」目を凝らして見ようとするが、暗闇が邪魔をして今ひとつよく見えない。
無視する事も出来ず恐る恐る音のした方へと自然と足が進む。
『ガバァッシャ』
「うわぁ!!人?!!女!!?」
水面から女性が空気を求め勢い良く飛び出してきた!そのまま川から上がろうと川辺へと向かう途中で呆然とその様子を見ていた神紅に気付き彼女は目を見開きビックっと体を震わせ声を荒げる。
「ご・・・ゴブリン!!」
そして腰元に吊され剣を抜き放ち神紅に斬りかかってきた。
「なッ!?」
剣先が頬を掠め、神紅は尻餅をつく!「おわぁぁ!殺さる!!」再び剣を振り下ろそうとする女性の姿を目の当たりし、神紅は目を瞑り両手で顔を覆い隠す。(あれ?まだ死んでない??)
そっと、片目を開けて両手の隙間から覗いて見ると剣を振り上げた姿勢で膝を折りそのまま神紅にのしかかり倒れ込んだのだった。
「・・・・・・なんなんだよ一体!?」
有り難うございました。