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歌と詩

微睡みの中

作者: 風花 深雪


夢に落ちる2秒手前

意識はまだ瞼の裏側

いつの間にか落ちていった

僕とは別のボクの世界



広がる景色は何処だろう

懐かしい匂いと感覚

何処かで視たことある世界


何処だっけ? 何時(いつ)だっけ?

知っているはずなのに

忘れてしまったボクの世界




暖かい陽の光りを浴びて

僕は僕の世界に戻る

覚えていたはずなのに

さっきまでそこに居たはずなのに


覚めれば全てあやふやで

僕はいつしか忘れてる




どこかの世界にいるボクに

僕はボクに逢いに行く


君は誰? 僕は僕?

ボクは夢の中のボク

逢いに来てくれてありがとう



笑った表情(かお)が視えた気がした



手を取り合って

互いの世界の話を聞かせ

笑いあったあの日のボクは

優しい表情で微笑んだ


また来てよ

ボクはいつでも此処に居るから

ボクにまた、逢いに来て




小指を絡めて上下に揺らせば覚める夢




あれ……なんだっけ?

懐かしい夢をみた気がするけど

なんだっけ? 思い出せない


頭を掻いて時計を見ると午前5時

早い目覚めに少しがっかり

今日が早く迎えにきた

いつもはもっと遅いのに



窓を開けると夏の匂いが漂って

草木がそよそよ唄ってる




「…もう夏かぁ」




空は明るく雲は白い

これから暑くなるんだろう


気だるく吐かれた息の向こうで

『待ってるよ』って伝えても

僕にはもう 届かない



大事な夢を忘れても

僕はそれに気がつかない




失われた夢の中で、ボクはずっと、待っている。







『僕』の夢が叶うことを、祈ってる。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 小指を絡ませ上下に揺らせば覚める夢── 天才見つけました。 風花さんすごいです。 言葉のリズム、情景── こういう表現を出来るようになりたいんです。
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