表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

3.舞踏会

公爵家主催の夜会。

あたしはもちろん外待ち


まあ、いいけど勝手に忍ぶからさ


口煩いオッ・・・ウィリアム氏もいないしぃ~。にひひ、

腹が立つのはウィリアム氏は一応あれでも貴族だから、お嬢様の護衛として一緒に会場に入っていることだ。

ほんとムカつく


館の中ではまたお嬢様囲まれてるんだろうな

これじゃあ女子のお友達も出来ないなぁ。女の子とお茶会、出来る位仲良くなるの楽しみに毎回出かけるのになぁ~。

淡い光が窓から漏れる

月光と相まって儚い風情の外庭


豪華な馬車のある一角からは外れてるから

色ごとに夢中のカップル様しかいない

いやあ、元気だね皆。


「ケイン氏もそう思わない?」

「はぁ?」

背後から素っ頓狂な商会ケインの声

「こんなとこまで出張って来るなんて、ケイン氏は仕事熱心だね。今日の売れ筋は媚薬かなぁ」

ため息をついてケインが横に並ぶ。

あたしはずっと姫様のいる場所を見ているけど、ケイン氏が呆れた顔をしているのはわかる

「お前、勘がいいよな、ホント。俺だっていつ分かった?」

「庭の様子に興味なさげに歩いてたから」

「人のことなんか興味無いだろ。普通」

「ウィリアム氏なら『おおっ』って、あたしの目を塞ぐかな」

「塞いでやろうか?」

にやついたのすらわかる

「そこは、耳じゃね?と、つっこむ所」

あ~はいはいとぞんざいに返事される


ふいに、明かりがゆらりと揺れて、次の瞬間


『きゃああ~!』


部屋から悲鳴が複数届いた


「何だ?・・って、山猿、どこ行った!」



 会場は中央の空間を開けて人が息をひそめる様にしていた。

音楽は無い。

数名がその中央に居る。

悲鳴の元凶だろう。


中央、天井の光が不穏に揺れている。ゆらゆら淡い影を落として。

シャンデリアに突き刺さる短剣。


やらかしたか王子様!!

中央のいかにもな空間にいたのは王子と・・・。

どんな出来事があったかは後、聞くとして

(お嬢様!)


意外に早く見つかった


ウィリアム氏が膝をついて抱きかかえているのが、お嬢様ダァアアアアアーーーーーーー!


駆け寄りたいのを我慢。


なぜかお嬢様は事態の起こった中心の一人らしい。


開いた舞踏空間に、王子筆頭婚約者

(王子の婚約者は筆頭。次席、三位、候補との名称の元四人いる。選ばれるのは一人だが、予備は必要だからなぁ。)

とりあえず。今、王子と共にいるのは、筆頭の人だ。彼女は茫然自失で立ち尽くしている

短剣は多分王子と令嬢の間に立つ(将来の)近衛騎士殿の物だろう。鞘だけ腰に残っているから。

ついでに、王子も走る前みたいな体勢で固まっている


推理1

令嬢貧血

騎士酔っぱらって短剣飛ばす

王子なんか身構えてるから突っ込み待ち

家のお嬢様びっくりして転倒、庇うウィリアム氏


推理2

モテモテお嬢様に嫉妬した令嬢、お嬢様に襲い掛かる

王子助けようとしたが間に合わず

騎士君。剣を抜いちゃう?

ウィリアム氏転んでるお嬢様確保

何で剣が天井シャンデリア刺さるの?

ガラスが飛び散って危ないなあ、ああ!

ウイリアム氏が降りかからないよう庇ってるね。

後で褒めて上げよう


推理は置いといて、

今日のホストが表れて、王子に耳打ちする

王子が項垂れる


(将来の)近衛騎士が声をかけようとして、逆に固まる


王子退場

急いで追う(将来の)近衛騎士様。何故か距離を置いて居るわけで。

(心の距離あり)


令嬢のご友人らしき方が彼女の肩を抱いて、また退場



泣き崩れていらっしゃる姿がチラと見えた。

目がいいんだあたしは。


そっと話しかけるウィリアム氏にコクコク頷くお嬢様。

立ち上がろうとして、へにゃっと崩れる。・・・・腰ぬけてら。


おや?ウィリアム氏機転がきくぞ!

お嬢様をお姫様のように横抱きに担いで颯爽と退場だ。

後で話を聞こ~っと。


うわ、やべっ!ウイリアム氏に見つかった。

さっさとトンずらするでござる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ