CASE1
最初はなるべく、毎日更新でいきます!
(とりあえず、少し様子を見てみるか。死者を迎えにくるのが遅れていいるかもしれないしな。そうであるならここから動かない方がいいだろう)
そう思うと、男は地べたに座り込む。
ブランド物のスーツが土で汚れるが、そんなことは気にしていない。
気にしているのはこれからの自分の運命だけだ。
しばらくし、ただでさえ薄暗かった森がさらに薄暗くなる。
明かりとなるようなものは数多の星々と巨大な月だけである。
男はポケットからカバンから長方形の箱とライターをとりだし、箱の中から円柱状の細長い物体を取り出す。
タバコである。
取り出したタバコを咥え、ライターで火をつける。
夜空にわずかな煙が立ち上る。
煙草を口に咥えながら、男はスマホをいじり始める。
相変わらず圏外ではあったが、そんなことはお構いなしに男は今までに親しかった人々としたやり取りの履歴を開いた。
そこには仕事上での会話、友人との旅行の記録、恋人とのけんかした時のやりとなどのたわいもない会話ばかりが残っていた。
(こんなたわいもない会話も、もうすることができないのか………)
男は行動を起こしたかった。
べつだん、何がと決まっていたわけでもない。
見知らぬ場所に一人でいる恐怖、誰とも連絡がつかないという孤独感。
それらかを紛らわす何かをしたかった。、
男は親から届いていたメッセージに返信をする。
それが届かないことがわかっていても。
ピロン、とスマホから送信音が鳴る。
たとえ圏外でも音が鳴るアプリの機能だ。
さて、この男は現在明かりひとつない夜の森の中電子機器をあつかっている。
おまけに音も出ているときた。
この森では、従来夜に明るい場所なんて特別開けた場所か湖ぐらいしかなかった。
また、聞こえてくる音も森のさざめきぐらいしかなかった。
そこに明るく光るものをもった肉がいた。
男は3本目の煙草にてをかけていた。
それを口にくわえようとしたとき少し自分の腹部に違和感を感じた。
スマホで照らし、下を見ると
腹部から剣が生えていた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?}
腹部から剣が抜かれ、腹部からすごい量の血が流れ始める。
男は必死に腹部を抑えるが、血は一向に止まりそうにない。
男は不幸だった。
もし、心臓などの主要機関を刺されていたならば、このまま何も知らずに苦しまず楽に死ねたのだ。
どちらとも刺されてはいるが………。
意識がもうろうとしながら男は地面に倒れこむ。
そして倒れこみ、自分を刺した生物が見えた。
いや、見えてしまった。
小学生ぐらいの身長に、それに不釣り合いな大きな顔。
ひん曲がった鼻に鋭く尖った耳。
どす黒い緑いろのベースに、ところどころに汚れが目立つ体。
そして自分の目先まで迫っている剣の先が……………。
最後に出てきたのは森に住むゴブリンです。