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1人1人が『力』持ちの世界  作者: 卯月如月
第一章 『生命力』
9/20

無修正

この話には〔過激描写みみなめ〕が含まれております。

苦手な方はご注意ください。


 「さあ一樹、今朝の続き、しよっか…」

 

 ストレングス学園第一棟舎の最上階、150階にある学園長室で俺は金髪幼女セラに迫られていた。

 

 なにこのエロゲー!?

 

 これまでにも同じような事があったが、金髪幼女セラの下着姿を見るのは初めてだった。上下どちらも薄ピンクの女性下着。甘い香りが漂ってくる。

 この人も、こういうの着るんだ…。結構可愛いところあるんだな…。

 俺は、目の前の金髪幼女セラのあられもない姿に感想を述べる。

 すると金髪幼女セラが急に赤面した。

 腹部に感じる体温も同時に上昇していく。

 

 「あ、あの、どうしましたか? 顔赤いですよ?」

 「か、可愛いとか…、そういうのは、大人の私に対して、し、失礼じゃ、ないかしら?」

 

 可愛い? もしかして俺、口に出してた?

 

 「そ、それに、私だって、こういう下着を着る年齢をとっくに過ぎてるのよ? いくら体型が幼いからって、私だって女なんだから、こういうのは着たいものなの…、バカ」

 

 最後に言った、バカ、は小声でよく聞こえなかった、ということにしておく。それは置いといて、

 

 「似合ってますよ、先生」

 「そ、そう? 似合ってる?」

 「ええ、断然かわい…、綺麗きれいですよ」

 「ねえ一樹、今可愛いって言いかけた?」

 

 ジト目で睨んでくる金髪幼女セラ

 

 「なんで目をらすの?」

 「いえ、別に…」

 

 俺は何とか誤魔化して、話の話題を変える。

 

 「それよりも先生、服を着てください。風邪引きますよ?」

 「私がこんな姿を見せたのは、貴方が初めてなんだけど? それについてはどう思う?」

 「……またイタズラのレベルが上がりましたね、素晴らしいプロ根性ですよ、先生」

 

 起き上がろうとする上体を、彼女は押し戻した。

 

 「私は本気よ、一樹…」

 

 その表情は真剣だった。

 

 「本気って、生徒と教師ですよ? 生徒と教師が恋愛関係になったら大問題ですよ? これが他の人に知れたら…」

 「私が責任をとる…」

 「なっ!?」

 

 彼女は本気だ。本気で俺の事を思ってる。下着姿を見せたのも、これが彼女の覚悟だってことを示す為なのかもしれない。でも、生徒と教師が恋愛関係なんて普通はあり得ない。その上、年がかなり離れている。700歳を超える幼女と17歳の学生。世間から見たら普通じゃない。

 

 先生には悪いけど、今、貴女の気持ちを受け入れるには…荷が重い。

 金髪幼女セラが口を開く。

 

 「一樹、今から言うことは学園長命令よ」

 「め、命令?」

 「そう、命令よ」

 

 彼女は覚悟を決めた表情で俺に命じた。

 

 「私は、貴方に命じるわ」

 

 ゴクリ、と俺も唾を飲んで覚悟する。

 

 「池浦一樹、貴方はこれから、私の所有物こいびとになりなさい!」

 

 (。・ω・。)? 俺はキョトン顔になった。

 所有物こいびと? 所有物こいびとって言った? ここは恋人こいびとって言うのが普通じゃないの?

 

 「だって貴方、恋人こいびとになりなさい! なんて言ったら断るでしょ?」

 「当たり前です!」

 「ほらね~、だから私も考えたのよ」

 「はい?」

 「小説って良いわよね~、さっきみたいに「所有物こいびと」っていう風に自由にふりがながつけられるんだから」

 「先生、発言がメタいです」

 「読者は私たちが結ばれる事を望んでるのよ?」

 「俺は望んでいません!」

 

 メタ発言到来。軌道修正に試みる。

 

 「というわけですので、俺のことは諦めてください!」

 「だ~か~ら~、読者は私たちが結ばれる事を望んでるって言ってるでしょ? そういう運命なの!」

 

 ああ、もうだめだ。全然軌道修正出来ない。俺の能力もここまでか。

 もう、なんでもいいや。設定とか設定とか設定とか設定とか…。

 

 「貴方の方がメタ発言してるわよ?」

 「誰のせいでこんなことになったと思ってるんです?(怒)」

 「さあ、誰でしょうね~」

 「貴方ですよ、貴方! 最初にメタ発言したのは貴方なんです!」

 「あら、私がいつメタ発言したの?」

 「「プロローグという名の人物紹介4」の時です! それも結構冒頭部分で!」

 「そんな太古の昔の話をされても…」

 「投稿の日時とその文章の行数をお答えいたしましょうか?(怒)」

 「分かった分かった。私が悪かったから、少し落ち着きなさい」

 

 メタ発言は一旦終了。本題に戻る。

 

 「それで、「所有物こいびと」っていうのは具体的にどういうものなんですか?」

 「「恋人こいびと」がダメなら、もう私の所有物にするしかないと思って…、ダメ?」

 

 可愛い顔で俺を見つめる。

 こういうときだけ子供になりやがる。都合の良い設定ですね。

 

 「一樹、メタ発言禁止」

 「御意ぎょい

 

 いい加減本題に戻る。

 

 「先生の気持ちは分かりました。ですが、恋人になるにもいろいろと問題があります。それは先生も分かってることでしょう?」

 「先生じゃなくて、セラって呼んで。それから敬語、謙譲語、丁寧語も禁止!」

 「それじゃあセラ、とりあえず、そこ退いてもらえるかな?」

 「イヤ」

 

 即答で返ってきた。

 

 「退くわけないでしょ? 今は私の時間だから…」

 

 セラが身体ごとすり寄ってきた。セラの顔が近づいてくる。

 

 「せ、セラ? ちょっと近くないですか?」

 「ふふっ、近くしてるのよ」

 「だからって、必要以上に身体をこすり付けるのはやめて…」

 「あれれ~? 一樹くん、お顔が真っ赤ですよ~」

 「この幼女め…」

 「何か言った? はむ…」

 「ひゃあ!?」

 

 セラが耳たぶをくわえた。

 

 「ちょ、セラっ、何やっての!?」

 「ふぇ? みみにゃみぇらけろ? (え? 耳舐めだけど?)」

 

 セラが耳たぶを舐めながら応じる。

 

 うん、何言ってんのか分からない。もうちょっと滑舌良くしてからいってほしいな、セラちゃん?(怒)

 

 そんなことおかまいなしに、セラは耳たぶを舐める。

 

 「ちゅうぅぅ、れろれろれろ、じゅる、じゅる、れろれろ、じゅる、じゅる、ちゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ、ぷはぁ…、はあ、はあ、はあ…」

 

 顔を真っ赤にして体制を立て直すセラ。

 

 「せ、セラ、もう満足だろ?」

 「まだまだ、全然足りない。もっと頂戴…」

 「ちょ、おま、それ以上は…、ひゃあ!?」

 

 セラは飽きることなく耳たぶをむさぼり続ける。

 

 「じゅる、じゅる、れろれろれろ、ちゅうぅぅぅ、くちゅくちゅ、れろれろれろ、じゅる、じゅる、じゅる、れろれろれろれろれろれろ、くちゅくちゅ、ちゅうぅぅぅぅ、れろれろれろれろれろれろ」

 

 セラが甘い声で小さくささやく。

 

 「一樹の耳たぶ、柔らかい…、れろれろ…」

 

 さすがの俺も理性が持たなくなってきた。こういうときは……。

 俺はセラの肩を掴んだ。

 

 「きゃっ、な、なに?」

 「えーい!」

 

 俺はセラを押し倒した。

 

 「か、一樹…、もしかして、興奮しちゃった?」

 「…………」

 「図星…なの、ね」

 

 セラは何か覚悟を決めて言った。

 

 「いいよ、一樹。来て……」

 

 目をうるおわせて両手を伸ばしてくる。

 これが俺の結末、なのか? 

 そういえば、楓も俺の耳たぶ舐めるんだよな。

 

 ──はっっ!?

 

 その時俺は、重大なミスを犯した事に気がついた。

 

 それを見たセラが疑問を投げてくる。

 

 「か、一樹? 大丈夫?」

 

 気が付いたら俺は大声を上げて、窓ガラスを割って飛び出していた。

 

 「しまっったあぁぁ〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰!!!!!」

 

 窓の外に出た俺は、建物の壁を走り続け、50階に達したところで技を繰り出した。

 

 「『相殺オフセット』!!!」

 

 自分の重力のことわりを断ち切った。これにより俺は空中でも歩くことができる。

 

 「マズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイマズイヤバイ!!!!」

 

 俺は空中を壁際に沿って降りていった。行き先は俺の教室のある20階。偶然開いていた窓に向かって飛び込む。同時に技を繰り出す。

 

 「『相殺オフセット』!!!」

 

 再び自分の重力のことわりを断ち切った。これにより俺は、空中を歩く前と同じ状態を取り戻した。

 そのまま、勢いを殺さず廊下を駆ける。

 

 「急げ急げ~!」

 

 自分の教室が目前に近づき、ドアを豪快に開けた。

 

 「きゃっ!」

 

 女性らしい甲高かんだかい声。どうやら先客がいたようだ。

 

 「あっ、ごめん! 驚かせたかな?」

 「い、池浦くん?」

 

 お互い見つめ合う。外から差し込む光が彼女のミディアムヘアを美しく照らす。よくよく見ると、背は俺と同じくらいの170台。楓が160弱だから、平均としては高い方。瞳はブラウン色、髪の色もそれと同じ色をしている。

 

 ──ん?

 

 彼女の観察をしているとあることに気付いた。

 

 「……あの、俺の鞄に何かしました?」

 「えっ?」

 

 彼女も俺の鞄を見る。鞄が思いっきり開いていた。

 

 「あっ、いや、何も~、してないよ?」

 「いや絶対何かしましたよね?」

 「な、何もしてないってば!」

 「じゃあなんで俺の鞄の近くにいるんです?」

 「こ、これは、その…」

 

 俺は彼女の元に歩み寄る。

 

 「正直に話してください。何もしませんから…」

 

 もじもじしている彼女は、どこか恋する乙女のような雰囲気だった。

 

 「わ、分かった。驚かないで聞いてね? 絶対だよ?」

 「はい、絶対に」

 「よ、よしっ、それじゃあ…」

 

 彼女は両手を胸元に重ねて言い放った。

 

 「池浦くん! 私と付き合ってください!」

 

 ──え?

 

 「えぇええぇえぇえぇええええぇええ!!??」

 

 俺は思わず発狂した。それは、外にいる四人にも聞こえたようで…。

  

 《同時刻 所:ストレングス学園第一棟舎 正門》

 

 「今の、一樹の声…」

 

 発狂した声を聞いた楓が持ち主の名前を当てる。

 

 「この距離だと、教室じゃないかな」

 「エイル分かるの?」

 「うん、まあ、なんとなくなんだけどね…」

 

 イリヤとエイルの会話が済んだのを聞いた司は3人に号令を出した。

 

 「とにかく急ごう!」

 

 四人は正門をくぐり抜け、一樹がいるとおぼしき教室に向かった。

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